【コラム】:物損(36)

2026-01-16

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,車の修理代金や代車使用料などの物損もあります。
 なお,自賠責保険は人身事故のみ対象としており,物損事故による損害は対象外となるため,物損事故による損害は,加害者または加害者が加入している保険会社に請求することになります。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

10.積荷その他の損害
(2)着衣・携行品関係
・ 事故によりバイオリン及びバイオリン弓が焼失した事案につき,その価格は作者,音質,制作方法等で決められるものであり,年数の経過により価値が減少するものではないとして,購入価格計900万円を損害と認めた。
・ ノートパソコン代(事故半年前に23万円で購入)11万円余と,ハードディスクのデータ修復費用11万円余,コンパクトディスク代2万円を認めた。
・ 被害車両に積載されていたOA機器が破損し使用不能となった事案につき,当該機器で使用していたフロッピーディスクの記録を他の機器で使用するためのデータ移行・変換費用13万4400円,機器の廃棄費1万5750円を認めた。
・ アパレルショップ店長の制服として貸与されて半年間着用し,1年後に社販価格で買い取った衣服につき,使用期間が概ね5年で,制服としての当初半年間の摩耗が大きいこと,シャツについては特に摩耗が大きいことなどから,事故3年前のモデル(スーツ,ベスト)は社販価格の70%,事故2年前のモデル(ベルト)は50%,事故2年前のモデル(シャツ)は75%をそれぞれ減価して損害と認めた。
・ 事故前約2か月から2年4か月の間に購入した物品について,メガネフレーム3万4800円(購入価格の80%),メガネレンズ5万3865円(同95%),パソコン18万円(同50%),靴9600円(同80%),自転車2万1600円(同90%),鞄4800円(同60%)を認めた。
・ 事故発生の月に購入したiPhoneについて,使用による減価が少ないと考えられることから,購入価格の7万2360円を認めた。
・ 遠近両用眼鏡(購入時期不明)について,眼鏡は人体の機能を補助するものであるとして,事故後の購入価格9万5000円を認めた。
・ 高校1年女子の制服スカート,制服ブラウスについて,用途・期間が極めて限定される特殊な性質から,新品購入価格である合計1万4030円を損害と認めた。
(3)その他
・ 修理不能になった被害車にナビゲータ,テレビ等が装備されていた事案につき,減価償却後の価値の賠償を認めた。
・ 保険契約(車両保険)を利用して被害車両を修理したことにより今後6年間の保険料増額分を請求した事案につき,保険契約は,交通事故等により保険契約者側が被った損害の補填又は保険契約者側が他者に与えた損害の賠償のための自衛手段として締結するものであり,保険料は自衛のためのコストとして,保険料増額のリスクも保険契約者自身が負担するべきものであるとして請求を棄却した。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,7年連続交通事故死者数全国ワーストを脱却していますが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 物損事故の場合,被害者の加入している車両保険を使用して解決する方もいらっしゃいますが,等級が下がり翌年からの掛け金が高くなります。被害車両の損害状況や過失割合によっては車両保険の使用をお勧めすることもありますが,弁護士費用特約を使用し,弁護士が加害者と交渉することで,適正な賠償額を回収することができます。弁護士費用特約は使用しても等級が変わらず,翌年からの保険料も変わりません。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は物損の解決実績も多くありますので,車両保険を使用して高くなった保険料を払うか,弁護士費用特約を使用して保険料が変わらずに解決できるか,ぜひ,一度ご相談ください。

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