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【コラム】:消極損害その2 後遺障害逸失利益(46)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その2 後遺症による逸失利益(46)
12.上肢・下肢・及び手指・足指の障害
(2)自賠責保険より高い等級や喪失率が認定された事例(2)
・ 配管設備業(固定時62歳)の左膝関節機能障害,左下肢の神経症状等(10級)につき,左膝の障害が著しいため歩行能力が著しく制限され,階段の昇降はもちろんのこと,杖を使用しても短距離かつ短時間の歩行しか行えないことを考慮し,10年間40%の労働能力喪失を認めた。
・ 派遣ミキサー車運転手兼鉄道保全軌道工(固定時37歳)の右手月状骨骨折等による右手関節痛を含む右手関節の可動域制限(12級6号)につき,症状固定時点で健側の52%とほぼ2分の1に制限されていること,当初から障害の憎悪が見込まれており実際に1年後には健側の32%に憎悪していることからすると10級10号に相当するとして,67歳まで27%の労働能力喪失を認めた。
・ 高等学校事務職員(固定時29歳,右鎖骨変形障害12級,右肩関節可動域制限10級,右頸部外貌醜状12級,併合9級)につき,右上肢の障害による労働能力喪失の程度は8級相当に至らないとしても,それに相当近いものがあるとし,右鎖骨変形障害は12級5号に該当することも併せ,67歳まで45%の労働能力喪失を認めた。
・ バス運転手(固定時48歳)の右母趾基部底側の痛み(14級)につき,同部の痛み,右膝関節外側の痛みのほか,右母趾の屈腱筋損傷等によるMP関節及びIP関節の屈曲が困難であるなどの関節可動域制限が残存したとし,67歳まで14%の労働能力喪失を認めた。
・ 歯科勤務医(固定時40歳)の左肩関節機能障害(10級),脊柱変形(11級)の併合9級につき,左肩の可動域制限及び左肩痛が原因となって,左手指による患歯の固定が行えず,今後歯科医として稼働する可能性を閉ざされたというべきであるとして,67歳まで70%の労働能力喪失を認めた。
・ 会社員(固定時27歳)につき,左肘関節機能障害(12級),右手指関節機能障害(11級),左足関節機能障害(12級),右足指関節機能障害(11級)等に加え,事故後8年後に発症したPTSD(14級)を考慮し,併合9級としつつ,右下肢のみでも9級相当と評価されるのに四肢に後遺障害がある本件を同列に扱うことはできないとして,67歳まで45%の労働能力喪失を認めた。
・ 歯科開業医(固定時56歳)の右肩打撲後の疼痛(14級)につき,外形的に明らかな器質的損傷は認められない場合であっても関節包が侵襲を受け痛み等の理由で関節を動かせないでいると組織侵襲部位に癒着形成を招き関節包の繊維化が生じることで関節拘縮が生じ得るとしたうえ,10級10号に該当する可動域制限が残存したと認定し,13年間27%の労働能力喪失を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。
逸失利益は賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な逸失利益を算定するためにも,ぜひ,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ご相談ください。

名古屋の交通事故に寄り添う「しまかぜ法律事務所」
名古屋は交通事故が多く、被害に遭われた方々が不安を抱えています。しまかぜ法律事務所は、そんな方々の力になりたいという思いから、交通事故に特化したサポートを行っています。
賠償額が適正か分からない、示談交渉が不安…そんなお悩みに寄り添い、解決へ導くことが私たちの役目です。相談料・着手金0円で、安心してご相談いただけます。名古屋・三重・岐阜で交通事故のことでお困りの方は、ぜひご相談ください。
【コラム】:消極損害その2 後遺障害逸失利益(45)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その2 後遺症による逸失利益(45)
12.上肢・下肢・及び手指・足指の障害
(2)自賠責保険より高い等級や喪失率が認定された事例(1)
・ 中学1年生男子の左環指開放骨折による爪の変形,循環障害(非該当)につき,OA機器を効率的に利用するには手の10指が十分に機能することが望ましいとして,18歳から67歳まで,2%の労働能力喪失を認めた。
・ 自動車車体改造業者(固定時31歳,右下肢短縮等13級)につき,右膝関節機能障害につき自賠責認定基準の運動可能領域よりわずか2.5度広く可動するものの右脛腓骨変形癒合等が認められることから12級7号に相当し,併合11級相当として,67歳まで20%の労働能力喪失を認めた。
・ 鍼灸マッサージ業者(49歳)の左上肢,左膝の障害(併合14級)及び多少あった視力の完全喪失(非該当)につき,17年間20%の労働能力喪失を認めた。
・ 被害者(固定時67歳,骨盤骨変形12級)の左膝関節機能障害(非該当)につき,可動域は基準に達していないが,日常生活において極めて困難を来している面があるとして12級7号を認め,併合11級とし,9年間20%の労働能力喪失を認めた。
・ 被害者(固定時45歳)の右下肢1センチ短縮,約30度の外旋変形(12級)につき,立位での荷重バランスが悪く1時間以上起立不能で,時間給のアルバイトの職にしかつくことができず事故前より収入が大幅に減収したとして,67歳まで20%の労働能力喪失を認めた。
・ 造園業手伝い(固定時52歳)の右膝半月板損傷による運動・労作後の関節水症,四頭筋萎縮,右膝外側関節裂隙の圧痛(12級)につき,これまで肉体的作業に従事してきたことや収入減少の見込み等を考慮し,10年間25%の労働能力喪失を認めた。
・ ホテル勤務の和食調理師(固定時51歳)の右足関節障害等(12級)につき,しゃがめない,自由に足底をついて歩けない,3時間以上の立位で足の痛みとしびれが生じる等,立位で行う板前の職業に相当の影響があり,転職も年齢から制限されるなどとして,67歳まで20%の労働能力喪失を認めた。
・ 鍼灸指圧師(固定時70歳)の右肩関節可動域制限,右上肢のしびれ等(12級)につき,治療業務においては指先を使うばかりでなく手指を患者の体に当てた上で手指に対する体重のかけ方を微妙に調整するなど,施術を行う上で肩関節障害の影響は大きいとし,5年間20%の労働能力喪失を認めた。
・ 農学部造園科を卒業し造園設計の仕事に携わってきたアルバイト(固定時27歳)の前腕部の知覚鈍麻,しびれ等(12級)につき,腕関節の可動域制限は参考運動が制限されているにすぎないとしながら,造園設計の業務に相当の影響があるとして,67歳まで20%の労働能力喪失を認めた。
・ タクシー運転手(固定時65歳)の右肩,左膝,左足の各関節機能障害,下肢の疼痛等(併合8級)につき,長時間一定の姿勢を取ることを強いられる職業運転手としての業務はほぼ不可能となったとして労働能力喪失率を60%とし,狭心症の既往症がある被害者が肉体的に過酷な勤務を余命期間の半分継続できるか疑問として7年間を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。
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名古屋の交通事故に寄り添う「しまかぜ法律事務所」
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【コラム】12月は業務中,通勤時の死亡重傷事故が年間最多
愛知県警察が作成している「交通事故防止のPOINT」によると,12月は交通死亡事故が多発しています。12月中の交通死亡事故の特徴としては,①歩行者事故として,【年齢】高齢者が6割以上,【時間帯】朝及び夕方から深夜にかけて多発です。②自転車事故として,【年齢】高齢者が約9割,【事故類型】出合い頭が約6割,【時間帯】9時台から13時台が約6割となっています。
また,業務中,通勤時の死亡重傷事故が年間最多となっています。年末は業務多忙となり心身の疲れなどが運転に影響を及ぼすことが予想されますので,体調管理に努めるとともに,時間にゆとりを持ち,速度を控え,安全行動を心掛けることが大切です。
(https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/20221019point.pdf)
業務中・通勤時に交通事故の被害に遭った場合,労災保険から保険給付を受けることができます。業務時間中の事故は業務災害,通勤退勤の途中の事故は通勤災害となります。 労災保険で受けることができる給付は,①療養(補償)給付,②休業(補償)給付,③障害(補償)給付,④傷病年金,⑤介護(補償)給付,⑥遺族(補償)給付,⑦葬祭料があります。
労災保険を使用するメリットとしては,治療費を全額支給してもらえることです。自賠責保険の場合は限度額が120万円となっており,加害者の任意保険会社が支払っている場合も治療期間が長くなると治療費の支払いを打ち切るケースが多くあります。労災保険には限度額や打ち切りがないため,安心して最後まで治療を受けることができます。
また,休業損害・補償を多く受けることもできます。労災保険を使用する被害者に休業損害が発生した場合,労災保険から給付基礎日額の60%が休業(補償)給付と支給され,残りの40%を保険会社に請求します。
それとは別に社会復帰促進等事業の一環として,給付基礎日額の20%にあたる休業特別支給金を受け取ることができます。休業(補償)給付や保険会社から支払われた休業損害を既に受け取っていた場合,保険会社に対する損害賠償額から控除されますが,休業特別支給金は控除されません。
同様に,後遺障害が残存したときに支給される障害特別支給金も,損害賠償額から控除されません。
さらに,費目間の流用を禁止するルールがあるため,積極損害,消極損害,慰謝料で各費目分類し,各費目の過失相殺後の残額は,いずれも当該費目間に関してのみ既払金及び損益相殺で補填されます。
(例)
過失割合が加害者:被害者=70:30,治療費100万円,休業損害100万円,慰謝料100万円,労災から療養給付100万円,休業給付60万円受給している場合
治療費は,過失相殺すると100万円×70%=70万円となり,損益相殺すると70万円-100万円=-30万円となり,保険会社に請求できる治療費は0円となります。
休業損害は,過失相殺すると100万円×70%=70万円となり,損益相殺すると70万円-60万円=10万円となり,保険会社に請求できる休業損害は10万円となります。
慰謝料は,労災保険の支給対象外なので差し引かれる給付はなく,保険会社に請求できる慰謝料は過失相殺した100万円×70%=70万円となります。
治療費が30万円過払いとなっていますが,費目間の流用が禁止されているため,他の費目から控除されることはなく,保険会社に請求できる賠償額は,0万円+10万円+70万円=80万円となります。
仮に労災保険を使用せず,保険会社の一括対応で自由診療による治療をしていた場合は,過払いとなった治療費が他の費目から控除されるため,-30万円+10万円+70万円=50万円となります。
以上のとおり,労災保険を使用するメリットは多くありますが,損害賠償額の計算方法など複雑な部分もあります。
弁護士法人しまかぜ法律事務所は,労災保険を使用した交通事故の解決実績が豊富にありますので,労災保険を使用する交通事故でお困りの方は,ぜひ,ご相談ください。

名古屋の交通事故に寄り添う「しまかぜ法律事務所」
名古屋は交通事故が多く、被害に遭われた方々が不安を抱えています。しまかぜ法律事務所は、そんな方々の力になりたいという思いから、交通事故に特化したサポートを行っています。
賠償額が適正か分からない、示談交渉が不安…そんなお悩みに寄り添い、解決へ導くことが私たちの役目です。相談料・着手金0円で、安心してご相談いただけます。名古屋・三重・岐阜で交通事故のことでお困りの方は、ぜひご相談ください。
【コラム】:消極損害その2 後遺障害逸失利益(44)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その2 後遺症による逸失利益(44)
12.上肢・下肢・及び手指・足指の障害
上肢の後遺障害は,①欠損障害として1~5級,②機能障害として1~12級,③変形障害として7~12級があります。
下肢の後遺障害には,①欠損障害として1~7級,②機能障害として1~12級,③変形障害として7~12級,④短縮障害として8~13級があります。一般的には,受傷した方の脚が他方の脚より短くなりますが,年少者などにおいては逆に健全な脚より長くなる過成長になることもあります。その場合も短縮障害に準じる障害として扱われます。
手指の後遺障害は,①欠損障害として3~14級,②機能障害として4~14級があります。
足指の後遺障害は,①欠損障害として5級~13級,②機能障害として7級~14級があります。
機能障害の原因は器質的損傷(骨折後の癒合,関節拘縮,神経の損傷)であることを証明する必要があり,疼痛による可動域制限(痛いから曲げられない)では,神経症状と認定され,低い等級(12,14級)に認定されやすいです。
(1)認定例
・ 被害者(事故時9歳,固定時18歳)の左大腿骨変形癒合12級,左下肢瘢痕14級の併合12級につき,足に負担が掛かると考えられる美容師として稼働をしていること等に照らし,67歳まで14%の労働能力喪失を認めた。
・ 会社員(固定時28歳)の左膝痛等の症状を伴う左腓骨変形障害12級につき,足に大きな負担がかかる仕事を担当しており,受傷後の足の痛みや足関節の可動域の定価等の症状は,その仕事内容に具体的な影響を及ぼすものとして,67歳まで14%の労働能力喪失を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。
逸失利益は賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な逸失利益を算定するためにも,ぜひ,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ご相談ください。

名古屋の交通事故に寄り添う「しまかぜ法律事務所」
名古屋は交通事故が多く、被害に遭われた方々が不安を抱えています。しまかぜ法律事務所は、そんな方々の力になりたいという思いから、交通事故に特化したサポートを行っています。
賠償額が適正か分からない、示談交渉が不安…そんなお悩みに寄り添い、解決へ導くことが私たちの役目です。相談料・着手金0円で、安心してご相談いただけます。名古屋・三重・岐阜で交通事故のことでお困りの方は、ぜひご相談ください。
【コラム】:消極損害その2 後遺障害逸失利益(43)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その2 後遺症による逸失利益(43)
11.脊柱及びその他の体幹骨の障害
脊柱及びその他の体幹骨の障害は,①脊柱の変形障害,②脊柱の運動障害,③その他の体幹骨(鎖骨,胸骨,ろく骨,肩こう骨,骨盤骨)の変形障害に分けられます。
①脊柱の変形障害は,その変形の程度により6級,8級,11級に認定されます。②脊柱の運動障害は,脊柱圧迫骨折等に基づく頚部および胸腰部の硬直や可動域制限,または荷重障害の程度により6級,8級に認定されます。③その他の体幹骨の変形障害は12級が認定されます。裸体になった時に変形や欠損が明らかにわかる程度のものを指すため,レントゲン撮影などによってはじめて確認できる程度のものは該当しません。
(1)認定例
・ 特殊運搬船の運航管理者(固定時56歳)の脊柱変形(11級),左脛骨近位端関節内骨折後の左膝痛(12級)の併合10級につき,船上等に出向く機会が多く,船長として乗船勤務の予定があるところ,症状により乗船勤務ができなくなる可能性や長時間の乗船勤務が必要な高い収入の得られる船の船長になれないおそれがある等から,事故前の年収を基礎に,13年間27%の労働能力喪失を認めた。
・ 特殊事務所職員(固定時48歳)の第一腰椎圧迫骨折後の脊柱変形(11級)につき,日常生活においては腰に過度の負担がかからないように注意する必要があり,腰に負担がかかるスポーツ等も控えなければならない等として,事故前年の年収を基礎に19年間20%の労働能力喪失を認めた。
・ トラック運転手(固定時37歳)の右鎖骨変形(12級)につき,同障害には重い物を持ち上げたり下ろしたりするときの痛み等の症状も含まれており,業務に影響が生じていること等から,67歳まで14%の労働能力喪失を認めた。
・ 会社員たる現場監督(固定時54歳)の左肩関節機能障害等(併合9級)につき,左鎖骨の変形障害が原因とみられる疼痛が続いていること,裸体になったときに変形が明らかにわかる程度のものであること等に照らすと変形障害についても実際に労働能力を喪失させていると評価できるとして,14年間35%の労働能力喪失を認めた。
・家事従事者(固定時52歳)の軸椎骨折後の脊柱変形(11級),左足部痛,歩行時痛(14級)の併合11級につき,左足部痛,歩行時痛等は12級13号に該当するとして,併合10級とし,67歳まで27%の労働能力喪失を認めた。
・ 清掃業従事者(固定時45歳)の第五腰椎変形骨折後の脊柱変形(11級)につき,変形の程度が大きいこと,従事する清掃業で腰部への負担が重いことから,22年間20%の労働能力喪失を認めた。
(2)自賠責保険より高い等級や喪失率が認定された事例
・ 運送会社会社員(固定時59歳)の咀嚼機能障害(非該当),脊柱の運動障害(11級),胸腰椎部の運動障害(非該当),口が開きにくい,物が咬みにくいとの症状(14級)の併合11級につき,咀嚼機能障害等は労働能力に影響しないが,脊柱の運動障害等は労働能力に影響すること,腰背部痛のために,重いものを持ったり長時間の座位,歩行等が困難等の支障を生じていること,後遺障害のため事故後は稼働していないことから,11年間45%の労働能力喪失を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。
変形障害のうち,特に鎖骨の変形障害は労働能力に影響しないと保険会社から主張され,逸失利益が否定されることもあります。弁護士法人しまかぜ法律事務所では,変形障害から派生する疼痛障害と併せて労働能力への影響を主張し,逸失利益が認定されるケースが多くあります。
逸失利益は賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な逸失利益を算定するためにも,ぜひ,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ご相談ください。

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名古屋は交通事故が多く、被害に遭われた方々が不安を抱えています。しまかぜ法律事務所は、そんな方々の力になりたいという思いから、交通事故に特化したサポートを行っています。
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【コラム】:消極損害その2 後遺障害逸失利益(42)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その2 後遺症による逸失利益(42)
10.胸腹部臓器の障害
呼吸器(気管,気管支,肺,横隔膜等),循環器(心臓,心膜,大動脈等),腹部臓器(食道,胃,小腸,大腸,肝臓,胆のう,すい臓,ひ臓,腹壁等),泌尿器(じん臓,尿管,勝脱,尿道等),生殖器の障害に分けられます。
胸腹部臓器の障害の障害等級については,原則として,その障害が単一である場合には臓器ごとに定める基準により判断されます。また,その障害が複数認められる場合には,併合の方法を用いて相当級が判断されます。
(1)認定例
・ 女児(固定時3歳)の左腎機能全廃(13級11号)につき,残存する右腎臓にできるだけ負担をかけない生活上の不利益を受け,あるいは就労上の配慮を要するとして,賃金センサス男女計学歴計全年齢平均を基礎に,18歳から67歳まで9%の労働能力喪失を認めた。
・ セールスドライバー(固定時34歳)の腹圧性尿失禁(7級),射精障害(9級)の併合6級,骨盤骨変形12級,左下肢後面等;左大腿部側部・会陰部のしびれ12級の併合5級につき,腹圧性尿失禁及び左下肢等のしびれ等につき労働能力の喪失を認め,本人の努力や勤務先による内筋業務への配置転換,営業主任から安全推進係長や営業係長に昇格させる等の特別の配慮があるため減収なく700万円以上の年収を維持していることを考慮し,67歳まで60%の労働能力喪失を認めた。
(2)自賠責保険より高い等級や喪失率が認定された事例
・ 女子会社員(試用期間中,固定時40歳)の切迫性尿失禁・腹圧性尿失禁(自賠責非該当)につき,加齢を原因とすることは考え難く,初診時の超音波検査等から明らかな膀胱の収縮はないが膀胱容量が低下していることや,症状が薬剤による治療に対応した反応をしていることなどから,心因反応による症状ではなく,下部尿路を支配する神経損傷や骨盤内の膀胱尿道支持組織の損傷等に起因するとして11級10号と認定し,67歳まで20%の労働能力喪失を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。
胸腹部臓器に後遺障害が残ると,身体を維持するための機能が働かなくなることが多いので,仕事や日常生活にも著しい支障が生じることになります。
しかしながら,臓器によっては,ただちに労働能力とは関係しないとして,逸失利益が否定されるケースもあります。
逸失利益は賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な逸失利益を算定するためにも,ぜひ,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ご相談ください。

名古屋の交通事故に寄り添う「しまかぜ法律事務所」
名古屋は交通事故が多く、被害に遭われた方々が不安を抱えています。しまかぜ法律事務所は、そんな方々の力になりたいという思いから、交通事故に特化したサポートを行っています。
賠償額が適正か分からない、示談交渉が不安…そんなお悩みに寄り添い、解決へ導くことが私たちの役目です。相談料・着手金0円で、安心してご相談いただけます。名古屋・三重・岐阜で交通事故のことでお困りの方は、ぜひご相談ください。
【コラム】:愛知県内の交通事故死者数が100人に達する
愛知県警察によると,愛知県内の今年の交通事故死者数が100人に達し,令和4年10月27日時点では109人となっています。100人に達したのは昨年(11月18日)より39日早く,愛知県警察では交通ルールの順守を呼び掛けています。
また,亡くなった109人のうち65歳以上の高齢者が48人と最多となっていますが,25~64歳も42人と多くなっています。当事者別では歩行者が,類型別では横断中がもっとも多くなっています。
冬に向けて日没時間が更に早くなることから,自動車はヘッドライトを早めに点灯し,歩行者は反射材の着用をするなど,一人一人が交通事故を防ぐための行動を心がける必要があります。
(https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/jikonippou/documents/koutsuushibouzikonippou221027.pdf)
歩行者が被害に遭う交通事故は,衝撃が生身に伝わるということもあり,死亡事故や重篤な障害が残る事故につながりやすくなります。
死亡事故や後遺障害が残存した場合,逸失利益(生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のこと)が支払われますが,就労可能年数(67歳)までの年数が長いほど逸失利益は高額となります。
ただし,67歳を超えている方や67歳までの年数が簡易生命表の平均余命の2分の1よりも短くなる被害者については,原則として,平均余命の2分の1の年数となります。
逸失利益は,一般的に,死亡事故や後遺障害の賠償項目でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で算定することが大切です。
また,交差点内や交差点付近で歩行者が横断中に事故に遭う場合,歩行者が横断歩道を横断しているかどうかで過失割合が変わってきます。
横断歩道外を横断している場合でも,横断歩道の付近であれば横断歩道通過後なのか横断歩道の手前なのか,それ以外の場所なのかなど,事故態様に応じて過失割合が変わってきますので,ドライブレコーダー映像や事故の現場図を分析し,正確な事故態様を明らかにしたうえで,適正な過失割合で解決することも非常に大切となります。
死亡事故や重篤な障害が残る事故は賠償額が高額となるため,過失割合がたとえ1割の違いであっても,賠償額が大きく変わってきますので,専門的知識と豊富な解決実績のある交通事故に強い弁護士に相談することが重要になります。
弁護士法人しまかぜ法律事務所では,高齢者の交通事故,過失割合について解決実績が豊富にありますので,高齢者の交通事故,過失割合でお困りの方は,ぜひ,ご相談ください。

名古屋の交通事故に寄り添う「しまかぜ法律事務所」
名古屋は交通事故が多く、被害に遭われた方々が不安を抱えています。しまかぜ法律事務所は、そんな方々の力になりたいという思いから、交通事故に特化したサポートを行っています。
賠償額が適正か分からない、示談交渉が不安…そんなお悩みに寄り添い、解決へ導くことが私たちの役目です。相談料・着手金0円で、安心してご相談いただけます。名古屋・三重・岐阜で交通事故のことでお困りの方は、ぜひご相談ください。
【コラム】:消極損害その2 後遺障害逸失利益(41)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その2 後遺症による逸失利益(41)
9.外貌醜状等
(6)男性の事例
外貌醜状の後遺障害等級は,以前は,女子につき,外貌に著しい醜状を残すものが7級,外貌に醜状を残すものが12級,男子につき,外貌に著しい醜状を残すものが12級,外貌に醜状を残すものが14級とされていました。
しかし,平成22年6月10日以降に発生した事故については,男女の区別なく,外貌に著しい醜状を残すものが7級,外貌に相当程度の醜状を残すものが9級,外貌に醜状を残すものが12級なっています。
・ 男児(事故時5歳)の顔面醜状(12級),歯牙障害(12級)の併合11級につき,18歳から67歳まで10%の労働能力喪失を認めた(平成6年)。
・ 予備校生(固定時29歳)の頸部,腰部の神経症状(各14級),顔面醜状(12級)の併合12級につき,男性といえども醜状痕によって希望する仕事への就職が制限されたり,就職しても営業成績があがらなかったり,仕事の能率や意欲を低下させて所得に影響を与えることは十分に考えられるとして,症状固定から10年間10%,その後10年間5%の労働能力喪失を認めた(平成13年)。
・ 被害者(固定時23歳)の頭部3ヵ所の線状瘢痕(12級),歯牙障害(13級)の併合11級につき,対人面接が重要な職種によっては就労の機会を制限され,労働の意欲を低下させるとして,67歳まで5%の労働能力喪失を認めた(平成14年)。
・ 作業療法士(固定時29歳)の顔面おとがい部長さ5cm以上の線状痕(12級),障害歯10歯喪失又は著しい欠損(11級)の併合10級につき,事故後の年収が事故時を上回っているが,事故の年の年収は3月末以降に過ぎないこと,事故当時の勤務先は勤務年数に応じて昇給する賃金体系であること,職場への遠慮等から無理をして職責をこなしていたことなどから,労働能力喪失がないとはいえないとし,外貌醜状による労働能力の喪失も認められるとして,67歳まで15%の労働能力喪失を認めた(事故日平成16年)。
・ 高校生(固定時19歳)の右下腿部前面醜状(14級),右眼下部10円銅貨大以上瘢痕(14級)の併合14級につき,対人折衝が必要な業務に従事しており,顔面に傷があることを気に病み,業務に集中できず,仕事の能率や意欲を低下させることは十分に考えられるほか,将来的には営業部門等にも配属される可能性もあり,労働能力喪失の期間を制限すべきでないとして,48年間5%の労働能力喪失を認めた(事故日平成20年)。
・ 会社員(固定時55歳)の肘の屈曲,肩の拳上・外転の障害(12級),左頬部線状痕(12級)の併合11級につき,定年が5年以内に迫っており,定年後の再雇用や新たな就職の問題も生じるところ,その際には外貌の著しい醜状も就職に不利益を生じる蓋然性が高く,労働能力を低下させる要素になると認められることから,定年までの5年間は事故の翌月からの年俸,それ以降の8年間については再雇用されることを前提とした金額を基礎に,それぞれ20%の労働能力喪失を認めた(事故日平成21年)。
・ 専門学校生(固定時23歳)の外貌醜状(7級),右眼視力障害(8級),右まぶた運動障害(12級)の併合5級につき,賃金センサス男性学歴計全年齢平均を基礎に,67歳まで79%の労働能力喪失を認めた(平成24年)。
・ 専門学校卒の給与所得者(固定時26歳)の高次脳機能障害(5級),醜状障害(旧基準12級),歯牙欠損(12級)の併合4級につき,醜状障害は事故後に改正された7級として併合3級とし,賃金センサス男性高専・短大卒全年齢平均を基礎に,67歳まで100%の労働能力喪失を認めた(平成25年)。
・ 交通誘導警備員(固定時66歳)の頭蓋骨欠損による左額部から左頭部の組織陥没(12級)につき,事故前に人工骨を使用した頭蓋骨形成術を受けており,事故後に髄液漏を発症したため頭蓋骨欠損のまま症状固定となり,肉体労働は極めて危険で,営業職や事務職につくことも困難であり,単に外貌醜状にとどまらず就労に大きな制約を受けているとして10級に相当するとし,6年間27%の労働能力喪失を認めた上で,既往症につき30%の訴因減額をした(事故日平成22年5月)。
・ 会社員(固定時48歳)の高次脳機能障害(7級),歯牙障害(10級),嗅覚脱失(12級),顔面部の複数の線状痕(12級)の併合6級につき,どうしても人目を気にしてしまい,気持ちが消極的になることから,外貌醜状も労働能力に影響を与えているとして,67歳まで67%の労働能力喪失を認めた(事故日平成21年)。
・ 自動車運転手(固定時41歳)の口唇部挫創後瘢痕(9級)につき,口唇部に残存している長さ5cm以上の線状痕であり,人目に付く程度のものであること,初対面に近い顧客との折衝に消極的になっていること,車内の評判が落ちて将来の昇進や転職に影響したりする可能性が否定できないこと等から,67歳まで35%の労働能力喪失を認めた(事故日平成23年)。
・ 舞台俳優・衣料品店準社員(固定時25歳)の外貌醜状(12級)につき,音楽大学卒業後,舞台俳優を目指して現にダンサーとして舞台活動を行っているところ,舞台活動においては外見の均整も重要な要素であることは否定し難い等として,67歳まで5%の労働能力喪失を認めた(平成28年)。
・ 配達業務等に従事する会社員(固定時37歳)の左眼下部1箇所,左頬2箇所の線状痕(12級)につき,従前は営業業務を行っていたこともあったが,転職活動においては,配達業務等不特定多数の者と接する機会が少ない業種かどうかを確認し,接客や営業の仕事は避けるようになっていること等から,67歳まで7%の労働能力喪失を認めた(令和2年)。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。
醜状は時間の経過とともに薄れていくため,醜状障害の後遺症申請は,事故後6ヶ月で早急に行うことが重要になります。また,医療技術の進歩によって,傷跡を目立たなくすることは可能になってきており,醜状障害を理由とする後遺症が認定基準は厳しくなりつつあります。(1)事故後6ヶ月で早急に後遺症申請をするのか,または(2)保険会社の治療費対応で形成手術を行って後遺症申請は行わないという選択をするのか,弁護士法人しまかぜ法律事務所では,被害者の傷跡を確認し,もっとも最適な方法をアドバイスしていきます。
逸失利益は賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な逸失利益を算定するためにも,ぜひ,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ご相談ください。

名古屋の交通事故に寄り添う「しまかぜ法律事務所」
名古屋は交通事故が多く、被害に遭われた方々が不安を抱えています。しまかぜ法律事務所は、そんな方々の力になりたいという思いから、交通事故に特化したサポートを行っています。
賠償額が適正か分からない、示談交渉が不安…そんなお悩みに寄り添い、解決へ導くことが私たちの役目です。相談料・着手金0円で、安心してご相談いただけます。名古屋・三重・岐阜で交通事故のことでお困りの方は、ぜひご相談ください。
【コラム】:消極損害その2 後遺障害逸失利益(40)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その2 後遺症による逸失利益(40)
9.外貌醜状等
(4)14級の事例
・ 小学生(事故時9歳)の右下肢露出面の醜状痕(14級)につき,同級生から傷跡の指摘をされ,プールや公衆浴場の使用を避けたり,受診時に傷を見られることを嫌がったり等,醜状痕が被害者の行動を制限しているとし,将来を考える上で,本件事故による醜状痕によって行動や発想の制限を受け,職業について自由に考え選択することができないと認め,賃金センサス女性学歴計全年齢平均を基礎に,就労後5年間5%の労働能力喪失を認めた。
・ 派遣社員(固定時37歳)の右大腿内部瘢痕の下肢醜状(14級)につき,派生する機能障害・知覚異常等も認められることから,事故前3ヶ月間の収入から算出した年収を基礎に,20年間5%の労働能力喪失を認めた。
(5)非該当の事例
・ 主婦兼女優・ホステス(固定時40歳)の肩甲部痛,上肢シビレ,頸部背部痛,三叉神経麻痺,歯牙障害(併合11級,眼瞼下垂は自賠責非該当)につき,頸部痛,眼瞼下垂,右上肢知覚障害は就労先の選択を狭め職務内容にも制限が伴い,殊に女優やホステスとしての稼働に眼瞼下垂は重大な支障を生じさせるとして,当初5年間は日額2万円余を基礎に35%,次の15年間は賃金センサス全労働者全年齢平均を基礎に20%,その後7年間は賃金センサス女性全年齢平均を基礎に14%の労働能力喪失を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。
醜状は時間の経過とともに薄れていくため,醜状障害の後遺症申請は,事故後6ヶ月で早急に行うことが重要になります。また,医療技術の進歩によって,傷跡を目立たなくすることは可能になってきており,醜状障害を理由とする後遺症が認定基準は厳しくなりつつあります。(1)事故後6ヶ月で早急に後遺症申請をするのか,または(2)保険会社の治療費対応で形成手術を行って後遺症申請は行わないという選択をするのか,弁護士法人しまかぜ法律事務所では,被害者の傷跡を確認し,もっとも最適な方法をアドバイスしていきます。
逸失利益は賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な逸失利益を算定するためにも,ぜひ,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ご相談ください。

名古屋の交通事故に寄り添う「しまかぜ法律事務所」
名古屋は交通事故が多く、被害に遭われた方々が不安を抱えています。しまかぜ法律事務所は、そんな方々の力になりたいという思いから、交通事故に特化したサポートを行っています。
賠償額が適正か分からない、示談交渉が不安…そんなお悩みに寄り添い、解決へ導くことが私たちの役目です。相談料・着手金0円で、安心してご相談いただけます。名古屋・三重・岐阜で交通事故のことでお困りの方は、ぜひご相談ください。
【コラム】:消極損害その2 後遺障害逸失利益(39)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その2 後遺症による逸失利益(39)
9.外貌醜状等
(2)9級の事例
・ 空港ラウンジで接客業に従事する契約社員(固定時33歳)の化粧を施しても正面から見てそれと分かる右頬から右耳殻に至る長さ9cmの線状痕等(9級)につき,事故前収入を基礎に,67歳まで35%の労働能力喪失を認めた。
・ 地方公共団体の嘱託職員等としてカウンセリング業務に従事していた兼業主婦(37歳)の前額中央やや右から左眼瞼部にかけての線長約5.6センチメートルの線状痕に左前額部から左眉毛上部にかけての線約1.6センチメートルの線状痕がY字型に繋がる縫合創痍(9号)につき,内容・部位・程度に加え,性別・職種・心理的影響に照らし,事故前収入を基礎に,67歳まで25%の労働能力喪失を認めた。
(3)12級の事例
・ 会社員(固定時29歳)の顔面醜状(12級),下顎骨折に伴う左顎痛(12級),7歯欠損(12級)の併合11級につき,外貌醜状により接客や対人間関係の生涯による就労への悪影響があるとして,21年間20%の労働能力喪失を認めた。
・ 女児(事故時2歳)の顔面傷跡(12級)につき,賃金センサス全労働者全年齢平均を基礎に,18歳から67歳まで14%の労働能力喪失を認めた。
・ 専門学校を卒業して各種資格を有し,ダイビングインストラクターを目指すアルバイト(固定時21歳)の右下肢醜状(12級),左下肢醜状(14級)の併合12級,軽度右下肢機能障害(非該当)につき,機能障害により労働能力が相当程度喪失したこと,両下肢の醜状がその職業選択を狭め,少なくともダイビングインストラクターとなる可能性を閉ざしたことから,10年間15%,次の10年間10%,その後10年間5%の労働能力喪失を認めた。
・ 歯科衛生士(固定時28歳)の左下腿リンパ浮腫(7級),左右の下肢瘢痕拘縮(12級)の併合6級につき,両下肢の瘢痕の大きさやそのために生じる精神的負担及び仕事に対する萎縮的効果,未婚女性であることを考慮し,瘢痕は労働能力に相応するとして,39年間67%の労働能力喪失を認めた。
・ 英会話教室運営の主婦(固定時47歳)の顔面部醜状障害(12級),頸部痛・背部痛・左手にかけてのしびれ感等(14級),腰痛・腰の抜ける感じ(14級),PTSD(12級)の併合11級につき,20年間20%の労働能力喪失を認めた。
・ 小学生(固定時12歳)の顔面線状痕・陥没痕(12級)につき,今後の進路ないし職業の選択・就業等において不利益な扱いを受ける蓋然性は否定できず,醜状痕を気にして消極的になる可能性も考慮し,賃金センサス全労働者全年齢平均を基礎に,49年間5%の労働能力喪失を認めた。
・ 大学生(固定時19歳)の口唇部の10円銅貨大以上の瘢痕(12級)につき,被害者は保育士になることを希望しているが,子供に接する仕事であり,瘢痕によりその就職が制限される蓋然性があるとし,事故後のコンビニ等でのアルバイトはこれを否定するものでなく,大学卒業から就職等の制限の蓋然性が高い40歳まで14%の労働能力喪失を認め,それ以降の不利益は慰謝料で考慮するとした。
・ 介護従事者(固定時45歳)の眉間に人目につく3センチメートル以上の線状痕(12級),頚項部痛,胸背部痛及び腰痛(14級)の併合12級につき,介護の仕事は日常的に他人と接し,円滑な人間関係の形成等が必要とされること,年齢等に照らし今後転職する可能性も否定できないこと等から,外貌醜状が労働能力に影響をもたらすとして,67歳まで10%の労働能力喪失を認めた。
・ 兼業主婦(事故時52歳)の右下腿打撲皮下血腫等による右下肢外傷後瘢痕(12級相当)につき,外貌醜状の後遺障害は否定し,外傷に伴う同部位の皮下脂肪層,真皮組織の欠損により脛骨近傍のわずかな刺激に対する痛み等が生じていることから,右下肢に痛み等の神経症状の残存を認め,家事労働に一定の支障が生じているものとし,平均余命の2分の1の17年間5%の労働能力喪失を認めた。
・ アパレルショップ店員兼主婦(固定時18歳)の顔面神経麻痺による口唇閉鎖不全,顔面部及び頚部の瘢痕(12級),左下口唇知覚異常及び知覚鈍麻(14級)の併合12級につき,対人関係に消極的となり,店員に一度復職したものの接客業務に支障を生じて退職しており,接客業等への就労可能性が一定程度制限されているほか,家事労働にも心理的負担を感じるという意味で間接的な影響が生じており,顔面神経麻痺や頚部の瘢痕は将来回復する見込みは乏しいとして,49年間5%の労働能力喪失を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。
醜状は時間の経過とともに薄れていくため,醜状障害の後遺症申請は,事故後6ヶ月で早急に行うことが重要になります。また,医療技術の進歩によって,傷跡を目立たなくすることは可能になってきており,醜状障害を理由とする後遺症が認定基準は厳しくなりつつあります。(1)事故後6ヶ月で早急に後遺症申請をするのか,または(2)保険会社の治療費対応で形成手術を行って後遺症申請は行わないという選択をするのか,弁護士法人しまかぜ法律事務所では,被害者の傷跡を確認し,もっとも最適な方法をアドバイスしていきます。
逸失利益は賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な逸失利益を算定するためにも,ぜひ,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ご相談ください。

名古屋の交通事故に寄り添う「しまかぜ法律事務所」
名古屋は交通事故が多く、被害に遭われた方々が不安を抱えています。しまかぜ法律事務所は、そんな方々の力になりたいという思いから、交通事故に特化したサポートを行っています。
賠償額が適正か分からない、示談交渉が不安…そんなお悩みに寄り添い、解決へ導くことが私たちの役目です。相談料・着手金0円で、安心してご相談いただけます。名古屋・三重・岐阜で交通事故のことでお困りの方は、ぜひご相談ください。