Archive for the ‘コラム’ Category

【コラム】:逸失利益の基礎収入について(個人事業主で事故前年の事業所得が思わしくない場合)

2016-09-05

個人事業主における逸失利益基礎収入で問題になることの多い,②事故前年の事業所得思わしくない場合について,説明させていただきます。

個人事業主における逸失利益基礎収入は,原則,事故前年の確定申告における事業所得額事業専従者控除額or青色申告特別控除額で算定します。
しかし,事業開始後間もなく所得が不安定な場合や,事故前年に理由があって所得が思わしくない場合でも,事故前年を基準に算定する必要があるのでしょうか。
逸失利益は,将来における長期間の収入減である以上,所得が思わしくない単年を基準に算定することは適正ではありません。

この場合は,事故前年の単年の所得で算定するのではなく,事故前数年の所得平均で算定する方法が適正です。また,平均賃金である賃金センサスを参考に算定することもあります。

しまかぜ法律事務所では,被害者の事情に応じて,もっとも適正な基礎収入の算定方法を考え,それに基づく逸失利益を請求しています。
逸失利益は,一般的に,もっとも高額な賠償項目となります。
適正な賠償額を獲得するためにも,豊富な知識と実績を備えたしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:逸失利益の基礎収入について(個人事業主の算定方法)

2016-08-28

後遺症が認定された場合,将来にわたって労働能力が低下して収入が減少するであろう損害(逸失利益)を請求できます。
逸失利益は,①基礎収入×②労働能力喪失率×③労働能力喪失期間によるライプニッツ係数で算定しますが,①基礎収入は,被害者の属性に応じて算定方法が様々ですので,属性に応じて説明を連載しています。

第2回は,法人成りしていない経営者や,開業医弁護士保険外交員一人親方ホステスなど個人事業主です。

個人事業主基礎収入で問題となることが多いのは, 算定方法,②事故前年の事業所得思わしくない場合,③確定申告していない場合の算定方法です。

まずは, 算定方法について説明させていただきます。

個人事業主基礎収入は,事故前年の事業所得金額事業専従者控除額or青色申告特別控除額で算定します。
 
逸失利益は,一般的に,もっとも高額な賠償項目となります。
適正な賠償額を獲得するためにも,豊富な知識と実績を備えたしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:逸失利益の基礎収入について(給与所得者が退職金を減額された場合)

2016-08-19

給与所得者における逸失利益基礎収入で問題になることの多い,退職金減額分を請求できるかを,説明させていただきます。

後遺症のために,会社を早期退職せざるを得なかった場合,早期退職による退職金と,定年時に支給予定の退職金との差額を請求することができます。
ただし,単に差額を出すのではなく,退職金を早期受給できた利益を考慮する必要があります。
この利益は,ライプニッツ係数(現価表)において算定します。

例えば,被害者に重篤な後遺症が残って50歳で早期退職を余儀なくされたとして,早期退職金として1200万円受給,定年時(60歳)に支給予定の退職金が2000万円であった場合について,具体的に説明させていただきます。
退職金差額は,2000万円-1200万円=800万円ではありません。
10年早期受給できた利益を考慮する必要があり,10年のライプニッツ係数(現価表)は,0.6139です。
そのため,退職金差額は,2000万円×0.6139-1200万円=27万8000円となります。

 
逸失利益は,一般的に,もっとも高額な賠償項目となります。
適正な賠償額を獲得するためにも,豊富な知識と実績を備えたしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:逸失利益の基礎収入について(給与所得者の定年以降について)

2016-08-07

給与所得者における逸失利益基礎収入で問題になることの多い,定年以降も請求できるかを,説明させていただきます。
   
逸失利益は,ⅰ基礎収入×ⅱ労働能力喪失率×ⅲ労働能力喪失期間によるライプニッツ係数で算定しますが,ⅲ労働能力喪失期間は、原則として症状固定時点から67歳までの期間です。 勤務先における定年が60歳である場合,60歳までの期間におけるⅰ基礎収入は事故前年の収入額で算定します。
では,定年後61歳から67歳までの期間については,そもそも逸失利益を請求できるでしょうか。また請求できるとして基礎収入をどのように算定すべきでしょうか。

 

高齢者雇用に対する取り組みが促進されていることや,関連企業へ再就職(天下り)の可能性もあることからすれば,定年以降逸失利益を請求できます。

次に基礎収入について,⑴事故前年の収入額が,就労年数を通じて相当大きな金額である場合は,高額な収入額を67歳まで維持できるとは想定できませんので,定年以降は,他の社員を参考としながら事故前年の収入額を何割減にしたり,定年以降の年齢における平均賃金額(賃金センサス)を基準とします。
一方で,⑵事故前年の収入額よりも昇給が見込める場合や,関連企業への再就職(天下り)が大いに期待できる場合は,定年以降においても減額することなく基礎収入を算定するのが相当です。

 

逸失利益は,一般的に,もっとも高額な賠償項目となります。
適正な賠償額獲得するためにも,豊富な知識と実績を備えたしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:逸失利益の基礎収入について(給与所得者が昇給予定の場合)

2016-07-31

給与所得者における逸失利益基礎収入で問題になることの多い,③将来昇給が見込まれる場合の算定方法を,説明させていただきます。

基礎収入は原則として事故前年の収入額です。
しかし,逸失利益は,将来にわたって労働能力が低下して収入が減少するであろう損害です。将来の昇給が確実である場合,事故前年の収入額を基準にすることは将来の逸失利益の算定方法として適正ではありません。

裁判例では,将来の昇給を考慮して逸失利益を算定することも少なくありません。裁判例で認定されているのは,昇給基準が明確化されている場合です。例えば,公務員や,昇給規定が明確化している企業に勤務していた場合などです。

逸失利益は,一般的に,もっとも高額な賠償項目となります。
適正な賠償額を獲得するためにも,豊富な知識と実績を備えたしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:逸失利益の基礎収入について(給与所得者が若年の場合)

2016-07-23

給与所得者における逸失利益基礎収入で問題になることの多い,若年労働者算定方法を,説明させていただきます。

逸失利益は,将来にわたって労働能力が低下して収入が減少するであろう損害です。一般的に若年労働者の給与は低額であるため,事故前年の低額な給与を基準に将来の逸失利益を算定するのは適正ではありません。

そこで,多くの裁判例では,30歳未満の若年労働者基礎収入について,事故前年の給与を基準とするのではなく,全年齢の平均給与を基準に算定しています。
『平成11年11月22日付け交通事故による逸失利益の算定方法に付いての共同提言』(判時1692号162頁以下)において,東京地裁・大阪地裁・名古屋地裁の三庁が同様の提言を行っています。

例えば,男性・大卒・25歳に後遺症が残存し,実際の事故前年の年収が400万円だとしても,400万円を基準とするのではなく,男性・大卒・全年齢の賃金センサスである648万7100円(平成26年賃金センサス)を基礎収入とします。

逸失利益は,一般的に,もっとも高額な賠償項目となります。
適正な賠償額を獲得するためにも,豊富な知識と実績を備えたしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:逸失利益の基礎収入について(給与所得者の算定方法)

2016-07-16

後遺症が認定された場合,将来にわたって労働能力が低下して収入が減少するであろう損害(逸失利益)を請求できます。
逸失利益は,①基礎収入×②労働能力喪失率×③労働能力喪失期間によるライプニッツ係数で算定しますが,①基礎収入は,被害者の属性に応じて算定方法が様々ですので,属性に応じて説明を連載しています。

第1回は,給与所得者基礎収入です。

給与所得者基礎収入で問題になることが多いのは, 算定方法,②若年労働者の算定方法,③将来昇給が見込まれる場合の算定方法,④定年以降も請求できるか,⑤退職金減額分を請求できるかです。

まずは, 算定方法について説明させていただきます。

給与所得者基礎収入は,原則として事故前年の収入額とします。源泉徴収票の税金等を控除される前の金額です。

逸失利益は,一般的に,もっとも高額な賠償項目となります。
適正な賠償額獲得するためにも,豊富な知識と実績を備えたしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:休業損害について(無職者で請求可能な場合)

2016-07-10

被害者の属性に応じた休業損害を連載させていただいています。

第6回は,無職失業者)の休業損害です。

無職者の休業損害で問題になることが多いのは, 請求可能はどのような場合かです。

請求可能はどのような場合かについて説明させていただきます。

休業損害は,原則として,現実に収入減があったことに対する損害です。そのため,事故当時に収入がない無職者の場合,事故を原因とする現実の収入減がないため休業損害を請求できません。
その意味では,将来における収入減をみなしで請求する逸失利益と異なります。逸失利益は現在収入がなくても,みなし算定するため請求可能です。

したがって,無職者であっても逸失利益は請求できますが,休業損害を請求可能な場合は,現実に収入減があると同視できるときに限られます。
例えば,ⅰ就職が内定していた場合や,ⅱ長期治療が必要であっていかに失業中といえどもその期間中には再就職できていたはずの場合です。
内定が決まっていた場合は,内定先の給与額を基準に休業損害を請求できまます。
ⅱ長期治療が必要であって再就職ができていたはずの場合は,損害額は失業前の給与額や,失業の経緯,年齢,資格を考慮して算定します。請求の始期については,失業の経緯,年齢,資格などを考慮して算定します。

保険会社は,無職者(失業者)の休業損害を簡単には認めません。無職者(失業中)の休業損害でお困りの方は,実績豊富なしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:休業損害について(学生で請求可能な場合)

2016-07-01

被害者の属性に応じた休業損害を連載させていただいています。

第5回は,学生休業損害です。

学生休業損害で問題になることが多いのは, 請求可能はどのような場合かです。

請求可能はどのような場合かについて説明させていただきます。

休業損害は,原則として,現実に収入減があったことに対する損害です。そのため,現実に収入減がない場合は休業損害を請求できません。
その意味では,将来における収入減をみなしで請求する逸失利益と異なります。逸失利益は現在収入がなくても,みなし算定するため請求可能です。

したがって,学生であっても逸失利益は請求できますが,休業損害を請求可能な場合は,現実に収入減があるときに限られます。
例えば,アルバイトを休業して減給された場合です。大きな事故で就職遅れが発生した場合は,就職による給与推定額を基準に休業損害を請求できます。

 

学生休業損害でお困りの方は,実績豊富なしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:休業損害について(家事従事者が主夫や世帯の妻以外の場合)

2016-06-27

家事従事者休業損害について問題になることの多い,主夫世帯の妻以外が請求できるかを,説明させていただきます。

妻が仕事をしていたり,病気だったりと,夫や子が家事をすることも少なくありません。この場合,主夫は,家事従事者として休業損害を請求できるでしょうか。

主夫が,世帯の家事労働に従事していることを証明できれば,家事従事者として休業損害を請求できます。
妻が仕事をしていること(給与明細,タイムカードなど),妻が病気であること(診断書など),夫や子が仕事をしていない又は就労時間が短いこと(課税証明書,給与明細,タイムカードなど)を証明する必要があります。

主夫家事従事者である場合も,家事従事者の算定方法でも説明したとおり,女性労働者の学歴計・年齢計の平均賃金を基準に算定します。平成26年賃金センサスでは,364万1200円です。

主夫や世帯の妻以外家事従事者である場合,保険会社が請求を拒絶することも少なくありません。
しまかぜ法律事務所では,適正な証明方法を依頼者ごとにアドバイスし,家事従事者としての休業損害を交渉します。
家事従事者としての休業損害でお困りの方は,実績豊富なしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

« Older Entries Newer Entries »
〒460-0002 名古屋市中区丸の内1丁目4番12号 アレックスビル3階
Copyright(c) 2021 弁護士法人しまかぜ法律事務所 All Rights Reserved.