【コラム】:上半期の愛知県内の交通事故死者数が過去最少
愛知県警察によると,令和3年上半期に愛知県内で発生した交通事故による死者は51人でした。昨年の同じ時期と比べ25人少なく,月別の統計を始めた1952年以降、最も少ない数字となりました。
(https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/koutuusibouzikohasseijyoukyouR3.6.pdf)
年齢別でみると,65歳以上の高齢者は32人で,全体の62.7%と非常に多くなっています。
また,時間帯としては,午後6時から午後10時までの時間帯が最も多くなっています。当事者,事故類型からは,道路を横断している歩行者がはねられるケースが多いことが分かります。
死者数が減少した背景には,外出自粛により事故が減ったことがありますが,夏休みに入り,帰省や近場のレジャー等で自動車を使う機会が増える方もいるかと思いますので,事故が発生しないよう安全運転を心がけることが大切です。
また,子どもたちが自転車で外出する機会も増えますので,信号や一時停止の標識を守る,安全な速度で運転をする,ヘルメットを必ずかぶる等,今一度ルールを確認し,子どもたちの自転車事故を防ぐことも必要です。
自転車による交通事故は,衝撃が生身に伝わるということもあり,死亡事故や重篤な障害が残る事故につながりやすくなります。
死亡事故や後遺障害が残存した場合,逸失利益(生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のこと)が支払われますが,就労可能年数が長いほど逸失利益は高額となります。
死亡逸失利益は,基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数で計算されます。
仮に,10歳の小学生男子が事故により死亡した場合の死亡逸失利益は,5646万4996円となります。
<計算方法>
1.基礎収入:賃金センサス男女別全年齢学歴計の平均賃金額で,令和元年は560万9700円となります。
2.生活控除率:男性は50%です。
3.就労可能年数:未就労者(幼児,学生等)の就労可能年数は始期が18歳のため49年で,ライプニッツ係数は20.1312(27.1509-7.0197)です。
560万9700円×(1-0.5)×20.1312=5646万4996円
また,自転車事故の場合,過失割合が問題になることも多いですが,死亡事故や重篤な障害が残る事故は賠償額が高額となるため,適正な過失割合で解決することが非常に重要となります。
自転車と自動車の事故の場合,自動車にドライブレコーダーが搭載されていれば事故状況が明らかになりますが,自転車同士,自転車と歩行者の事故の場合は,事故状況に争いが生じることも少なくありません。
弁護士法人しまかぜ法律事務所では,ドライブレコーダー映像や事故の現場図を分析し,正確な事故態様を明らかにしたうえで,適正な過失割合で事故の解決をしています。
交通死亡事故や重篤な後遺障害からむち打ちまであらゆる案件の豊富な解決実績がありますので,交通事故でお困りの方は,ぜひ,ご相談ください。