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【コラム】:消極損害その3 死亡逸失利益(3)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その3 死亡による逸失利益
2.基礎収入
(1)稼働収入
① 有職者
ア 給与所得者(2)
<裁判例>
・ 高校及び専門学校卒の保育士(20歳)につき,その学歴は,高専・短大卒と同視できるとして,賃金センサス産業別女性高専・短大卒全年齢平均を基礎とし,47年間認めた。
・ 大卒アルバイト(23歳)につき,事故までの約8ヶ月間の収入は23万円余であったが,大学卒業後専門職に就くため独学で専門知識を学びつつ,正社員として就労することも視野に入れて進路を考えていたことが窺えること等から,大学卒業後3年程度を経るまでには就職し,その後は大卒男子全年齢平均程度の収入を得る蓋然性があったとして,賃金センサス男性大卒全年齢平均を基礎とし,25歳から67歳までの42年間認めた。
・ 研修医(24歳)につき,67歳まで,賃金センサス職種別・産業計・企業規模計・男性医師の全年齢平均を基礎とした。
・ 高卒公務員(24歳)につき,事故前年の年収が平成26年男性高校卒20歳から24歳までの平均年収より25%程度高額であること,年齢を積むことによる年収上昇の高度の蓋然性が認められることから,賃金センサス男性高卒全年齢平均の1.25倍を基礎とした。
・ 被害者(25歳)につき,事故当時は委託業務に対する報酬の支払いを受けていたが,事故直後から給与月額28万円で正規雇用される予定で,事故前の勤務実態から深夜割増や残業代の加算を考慮する必要があること,月額28万円の給与は男子高卒25~29歳の所定内給与の約1.25倍で,学歴計の所定内給与額をも上回ること等を考慮して,賃金センサス男性学歴計年齢別平均を基礎とし,生活費控除率30%で認めた。
・ 会社員(26歳)につき,大学中退後,コンビニで正社員として稼働していたが,事故前年に転職した後は,賃金センサス男性学歴計年齢別平均賃金を下回る程度は縮小しつつあり,不動産会社に就職してから事故までに約1年しか経過していないことを考慮すると,賃金センサス男性全年齢学歴計と賃金センサス男性全年齢高卒とを考慮して基礎収入を520万円し,生活費控除率50%で認めた。
・ 会社員(26歳)につき,事故前年給与収入が180万円前後であるが,26歳と若年者であり,勤務先での勤務を続ければ,将来的に生涯を通じて学歴計・全年齢平均賃金を得られる蓋然性が認められるとして,基礎収入を賃金センサス男性学歴計全年齢平均,生活費控除率を50%として認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
特に死亡逸失利益は,賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で請求することが大切になります。
保険会社から提示される金額は上記算定方法の金額を大きく下回りますので,適正な死亡逸失利益での解決実績が豊富な,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。
【コラム】:消極損害その3 死亡逸失利益(2)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その3 死亡による逸失利益
2.基礎収入
(1)稼働収入
① 有職者
ア 給与所得者(1)
原則として事故前の収入を基礎として算出します。
現実の収入が賃金センサスの平均額以下の場合,平均賃金が得られる蓋然性があれば,賃金センサスの平均額が認められます。
若年労働者(概ね30歳未満)の場合には,学生との均衡の点もあり,全年齢の賃金センサスを用いるのが原則となっています。
<裁判例>
・ 中卒居酒屋勤務(15歳)につき,賃金センサス女性学歴計全年齢平均を基礎都市,18歳から67歳までの49年間認めた。
・ 高校中退アルバイト(16歳)につき,解体業の会社に就職を希望して面接に出かけたものの18歳になったら雇うと言われており,将来は働いて母親の面倒を見たいと話していたこと等から,賃金センサス男性学歴計全年齢平均を基礎とし,18歳から67歳までの49年間認めた。
・ 高校を中退した大工見習い(16歳)につき,事故の4ヶ月前に高校に転学するための書類を取り付け,転学又は高卒後専門学校に通うために稼働を開始したとみられることから,就学及び就労の意欲があったとして,賃金センサス男性学歴計全年齢平均を基礎に,18歳から67歳までの49年間認めた。
・ アルバイト(17歳)につき,ホームセンターとコンビニエンスストアでアルバイトをしており,就労意欲があることが認められ,その就労能力の向上も充分に見込まれる年齢であったとして,賃金センサス男性学歴計全年齢平均を基礎とした。
・ 高卒アルバイト(19歳)につき,事故がなければ高校卒業後の1年後に被害者の父が経営する会社に就職することを具体的に考えており,会社の経営は安定していて,同会社に勤務する親族の報酬又は賃金を考慮すると,男性大卒全年齢平均賃金程度の収入を得る蓋然性が高いとして,賃金センサス男性大卒全年齢平均を基礎とし,事故発生日の約1年後である20歳から67歳までの47年間認めた。
・ 居酒屋アルバイト(19歳)につき,当時の現実収入が必ずしも多額でないのは,モデルを目指しつつ,居酒屋でのアルバイト勤務に従事していたことによるものであるとして,賃金センサス全労働者学歴計全年齢平均を基礎とし,48年間,生活費控除率45%で認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
特に死亡逸失利益は,賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で請求することが大切になります。
保険会社から提示される金額は上記算定方法の金額を大きく下回りますので,適正な死亡逸失利益での解決実績が豊富な,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。
【コラム】:消極損害その3 死亡逸失利益(1)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その3 死亡による逸失利益
(1)算定方法
死亡による逸失利益とは,生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のことで,以下の計算式で算定します。
<死亡逸失利益の計算式>
逸失利益=基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数によるライプニッツ係数
ア 基礎収入
逸失利益算定の基礎となる収入は,原則として事故前の現実収入ですが,将来,現実収入額以上の収入を得られる立証があれば,その金額を基礎収入とします。
なお,現実収入額が賃金センサスの平均賃金を下回っていても,将来,平均賃金程度の収入を得られる蓋然性があれば,賃金センサスの平均賃金を基礎収入とすることができます。
家事従事者の方は,死亡した年の賃金センサスの女子全年齢平均賃金(令和2年の統計で381万9200円)で算定します。
イ 生活費控除率
利益が失われると同時に,もし生きていれば支出するはずだった生活費も支払わなくてよくなっているため,死亡逸失利益を算定するには,将来支払うはずだった生活費を控除します。
被害者に被扶養者がいる場合は年収の35%,被扶養者がいない場合は年収の50%です。女性(主婦,独身,幼児等含む)は,30%です。
ウ 労働能力喪失期間
就労可能年数は,原則として67歳までの期間です。
ライプニッツ係数は,就労可能年数に応じて決まっています。
(2)計算例
※令和2年4月1日以降に発生した事故を想定し,利率は年3%とします。
① 有職者または就労可能者
年齢30歳の主婦の死亡逸失利益の例
381万9200円×(1-0.3)×22.1672=592万62679円
② 18歳未満の未就労者
3歳男子の死亡逸失利益の例
545万9500円×(1-0.5)×16.3686=4468万2185円
※ライプニッツ係数は,67年-3年=64年のライプニッツ係数28.4065から,18年-3年=15年のライプニッツ係数11.9379を控除したものです。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
特に死亡逸失利益は,賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で請求することが大切になります。
保険会社から提示される金額は上記算定方法の金額を大きく下回りますので,適正な死亡逸失利益での解決実績が豊富な,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。
【コラム】:愛知県内令和4年交通事故の特徴
警察庁によると,令和4年中の全国の交通事故死者数は2610人となり,前年より26人減少しています。
https://www.npa.go.jp/news/release/2023/20230104001jiko.html
愛知県内の死者数は137人で,昨年より20人増加しています。全国ワーストを4年連続回避していますが,今なお多くの尊い命が交通事故で失われ,多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいらっしゃいます。
https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/kakuteisuu202212.pdf
死者数を当事者別でみると,歩行者が大幅に増えています。
また,自転車の死者20人全員がヘルメット非着用となっており,ヘルメットを着用しないと死亡につながりやすいことが分かります。道路交通法の一部改正により,令和5年4月1日から全ての自転車利用者に乗車用ヘルメットの着用が努力義務化されます。愛知県では既に2021年10月1日から自転車乗車用ヘルメットの着用が努力義務となっていますので,ご自身や大切な人の命を守るため,自転車乗車時のヘルメット着用を忘れないようにしましょう。
死者数を年齢層別にみると,65歳以上の高齢者は64人となり,死者数全体の半数を占めています。令和4年は,若者(16歳~24歳),一般(25歳~64歳)の死者数が増加しています。
歩行者が被害に遭う交通事故は,衝撃が生身に伝わるということもあり,死亡事故や重篤な障害が残る事故につながりやすくなります。
死亡事故や後遺障害が残存した場合,逸失利益(生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のこと)が支払われますが,逸失利益は賠償項目でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で算定することが非常に重要となります。
高齢者の場合は,仕事をされている方,家事従事者の方,年金を受給して生活されている方など様々な方がいますので,何を基準に逸失利益を算定するかが争点になることが多くあります。
未就労者(学生,生徒,幼児)の場合は,労働能力喪失期間は原則18歳からとなりますが,大学卒業を前提とする場合は,大学卒業時となります。基礎収入は,若年労働者(事故時概ね30歳未満)として,全年齢平均の賃金センサスを用いるのが原則となっています。
それ以外の方についても,給与所得者なのか,事業所得者なのか,会社役員なのか,家事従事者なのか,失業者なのか,その方によって算定方法が異なりますので,適正な逸失利益を受け取るためには,実績のある交通事故専門の弁護士が交渉することが不可欠です。
弁護士法人しまかぜ法律事務所は,全年齢の交通死亡事故の解決実績が豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。
【コラム】:消極損害その2 後遺障害逸失利益(49)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その2 後遺症による逸失利益(49)
15.定期金賠償が問題となった事例
(肯定例)
・ 脳挫傷,びまん性軸索損傷等で高次脳機能障害3級の幼児(固定時12歳)につき,不法行為に基づく損害賠償制度の,被害者に生じた現実の損害を金銭的に評価し,加害者にこれを賠償させることにより,被害者が被った不利益を補填して,不法行為がなかったときの状態に回復させるとの目的と損害の公平な分担という理念に照らし,将来において取得すべき利益の損失が現実化する都度これに対応する期間にその利益に対応する定期金の支払いをさせるとともに,将来,算定の基礎となった後遺障害の程度,賃金水準その他の事情に著しい変更が生じ,算定した損害の額と現実化した損害の額との間に大きなかい離が生ずる場合には,民訴法117条によりその是正を図ることができるようにすることが相当とし,逸失利益につき定期金賠償を命ずるに当たっては,交通事故の時点で,被害者が死亡する原因となる具体的事由が存在し,近い将来における死亡が客観的に予測されていたなどの特段の事情がない限り,就労可能期間の終期より前に被害者の死亡時を定期金による賠償の終期とすることを要しないとして,定期金賠償方式を採用し,固定年の賃金センサス男性学歴計全年齢平均を基礎に,就労可能年に達する日から67歳に達する日まで,月額44万円余を認めた。
(否定例)
・ 高次脳機能障害(5級),嗅覚障害(12級),醜状障害(7級)の併合3級の会社員(固定時28歳)の逸失利益につき,いわゆる「継続説」や,後遺障害の内容・程度が将来の介護費用と一体のものとして定期金賠償を認め得る場合ではないこと,被害者が定期金による支払を求めているのが症状固定後15年間のみでその合理的理由が不明なこと等から,定期金賠償方式によるべき合理性及び必要性があるものとは認められない。
・ 父経営の会社に後継者として勤務する男(固定時31歳)の遷延性意識障害等(1級)につき,後遺障害及び労働能力喪失の程度が将来重篤化することは考え難いこと,他方,労働能力喪失の程度が将来的に逓減されることも想定されておらず,将来の現実収入が現時点で算定する収入を上回る事態を想定し得ないこと等から,定期金賠償が相当と認められる場合には当たらない。
・ 大学院生(固定時24歳)の高次脳機能障害等(9級)につき,後遺障害の程度が今後大きく変化するのは考え難いこと,賃金水準等の変化が逸失利益に与える影響は限定的であること,自らの労働で相当程度の収入を得ることが可能であって定期金の必要性も高いとはいえないこと等から,定期金賠償が相当とまでは認められない。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。
逸失利益は賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な逸失利益を算定するためにも,ぜひ,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ご相談ください。
【コラム】:消極損害その2 後遺障害逸失利益(48)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その2 後遺症による逸失利益(48)
13.その他の障害
(2)自賠責保険より高い等級や喪失率が認定された事例
・ 会社員(固定時57歳,右下肢短縮13級)につき,事故による輸血で発症したC型肝炎(自賠責非該当)を12級に該当するとして,併合11級とし,10年間15%の労働能力喪失を認めた。
14.後遺障害を負った被害者が死亡した事例
・ 6級相当の後遺障害を残した被害者(44歳)が,症状固定後,当該事故と相当因果関係のない水難事故により死亡した場合につき,死亡の事実は就労可能期間の算定上考慮すべきではないとし,逸失利益は死亡時までに限るとした原審判決を破棄した。
・ 12級の後遺障害を残した被害者(高校生)が,症状固定後,当該事故と因果関係のない別件交通事故で死亡した場合につき,死亡の事実は就労可能期間の算定上考慮すべきではないとして,死亡後の逸失利益を認め,かつ,死亡後の生活費控除を否定した。
・ 第5胸髄以下完全麻痺の被害者(固定時21歳)が,交通事故と因果関係の認められる自殺をした場合に,死亡逸失利益算定において,被害者が独身であることから生活費控除率を50%とした。
・ 兼業主婦(死亡時55歳)が,事故により頭部外傷,脳挫傷等の傷害を負い,症状固定前に自殺した事案で,主位的に死亡による損害賠償,予備的に後遺障害による損害賠償を主張して算出された損害額のうち多い方を請求した場合に,事故と自殺との間に相当因果関係があるから,死亡による損害賠償と併せて後遺障害による損害賠償請求をすることは許されないとして,死亡による逸失利益を認めた。
・ 会社員(固定時22歳)が遷延性意識障害等により1級3号の後遺障害を残し,症状固定後約2年で死亡し,事故と死亡との間に相当因果関係が認められない場合につき,生活費控除を行うべきとの被告主張を斥けて,45年間100%の労働能力喪失を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。
逸失利益は賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な逸失利益を算定するためにも,ぜひ,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ご相談ください。
【コラム】:年末年始の交通事故にお気を付け下さい
愛知県警察によると,令和3年12月22日現在,交通事故による死者数は134人となっており,昨年より20人多くなっています。
https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/jikonippou/documents/koutsuushibouzikonippou221222.pdf
愛知県内では,例年,12月が交通死亡事故が最も多くなっていますので,年末に向けて,更なる安全運転が求められます。
また,強烈な寒波により日本海側では大雪となっている地域があります。年末年始にかけても引き続き大雪の予報が出ていますので,帰省やレジャーなどで車を運転される方は,最新の情報を確認した上で,より安全を心がけて運転してください。
普段あまり雪が降らない地域に住んでいる場合,冬用のタイヤを用意していないことも多いですが,ノーマルタイヤで雪道を走行する行為自体が交通違反となります。
また,大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪があるときには「チェーン規制」が発令されますが,「チェーン規制」が発令された場合は,スタッドレスタイヤをつけていたとしても、その上からチェーンを装着しないと走行できません。
雪道であるにもかかわらず冬用のタイヤやチェーンを装着していない場合は,事故発生時,過失割合が加算される場合がありますので,注意が必要です。
では,もし年末年始に交通事故の被害に遭ったら,どうすれば良いでしょうか。
交通死亡事故の場合,お亡くなりになられた方が一家の大黒柱ですと,早急な金銭的サポートが必要になることもあります。
弁護士法人しまかぜ法律事務所では,直接,自賠責に保険金を請求し,まず自賠責の範囲内で保険金を獲得し,最終的に弁護士基準との差額を請求しています。2段階の手続きを行うことで早急な金銭回収が可能となり,ご遺族が生活費等でお困りになる危険を回避します。
ご家族が死亡事故に遭われお困りの方は,ぜひ,早期にご相談ください。
お怪我をされた場合,年末年始は医療機関が休診していたり,忙しくて医療機関に受診ができない,交通事故から数日後に痛みが生じたなど,気づいたときには事故から2週間以上経過していることもあります。
この場合,相手方の保険会社やご自身が加入している人身傷害保険に対して,医療機関への受診を希望しても,事故から2週間以上経過している場合は,初診遅れによる因果関係なしと治療費の対応を拒絶されることがほとんどです。
弁護士法人しまかぜ法律事務所では,初診遅れで治療費の対応を拒絶された場合,初診遅れの意見書を添付の上で,直接,自賠責に治療費や慰謝料などを請求し,保険金を回収しています。
また,後遺症が残る事案では,保険会社からの賠償額の提示を待ってから弁護士に相談していては遅い場合があります。
いつ依頼されても弁護士の費用に変わりはありませんので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,早期にご相談ください。
その他,交通量が増えることで,「あおり運転」の被害に遭う可能性もあります。
もし,「あおり運転」の被害に遭ったら,まずは,サービスエリアやパーキングエリア等,交通事故に遭わない場所に避難して,警察に110番通報をしてください。また,「あおり運転」の加害者から暴行を受けないように,車のドアや窓をロックし,車外に出ないようにしましょう。
車が損傷したり,事故によってケガをした場合は,損害賠償を請求することができます。
「あおり運転」の立証には,ドライブレコーダーが有効になりますので,ドライブレコーダーの取付をお勧めします。
弁護士法人しまかぜ法律事務所では,ドライブレコーダーや事故の現場図を分析して,「あおり運転」に伴う正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしていますので,お困りの方は,ぜひ,ご相談ください。
【コラム】:消極損害その2 後遺障害逸失利益(47)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その2 後遺症による逸失利益(47)
12.上肢・下肢・及び手指・足指の障害
(2)自賠責保険より高い等級や喪失率が認定された事例(3)
・ 運送会社代表(固定時47歳)の右上肢の色素沈着(14級),右肩腱板断裂後の右肩関節機能障害(非該当)につき,自賠責認定基準には至らないが,軽度の可動域制限が残存していること,事故前に比べ,重い物が持てなくなり,パソコン操作や運転操作をするに当たって右肩が異常に凝るなどして,仕事に支障が出ていること等から,67歳まで5%の労働能力喪失を認めた。
・ 有職主婦(固定時54歳)の右膝関節機能障害(12級)につき,右膝について,脛骨高原骨折だけではなく,前十字靱帯,後十字靱帯,外側支持機構の複合靱帯損傷を合併した重篤な骨折脱臼を生じており,客観的には,動揺性があり,常時硬性補装具を必要とする状態であったことから,右膝関節の用廃(8級)に該当するとして,14年間45%の労働能力喪失を認めた。
・ 工場勤務(固定時22歳)の生殖器障害・骨盤骨変形(疼痛含む,11級相当),左股関節機能障害(12級)の併合10級につき,5つの機能障害が併存し,立位や座位を数時間に渡って保持する必要のある職種への就業は容易でない等から,67歳まで30%の労働能力喪失を認めた。
・ 潜水艦タンク内装塗装業務従事者(固定時28歳)の右腰部臀部痛(14級)につき,右下肢の後遺障害について他覚的所見を認めることはできないが,事故により右足による自立が困難なため,常に長下肢装具を装着し,松葉杖を使用せざるを得ず,事故当時の勤務先を退職後,就労できず職業訓練学校に通っているといった生活状況に加え,症状経過から画像に現れていないが腰部神経根の損傷があったと推測される等の診断内容をも総合考慮すると,右下肢の麻痺による機能障害が残存したとし,その程度は1下肢の3大関節中の1関節の用廃(8級)と同程度として,67歳まで45%の労働能力喪失を認めた。
・ リフォーム業(固定時74歳,併合14級)につき,事故前から無症状の腱板断裂を発症していた,関節可動域角度の悪化は不自然との加害者側の主張を敗訴し,右肩腱板損傷後の右肩関節機能障害は10級にがいとうするとし(併合10級),平均余命の半分(6年間,27%の労働能力同率を認めた。)
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。
逸失利益は賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な逸失利益を算定するためにも,ぜひ,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ご相談ください。
【コラム】:消極損害その2 後遺障害逸失利益(46)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その2 後遺症による逸失利益(46)
12.上肢・下肢・及び手指・足指の障害
(2)自賠責保険より高い等級や喪失率が認定された事例(2)
・ 配管設備業(固定時62歳)の左膝関節機能障害,左下肢の神経症状等(10級)につき,左膝の障害が著しいため歩行能力が著しく制限され,階段の昇降はもちろんのこと,杖を使用しても短距離かつ短時間の歩行しか行えないことを考慮し,10年間40%の労働能力喪失を認めた。
・ 派遣ミキサー車運転手兼鉄道保全軌道工(固定時37歳)の右手月状骨骨折等による右手関節痛を含む右手関節の可動域制限(12級6号)につき,症状固定時点で健側の52%とほぼ2分の1に制限されていること,当初から障害の憎悪が見込まれており実際に1年後には健側の32%に憎悪していることからすると10級10号に相当するとして,67歳まで27%の労働能力喪失を認めた。
・ 高等学校事務職員(固定時29歳,右鎖骨変形障害12級,右肩関節可動域制限10級,右頸部外貌醜状12級,併合9級)につき,右上肢の障害による労働能力喪失の程度は8級相当に至らないとしても,それに相当近いものがあるとし,右鎖骨変形障害は12級5号に該当することも併せ,67歳まで45%の労働能力喪失を認めた。
・ バス運転手(固定時48歳)の右母趾基部底側の痛み(14級)につき,同部の痛み,右膝関節外側の痛みのほか,右母趾の屈腱筋損傷等によるMP関節及びIP関節の屈曲が困難であるなどの関節可動域制限が残存したとし,67歳まで14%の労働能力喪失を認めた。
・ 歯科勤務医(固定時40歳)の左肩関節機能障害(10級),脊柱変形(11級)の併合9級につき,左肩の可動域制限及び左肩痛が原因となって,左手指による患歯の固定が行えず,今後歯科医として稼働する可能性を閉ざされたというべきであるとして,67歳まで70%の労働能力喪失を認めた。
・ 会社員(固定時27歳)につき,左肘関節機能障害(12級),右手指関節機能障害(11級),左足関節機能障害(12級),右足指関節機能障害(11級)等に加え,事故後8年後に発症したPTSD(14級)を考慮し,併合9級としつつ,右下肢のみでも9級相当と評価されるのに四肢に後遺障害がある本件を同列に扱うことはできないとして,67歳まで45%の労働能力喪失を認めた。
・ 歯科開業医(固定時56歳)の右肩打撲後の疼痛(14級)につき,外形的に明らかな器質的損傷は認められない場合であっても関節包が侵襲を受け痛み等の理由で関節を動かせないでいると組織侵襲部位に癒着形成を招き関節包の繊維化が生じることで関節拘縮が生じ得るとしたうえ,10級10号に該当する可動域制限が残存したと認定し,13年間27%の労働能力喪失を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。
逸失利益は賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な逸失利益を算定するためにも,ぜひ,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ご相談ください。
【コラム】:消極損害その2 後遺障害逸失利益(45)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その2 後遺症による逸失利益(45)
12.上肢・下肢・及び手指・足指の障害
(2)自賠責保険より高い等級や喪失率が認定された事例(1)
・ 中学1年生男子の左環指開放骨折による爪の変形,循環障害(非該当)につき,OA機器を効率的に利用するには手の10指が十分に機能することが望ましいとして,18歳から67歳まで,2%の労働能力喪失を認めた。
・ 自動車車体改造業者(固定時31歳,右下肢短縮等13級)につき,右膝関節機能障害につき自賠責認定基準の運動可能領域よりわずか2.5度広く可動するものの右脛腓骨変形癒合等が認められることから12級7号に相当し,併合11級相当として,67歳まで20%の労働能力喪失を認めた。
・ 鍼灸マッサージ業者(49歳)の左上肢,左膝の障害(併合14級)及び多少あった視力の完全喪失(非該当)につき,17年間20%の労働能力喪失を認めた。
・ 被害者(固定時67歳,骨盤骨変形12級)の左膝関節機能障害(非該当)につき,可動域は基準に達していないが,日常生活において極めて困難を来している面があるとして12級7号を認め,併合11級とし,9年間20%の労働能力喪失を認めた。
・ 被害者(固定時45歳)の右下肢1センチ短縮,約30度の外旋変形(12級)につき,立位での荷重バランスが悪く1時間以上起立不能で,時間給のアルバイトの職にしかつくことができず事故前より収入が大幅に減収したとして,67歳まで20%の労働能力喪失を認めた。
・ 造園業手伝い(固定時52歳)の右膝半月板損傷による運動・労作後の関節水症,四頭筋萎縮,右膝外側関節裂隙の圧痛(12級)につき,これまで肉体的作業に従事してきたことや収入減少の見込み等を考慮し,10年間25%の労働能力喪失を認めた。
・ ホテル勤務の和食調理師(固定時51歳)の右足関節障害等(12級)につき,しゃがめない,自由に足底をついて歩けない,3時間以上の立位で足の痛みとしびれが生じる等,立位で行う板前の職業に相当の影響があり,転職も年齢から制限されるなどとして,67歳まで20%の労働能力喪失を認めた。
・ 鍼灸指圧師(固定時70歳)の右肩関節可動域制限,右上肢のしびれ等(12級)につき,治療業務においては指先を使うばかりでなく手指を患者の体に当てた上で手指に対する体重のかけ方を微妙に調整するなど,施術を行う上で肩関節障害の影響は大きいとし,5年間20%の労働能力喪失を認めた。
・ 農学部造園科を卒業し造園設計の仕事に携わってきたアルバイト(固定時27歳)の前腕部の知覚鈍麻,しびれ等(12級)につき,腕関節の可動域制限は参考運動が制限されているにすぎないとしながら,造園設計の業務に相当の影響があるとして,67歳まで20%の労働能力喪失を認めた。
・ タクシー運転手(固定時65歳)の右肩,左膝,左足の各関節機能障害,下肢の疼痛等(併合8級)につき,長時間一定の姿勢を取ることを強いられる職業運転手としての業務はほぼ不可能となったとして労働能力喪失率を60%とし,狭心症の既往症がある被害者が肉体的に過酷な勤務を余命期間の半分継続できるか疑問として7年間を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。
逸失利益は賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な逸失利益を算定するためにも,ぜひ,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ご相談ください。