【コラム】:過失割合について(単車と四輪車との事故 1.交差点における直進車同士の出合い頭事故(1)信号機により交通整理の行われている交差点における事故)

2019-05-26

 

 

 

交通事故の被害者および加害者には,それぞれの過失に応じた過失割合というものが決められます。
過失の割合に応じて賠償額が減額されるため,交通事故において,過失の割合はとても大きな問題となります。
そこで,事故態様ごとの過失割合をご紹介します。

1.交差点における直進車同士の出合い頭事故
(1)信号機により交通整理の行われている交差点における事故
    信号機により交通整理の行われている交差点とは,信号機の信号により,交互に一方の交通を止め,他方を通す方式による交通規制が行われている交差点をいいます。
      信号機が設置されていても,黄点滅信号や赤点滅信号が表示されているだけの交差点は,交通整理の行われていない交差点となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     
  ア 単車青信号・四輪車赤信号【160】

   単車:0 四輪車100

     イ 単車赤信号・四輪車青信号【161】

   単車:100 四輪車:0
       信号に従っている車両であっても,前方左右に対する通常の安全確認をせず,又は信号違反車の発見後容易に回避措置をとることができたのに,これを怠った場合には,過失を認めてもよいとされます。

    
     ウ 単車黄信号・四輪車赤信号【162】

   単車:10 四輪車:90

     エ 単車赤信号・四輪車黄信号 【163】

   単車:70 四輪車:30
      車両は,黄信号の場合には,原則として,停止位置を越えて進行してはなりません。信号無視という点では赤信号を無視した車両と同質ですが,行為の危険性の大小において赤信号車と黄信号車とでは顕著な差があるので,双方の過失を対比して基本の過失相殺率を決めています。
     また,単車と四輪車の優位性の差のほか,単車には転倒の危険があり,信号が青信号から黄信号に変わっても急停車しにくいことも考慮しています。

    
     オ 双方赤信号 【164】

  単車:40 四輪車:60
     双方とも,対面信号が赤信号になっているのにこれを無視ないし見落とした場合には,いずれの過失も重大のため,余り修正要素を強く働かせるのは妥当ではありません。

   
愛知県内での交通死亡者数は,2003年から16年連続全国ワーストとなっています。
特に,高齢者の交通死亡事故が増加しており,約55%となっています。

単車と四輪車との事故の場合,単車の運転手が亡くなられたり,重篤な後遺障害が残る場合が多く,賠償額が大きくなります。過失割合がたとえ1割の違いであっても,受け取れる金額が大きく変わってきますので,適正な過失割合で解決をすることが大切です。

しまかぜ法律事務所では,事故の現場図を分析したり,正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしています。
また,単車と四輪車との交通事故の解決実績も豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

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