【コラム】:「ながら運転」による死亡事故の相談例

2019-12-16

 令和元年12月1日,改正道路交通法が施行され,「ながら運転」が厳罰化されました。
 「ながら運転」の交通事故の被害に遭った場合,過失割合を決める際に,著しい過失として加害者に10%加算修正されます。
 具体的な相談例から,賠償額がどのようになるのか,ご紹介します。
 ※ 本相談例は弁護士の守秘義務の関係で当事者を特定できないように内容にフィクションを含んでいます。

しまかぜ法律事務所:「はい,しまかぜ法律事務所です。」

被害者ご遺族:「夫が交通事故に遭い亡くなったのですが・・・相談できますか。」

しまかぜ法律事務所:「お悔やみ申し上げます。具体的な事故の状況を教えていただけますか。」

被害者ご遺族:「信号機のない交差点で,夫の車と相手の車が出合い頭に衝突しました。相手側の道路が一時停止だったのですが,対向車線で一時停止をしていた目撃者は,加害者は一時停止をせず,スマホを見ながら交差点に進入してきたと言っているのですが,加害者は,一時停止をした,スマホも見ていないと言っているようです。」

しまかぜ法律事務所:「信号機のない交差点での自動車同士の事故の過失割合は,交差点進入時の速度が同程度として,非一時停止規制の自動車:一時停止規制の自動車=20:80になります。運転手がスマートフォンを見ていた場合,著しい過失として10%加算修正されますますので,非一時停止規制の自動車:一時停止規制の自動車=10:90になります。刑事記録を取り寄せて,加害者が一時停止をしていないこと,スマートフォンを見ていたことが記載されていれば,客観的な証拠となります。また,目撃者の車両にドライブレコーダー搭載されていれば取り寄せしますので,重要な証拠となります。」

被害者ご遺族:「ありがとうございます。お葬式の費用の支払いや,突然のことで今後の生活費も心配です。」

しまかぜ法律事務所:「ご主人の年齢と職業,お子様の人数を教えてもらえますか。賠償額の概算を計算してみます。」

被害者ご遺族:「27歳,会社員です。年収は400万円くらいです。子供は2人います。」

しまかぜ法律事務所:「ありがとうございます。交通事故により死亡した場合に請求できる賠償額は,①治療費,②葬儀関係費,③死亡慰謝料,④死亡逸失利益となります。①治療費は実際に支払った金額,②葬儀関係費は150万円程度,③死亡慰謝料は2800万円程度が支払われ,④死亡逸失利益は亡くなられた方の年収によって変わります。ご主人の場合,28歳という若さで亡くなられていますので,実際の年収ではなく賃金センサス・男性・大卒・全年齢の年収を基に算定します。平成29年の場合は660万6600円で,生活控除率は被扶養者2人以上で30%,就労可能年数40年のライプニッツ係数17.1591から算定すると,660万6600円×(1-0.3)×17.1591=7935万4317円となります。過失割合を考慮して概算にはなりますが,賠償額は全部で1億円程度になるかと思います。」

被害者ご遺族:「そんなにいただけるんですね。死亡事故の場合は3000万円と聞いていたので,子供の将来も心配でしたが,安心しました。」

しまかぜ法律事務所:「交通事故の賠償額には,自賠責基準,任意保険基準,弁護士基準があって,弁護士基準が一番高くなります。ただし,ご主人の場合は,過失がありますので,加害者のながら運転が認められれば1億1000円×90%=9900万円,認められなければ1億1000万円×80%=8800万円となります。賠償額が高額となりますので,過失割合が1割変わっても受け取れる金額が大きく変わってきます。」

被害者ご遺族:「そうなんですね。ありがとうございました。」

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