【コラム】:過失割合について(自転車と四輪車・単車との事故故 5.道路外出入車と直進車との事故(1))
交通事故の被害者および加害者には,それぞれの過失に応じた過失割合というものが決められます。
過失の割合に応じて賠償額が減額されるため,交通事故において,過失の割合はとても大きな問題となります。
そこで,事故態様ごとの過失割合をご紹介します。
5.道路外出入車と直進車との事故(1)
道路外出入車とは,駐車場やガソリンスタンドへの出入り,荷物の搬出入等のために,道路から道路外に出たり,道路外から道路に進入したりする車をいいます。
道路交通法25条の2は,横断や転回と並んで道路外の施設又は場所に出入りするための左折又は右折を交通の流れに逆らう運転操作として規制しています。
他方,一般に,道路から道路外に出るために右左折しようとする車は合図や減速等をするし,また,道路外から道路に進入しようとする車は徐行して道路上に出てくることから,他の車両においても,通常の注意義務を尽くしていれば,道路外出入車があることを認識することが可能です。
したがって,本基準の基本の過失相殺率は,道路外出入車が減速,徐行等を履行していることを前提として,直進車に軽度の前方注視義務違反がある場合を想定しています。
(1)路外車が道路に進入する場合
ア 自転車道路直進・四輪車路外【299】
自転車:10 四輪車:90
自転車が左側通行の規制に違反して道路の右側を通行していても,相互に見とおしがきく場合は,事故回避の困難性が高まるわけではないから,右側通行・左方から進行の修正要素は適用しません。
また,自転車が歩道を通行している場合には,左側通行の規制はない(歩道通行不可又は車道寄り通行の規制があります。)ので,右側通行・左方から進行の修正要素は適用しません。
自転車が,自転車の通行が許されていない歩道を通行している場合や,自転車の通行が許されている歩道を通行している場合であっても,その通行方法に違法があるときは,歩道(自転車通行不可)通行等の修正要素を適用します。
イ 自転車路外・四輪車道路直進【300】
自転車:40 四輪車:60
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,令和元年の交通事故死者数が17年ぶりに全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
自転車と四輪車・単車との事故の場合,自転車の運転手が亡くなられたり,重篤な後遺障害が残る場合が多く,賠償額が大きくなります。過失割合がたとえ1割の違いであっても,受け取れる金額が大きく変わってきますので,適正な過失割合で解決をすることが大切です。
しまかぜ法律事務所では,事故の現場図を分析したり,正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしています。
また,自転車と四輪車・単車との交通事故の解決実績も豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。