【コラム】:過失割合について(1.横断歩行者の事故(1)横断歩道上の事故①(自転車が車道を進行している場合)ア信号機の設置されている横断歩道上の事故(1))

2018-02-16

 

 

 

交通事故の被害者および加害者には,それぞれの過失に応じた過失割合というものが決められます。
過失の割合に応じて賠償額が減額されるため,交通事故において,過失の割合はとても大きな問題となります。
そこで,事故態様ごとの過失割合をご紹介します。
前回までは,歩行者と自動車の事故でしたが,今回以降は,歩行者と自転車の事故をご紹介していきます。

1.横断歩行者の事故
(1)横断歩道上の事故①(自転車が車道を進行している場合)
  ア 信号機の設置されている横断歩道上の事故
        歩行者は,歩行者用信号機が設けられている場合,その表示に従わなければなりません。
        一方,自転車は,軽車両であるので,車道を進行する場合には,車両用信号に従わなければなりません。
        自転車が信号機の表示する信号に従って進行した場合であっても,道路を直進するときと交差点を右左折するときとでは,歩行者が従うべき信号との関係等によって過失割合が異なります。
  (ア)歩行者と直進自転車との事故
    a 横断中の信号変更なし
        【51】歩行者:青信号で横断開始,自転車:赤信号で進入


 

 

 

    歩行者:自転車=0:100
    自転車は,赤信号の場合には,所定の停止位置を越えて進行してはならないから,これに違反する自転車との関係では,青信号で横断歩道上を横断する歩行者は絶対的に保護されなければなりません。
     
    【52】歩行者:黄信号で横断開始,自転車:赤信号で進入


 

 

 

    歩行者:自転車=15:85
    歩行者は,黄信号の場合には,道路の横断を始めてはならないから,歩行者が黄信号で横断を開始したこと自体に過失を認めることができます。また,自転車が自動車や二輪車と比較して低速であることから,歩行者が左右の安全確認義務を尽くしていれば,自転車の接近を容易に認識し得たはずという点からも,歩行者に過失があるといえます。
    もっとも,赤信号に違反した自転車の過失の方がはるかに大きいので,原則として15%以上の過失相殺はしません。

 

近年,ロードバイクや電動アシスト自転車が普及し,自動車と違い免許が不要で気軽に乗れることから,小さいお子さまからご高齢の方まで,たくさんの方が自転車に乗っています。
自転車とはいえスピードは速いので,歩行者と自転車との事故の場合,衝撃を生身に受けた歩行者が亡くなったり,重篤な傷害を負うケースもあります。
また,目撃者がいない場合,主張が対立することもあり,示談による解決が難しくなることもあります。

しまかぜ法律事務所では,事故の現場図を分析したり,正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしています。
賠償額が大きくなればなるほど,過失割合がたとえ1割の違いであっても,受け取れる金額が大きく変わってきますので,過失割合でお困りの方は,ぜひ,しまかぜ法律事務所へご相談ください。

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