【コラム】:積極損害 13.弁護士費用

2021-07-30

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

13.弁護士費用
  弁護士費用は,依頼者が負担することになっていますが,例外として,不法行為を理由として損害賠償を請求する裁判では、認容額の10%程度を加害者側に負担させることが認められています。
  認容額の10%以上の弁護士費用を認めた裁判例もあります。
  ・被害者とその夫が日本語を十分に理解しないために相当な時間と労力を費やした事例
・加害者が捜査段階で過失を認めていたにもかかわらず,民事訴訟においては被害者の主張を争う,本人尋問期日に正当な理由なく出頭しない等の態度に出たことから,弁護士に依頼して訴訟追行する必要が高かったとした事例

その他,弁護士費用に関する裁判例は以下のものがあります。
・被害者が自動車保険契約の弁護士費用特約を利用したとしても,弁護士費用相当額の保険金は被害者の負担した保険料の対価として支払われるものであるから,弁護士費用相当額の損害が発生していないとはいえないとした事例

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,2年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

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