【コラム】:積極損害 12.その他

2021-07-16

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

12.その他
(1)海外からの帰国費用等を認めた事例
   重篤な傷害を負った場合や葬儀に出席する場合に,海外に住んでいる家族の旅費が認められた事例があります。
(2)旅行のキャンセル料等を認めた事例
旅行の予約をしていたものの,交通事故の被害に遭いキャンセルせざるを得ない場合,旅行のキャンセル代が認められた事例があります。
結婚式延期の詫び状,新婚旅行のキャンセル代,鑑賞予定だったコンサートのキャンセル代,スポーツジムの会費等も認められる場合があります。
(3)就学資金返還を認めた事例
   事故により退職した看護婦につき,業務に従事していた病院に返還した看護高等学校の就学資金が認められた事例があります。
(4)ペットの飼育費用を認めた事例
事故によりペットの飼育が困難になった場合,ペットホテル等の預り費用や,世話の謝礼が認められた事例があります。
(5)親族の治療費を認めた事例
一緒に事故の被害に遭った子が亡くなりPTSDになった場合,配偶者や子の死亡等により鬱状態になり通院治療を余儀なくされた場合など,親族の治療費が認められた事例があります。
(6)被害者が経営する会社の清算費用を認めた事例
   個人で有限会社を経営する被害者が事故により死亡したため,会社を清算するために要した清算費用が認められた事例があります。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,2年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 交通事故と相当因果関係があれば認められる内容も多くありますので,請求できるか迷われる場合には,ぜひ,ご相談ください。

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