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【コラム】:慰謝料(7)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
2 傷害慰謝料
(1)傷害慰謝料は,原則として入通院期間を基礎として,別表Ⅰを使用します。
通院が長期にわたる場合は,症状,治療内容,通院頻度をふまえ実通院日数の3.5倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることもあります。
被害者が幼児を持つ母親であったり,仕事の都合など被害者側の事情により特に入院期間を短縮したと認められる場合には,増額することがあります。
なお,入院待機中の期間及びギプス固定中等安静を要する自宅療養期間は,入院期間とみることがあります。
<裁判例>
・ シルバー人材センター受託業務(固定時74歳・男)につき,第2腰椎圧迫骨折で27日間入院し,通院期間約4か月の内約2ヶ月半の間硬性コルセットの装着を余儀なくされたことなどに鑑み,傷害慰謝料162万円を認めた。
(2)傷害の部位,程度によっては,別表Ⅰの金額を20%~30%程度増額します。
<裁判例>
・ 有職主婦(左膝疼痛等14級,年齢不詳)の頭部打撲後の両眼の視力低下,左右上下視における複視につき,後遺障害の残存は認めないが,右眼の負傷により現に社会生活上の多岐にわたる領域で相応の不便を強いられており,右眼の症状が軽快し固定するまでの間に被った精神的苦痛については相当程度大きかったものであると評価し,入通院慰謝料の算定に当たって斟酌するのが相当として,傷害慰謝料のほか,後遺障害慰謝料110万円を認めた。
(3)生死が危ぶまれる状態が継続したとき,麻酔なしでの手術等極度の苦痛を被ったとき,手術を繰り返したときなどは,入通院期間の長短にかかわらず,別途増額を考慮します。
<裁判例>
・ 鋼製建具設置等の自営業者(肋骨の変形癒合12級,骨盤骨変形12級の併合11級,固定時50歳)につき,両側多発肋骨骨折,両側血気胸,肺挫傷,肝損傷,骨盤骨折の傷害を負い,一時心肺停止の状態に陥ったり,肝損傷に関して仮性動脈瘤が生じ,出血多量になるおそれがあったりするなど,急性期には死亡の危険があったこと等を考慮し,治療期間437日(内入院86日)に対し,傷害慰謝料333万円のほか,後遺障害慰謝料400万円を認めた。
(4)むち打ち症で他覚所見がない場合等(※)は,入通院期間を基礎として別表Ⅱを使用します。通院が長期にわたる場合は,症状治療内容,通院頻度をふまえ,実通院日数の3倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることもあります。
※ 「等」とは,軽い打撲,軽い挫創(傷)の場合を意味します。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
傷害の内容や程度は被害者ごとに違うため,仕事や日常生活への影響度合いも様々です。入通院期間で被害者の精神的苦痛をはかることが困難な場合は,必要に応じて傷害慰謝料を増額して解決をすることが大切になります。適正な慰謝料での解決実績が豊富な,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。
【コラム】:慰謝料(6)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
1 死亡慰謝料
(1)その他
④ 内縁関係にあった者等
・ 会社員(男・55歳)につき,約9年間事実上夫婦として暮らしていた内縁の配偶者に1000万円を認めた。
・ 55歳で退職後無職,妹と二人暮らしの年金生活者(男・61歳)につき,本人分1900万円,妹300万円,生後まもなく被害者が引き取り父親代わりとして育ててきた姪100万円,合計2300万円を認めた。
・ 女性(年齢不明)につき,法定相続人とは慰謝料1100万円で示談が成立している事案において,民法711条により遺族固有の慰謝料請求権を取得すべき「子」とは実子ないし養子を指すものと解すべきではあるが,養子縁組を経ていない事実上の養子について同条の類推適用が肯定されるとして,内縁の養子2人各450万円,合計900万円を認めた。
・ 料理店女将(女・78歳)につき,本人分1000万円のほか,およそ29年間同居し同料理店を経営していた内縁の配偶者(69歳・妻あり)に,営業損害は認めなかったが,被害者が給与を受けずに尽力していたことなどの事情は慰謝料において評価するのが相当であるとし,妻との婚姻が明らかに破綻していたことなども考慮し1300万円を認めた。
・ 戸籍が判明しない女性(69歳)と約40年間生計を共にしていた内縁の夫につき800万円,幼いころから独立するまで被害者と同居し実施同然に育てられた内縁の夫の子につき100万円,合計900万円を認めた。
(参考)胎児の死亡等
・ 出産予定日の4日前の事故により死産したとして,800万円を認めた。
・ 事故の衝撃により妊娠2か月の胎児が死亡したとして,150万円を認めた。
・ 事故の衝撃により妊娠27週の胎児が死亡したとして,250万円を認めた。
・ 妊婦(母)が受傷したことにより妊娠36週の胎児が死亡したとして,母700万円,父300万円を認めた。
・ 25歳主婦(初産婦,事故後再び妊娠を望み排卵誘発剤等のホルモン投与を受けているが,2年経過しても妊娠に至っていない状況にある)につき,正面衝突でシートベルトが食い込み,胎児(18週)が死亡したとして,350万円を認めた。
・ 41歳主婦が受傷により妊娠12週未満の早期流産したとして,200万円を認めた。
・ 妊娠29週の主婦(19歳)が受傷したことにより胎児が死亡したとして400万円を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
慰謝料は,ご遺族の過ごしてきた関係,どれだけ愛情をもって接してきたかによって大きく増加いたします。
個々のご遺族の無念さを考慮した慰謝料額で解決をすることが大切になりますので,適正な慰謝料での解決実績が豊富な,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。
【コラム】:慰謝料(5)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
1 死亡慰謝料
(1)その他
③ 高齢者等
・ 女性(91歳)につき,医療過誤と競合した事案において,2300万円を認めた。
・ 統合失調症の長男と二人暮らしの女性(76歳)につき,心身の病気をかかえた長男の生活を支えていたところ,突然の事故により1級相当の後遺障害を負いその後死亡するに至り,家族らの生活にも大きな影響を与えたことから,傷害分のほか,本人分2200万円,子2人各100万円の死亡分合計2400万円を認めた。
・ 年金生活の女性(91歳)につき,2200万円を認めた。
・ 男性(86歳)につき,家業の農業を手伝っていたことについての損害は逸失利益としては評価が困難であることなどから,2300万円を認めた。
・ 女性(75歳・主婦)につき,本人分2500万円,病気により介護を必要とする夫100万円,子2人孫1人各50万円,被害者が介護していた知的障害を持つ孫については,祖母である被害者の死により介護施設への入所を余儀なくされたことなどから300万円,合計3050万円を認めた。
・ 女性(83歳・主婦)につき,息子及びその妻子と同居し,家事の多くを行っていたことから,本人分2400万円を認めた。
・ 女性(75歳・主婦)につき,加害者は前方注視義務及び信号遵守義務という自転車を運転する際の基本的な注意義務を怠っており,対面する歩行者用信号機の青色灯火に従った被害者には何ら落ち度がないことなどから,本人分2300万円,夫200万円,子100万円の合計2600万円を認めた。
・ 主として年金生活の男性(76歳)につき,本人分2200万円,妻200万円,子3人各100万円の合計2700万円を認めた。
・ 年金生活の男性(82歳)につき,本人分2300万円,妻120万円,子3人各60万円の合計2600万円を認めた。
・ 茶商の男性(94歳)につき,本人分2250万円,妻100万円,子3人各50万円の合計2500万円を認めた。
・ 会社経営者の男性(81歳)につき,子らは独立した生計を営んでおり,いわゆる一家の支柱とは同視し難いものの,同族企業2社の代表取締役として精力的に活動しており,その面で果たしていた役割は相当大きかったと推察されるとして本人分2500万円を認めた。
・ 年金生活の男性(81歳)につき,本人分2200万円,妻3000万円,子2人各150万円の合計2800万円を認めた。
・ 女性(80歳・主婦)につき,本人分2000万円,夫400万円,子2人各100万円の合計2600万円を認めた。
・ 宗教法人役員(男・79歳)につき,事故当日入院し翌日死亡したこと,一家の支柱であり,妻が長年夫婦として同居してきたこと等から,入院分も含め,本人分,近親者分を併せて2800万円を認めた。
・ 年金収入がある兼業主夫(79歳)につき,子や孫に恵まれ充実した生活を送り,新居で長男家族と同居を始めたばかりであったこと,監査役を務める会社での仕事ぶりも充実していたこと等を考慮し,本人分2200万円,夫200万円,子4名に各100万円の合計2800万円を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
慰謝料は,ご遺族の過ごしてきた関係,どれだけ愛情をもって接してきたかによって大きく増加いたします。
個々のご遺族の無念さを考慮した慰謝料額で解決をすることが大切になりますので,適正な慰謝料での解決実績が豊富な,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。
【コラム】:令和5年年末の交通安全県民運動の実施
年末は,師走特有の慌ただしさから,運転者や自転車利用者等の注意力が散漫となり,交通事故の増加が心配されます。愛知県では,令和5年12月1日~同月10日まで,年末の交通安全県民運動を実施します。
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kenmin-anzen/koutu-kenminundou.html
運動重点は,
・夕暮れ時と夜間の交通事故防止及び歩行者の安全の確保
・運転者の安全運転意識の向上及び飲酒運転等の根絶
・自転車等のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底
になります。
12月は,忘年会等,飲酒の機会が増えることから飲酒運転による交通事故の増加も懸念されます。
飲酒運転には,「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2種類があります。
「酒気帯び運転」とは,酒気を帯びて車両等を運転することです。酒気を帯びてとは,通常の健康人の血液中に常時保有されている程度以上にアルコールを保有して車両を運転することで,基準値は,「血液1ミリリットル中のアルコール濃度が0.3mg以上」,または,「呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上」です。飲酒運転の多くは,「酒気帯び運転」となっています。
一方,「酒酔い運転」とは,「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」をいいます。
飲酒運転は,運転している当事者の自損事故だけではなく,他のドライバーや通行人を巻き添えにするような悲惨な事故につながることが多くなります。
運転手が飲酒により気持が大きくなり,スピードの出し過ぎや乱暴な運転になることが多く,事故に巻き込まれた場合,死亡事故や重篤な後遺症が残る事故につながりやすくなります。
死亡事故や重篤な後遺症が残る事故の場合は賠償額が大きいですが,飲酒運転の場合はさらに慰謝料の増額が認められる場合もあります。また,飲酒運転の発覚を恐れて,救護活動をせずに加害者が逃亡した場合も,さらに高額の慰謝料が認められる場合があります。
なお,自動車だけではなく自転車や電動キックボードも飲酒運転禁止となります。
飲酒運転を根絶するためには,運転するなら酒を飲まない,酒を飲んだら運転しない,運転する人に酒をすすめない,酒を飲んだ人に運転させないを徹底しすることが大切です。
弁護士法人しまかぜ法律事務所は,飲酒運転の交通事故の解決実績が豊富にありますので,飲酒運転の被害に遭われたら,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。
【コラム】:慰謝料(4)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
1 死亡慰謝料
(1)その他
② 子供,幼児等
・ 事故時妊娠17週の妊婦が,追突事故の1ヶ月半後に体重533グラムの超未熟児として出産した子(死亡時生後7か月)につき,超未熟児であったためライ症候群により死亡したことと事故との間の因果関係を認め,本人分2000万円,父母各100万円,合計2200万円を認めた。
・ 女児(3歳)につき,まだ死の意味すら十分に理解しかねる幼少の身で突然の死を余儀なくされたこと,突然に幼子を失った父母や近親者らにおいてその死を受容しかね呻吟する有様が顕著であることから,本人分2200万円,父母各300万円,合計2800万円を認めた。
・ 男児(3歳)につき,加害者である宅配業者が配達のため被害者宅を訪ねたが,被害者から母親が入浴中と聞いて帰ろうとした際に,追いかけてきた被害者を配達用者両で轢いたという事故態様から過失相殺を否定し,本人分2000万円,父母各300万円,事故を目撃した兄(4歳)200万円,合計2800万円を認めた。
・ 小学生(男・6歳)につき,本人分2200万円,父母各200万円,同居の祖母50万円,兄弟3名各30万円,非同居の祖父母各30万円,合計2800万円を認めた。
・ 女児(5歳)につき,本人分2400万円,父母各300万円,弟100万円,合計3100万円を認めた。
・ 女児(5歳)につき,本人分2200万円,父母各300万円,姉100万円,合計2900万円を認めた。
・ 男児2名(6歳と9歳)につき,加害者が音楽のリズムに合わせて車体を左右に振るべく右に急ハンドルを切ったところ,大きく車体が右側に向き進行制御を失って滑走して歩道上に乗り上げ,歩道上で信号待ちのために立っていた被害者らと衝突したこと等を考慮し,それぞれ本人分2400万円,父母各200万円,合計2800万円を認めた。
・ 小学生(男・9歳)につき本人分として2400万円を,両親は突然小学生の被害者を失い,未だショックを癒やすことができない生活を送っており,兄2名も当時中学1年と小学5年という時期に突然弟を失い,また母親が被害者と一緒にいた兄を責めるなど,多大な苦痛を被っていること等から,父母各300万円,兄2名各150万円,合計3300万円を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
慰謝料は,ご遺族の過ごしてきた関係,どれだけ愛情をもって接してきたかによって大きく増加いたします。
個々のご遺族の無念さを考慮した慰謝料額で解決をすることが大切になりますので,適正な慰謝料での解決実績が豊富な,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。
【コラム】:慰謝料(3)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
1 死亡慰謝料
(1)その他
① 独身の男女
・ 単身者(男・17歳・高校生)につき,本人分2200万円,父母各400万円,妹100万円の合計3100万円を認めた。被告がインターネットに原告らを誹謗する記事を書き込んだ点については,別訴が提起されていることに鑑み,交通事故訴訟の慰謝料の算定に当たっては考慮していない。
・ 単身者(男・31歳・スキューバダイビングインストラクター)につき,本人分1800万円,母400万円(922万円余りの扶養利益喪失の損害の他に),弟・妹・娘(離婚した妻が引き取り,毎月4万円の養育費を支払っている)各200万円の合計2800万円を認めた。
・ 単身者(男・19歳・大学生)につき,運転者及び会社のほか,運転者の極度の疲労状態を認識しながら乗車を止めさせなかった会社の運行管理者及びその代務者,適切な是正措置を行わなかった労務管理者にも不法行為責任を認め,死に至る態様が極めて凄惨で残酷なこと,居眠運転で追突したことなどから,本人分2500万円,父300万円の合計2800万円を認めた。
・ 単身者(男・31歳・会社員)につき,一人息子で父親の経営する会社を継ぐべき立場にあったことなどから,本人分2200万円,父母各300万円の合計2800万円を認めた。
・ 単身者(男・19歳・大学生)につき,加害者に救護義務違反があったが,第三者の通報により遅滞なく警察官が到着したとして,本人分2300万円,父母各250万円の合計2800万円を認めた。
・ 単身者(男・18歳・高校生)につき,母は夫と離婚した後被害者およびその妹の親権者として同人らを養育してきたこと,事故後も長期間にわたってその真相ないし実態の解明に努力してきたこと等から,本人分2200万円,母600万円の合計2800万円を認めた。
・ 単身者の姉妹(21歳・会社員,19歳・アルバイト)につき,両親が2人しかいない我が子を一度に失ったこと,はみ出し通行禁止場所において高速度での追越しをしようとした加害者の危険な運転態様等を総合し,本人分各2200万円,父母各600万円の被害者1人当たり合計2800万円を認めた。
・ 単身者(男・31歳・会社員)につき,希望していた鉄道会社に就職後,車掌としても真面目に勤務していたこと,父母思いの優しい息子であり,結婚を誓っていた交際相手もいたことなどから,2800万円を認めた。
・ 単身者(女・17歳・高校生)につき,本人分2500万円,父母及び妹各100万円の合計2800万円を認めた。
・ 単身者(女・15歳・中学生)につき,本人分2200万円,父母各250万円,祖父母・姉妹3名各120万円の合計3300万円を認めた。
・ 単身者(男・19歳・高卒後アルバイト,約1年後に同族会社に勤務予定)につき,加害者が刑事事件手続や民事事件原審まで過失がない旨不合理な弁解を続けていたことを勘案し,本人分2200万円,父母各300万円の合計2800万円を認めた。
・ 単身者(男・19歳・大学生)につき,加害車両には最大積載量の3.4倍を超える積み荷が載せられていた上,加害車両に最大積載量を偽るステッカーを貼るなどの過積載の態様も悪質であったこと等から,本人分と父分を合わせ2800万円を認めた。
・ 大学生(男・21歳・大学3年生)につき,慰謝料を増額するまでの事情はないとしたうえで,本人分2000万円,父母各400万円,姉200万円の合計3000万円を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
慰謝料は,ご遺族の過ごしてきた関係,どれだけ愛情をもって接してきたかによって大きく増加いたします。
個々のご遺族の無念さを考慮した慰謝料額で解決をすることが大切になりますので,適正な慰謝料での解決実績が豊富な,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。
【コラム】:慰謝料(2)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
1 死亡慰謝料
(1)母親,配偶者
・ 有職(公務員)主婦(30歳)につき,横断歩道上を歩行中の事故で,事故後帝王切開により分娩した後,死亡したことを勘案し,夫1500万円,子2人各750万円,父母各100万円,合計3200万円を認めた。
・ 有職主婦(53歳)につき,運転者及び会社のほか,運転者の極度の疲労状態を認識しながら乗車を止めさせなかった会社の運行管理者及びその代務者,適切な是正措置を行わなかった労務管理者にも不法行為責任を認め,死亡に至る態様が極めて凄惨で残酷なこと,居眠運転で追突したことなどから本人分2700万円,子2人各200万円,母100万円,合計3200万円を認めた。
・ 主婦(39歳)につき,本人分2200万円,夫及び子各200万円,父母各100万円,合計3000万円を認めた。
・ 主婦(39歳)につき,本人分2200万円,夫250万円,子250万円,両親各150万円,合計3000万円を認めた。
・ 主婦(55歳)につき,本人分2400万円,夫及び子各200万円,父母各100万円,合計3000万円を認めた。
・ 専業主婦(42歳)につき,一つの事故で2歳の子(次男)もほぼ同時期に死亡したこと等を考慮し,母親本人2400万円,次男本人分2000万円,夫400万円,長男400万円,合計5200万円を認めた。
・ 家業を手伝う主婦(59歳)につき,本人分2400万円,夫200万円,子3人各100万円,両親各50万円,合計3000万円を認めた。
・ 専業主婦(34歳)につき,本人分2200万円,夫200万円,子2人各200万円,実父母と義父母各20万円,合計2880万円を認めた。
・ 有職主婦(32歳)につき,加害者が公判廷で謝罪したいと述べながら結局謝罪せず,さらに裁判所から示唆を受けたにもかかわらず謝罪しなかったことなどから,本人分2400万円,夫200万円,両親各150万円,合計2900万円を認めた。
・ 保育士(女31歳)につき,本人分2500万円,夫200万円,子200万円,父母各100万円,合計3100万円を認めた。
・ 主婦(70歳)につき,本人分2400万円,夫200万円,子2人各100万円,合計2800万円を認めた。
・ 高次脳機能障害(9級)の兼業主婦(65歳)が,脳損傷に起因する希死念慮を伴ううつ病に罹患して自殺した場合に,傷害慰謝料240万円,後遺障害慰謝料690万円のほか,死亡慰謝料につき,2200万円を認めるのが相当とした上で,2200万円から690万円を控除しった1510万円について,自殺に対する寄与度減額(50%)を行い,755万円を認めた。
・ 事故の7日後から病院臨時職員(雇用期間6か月,更新あり)に採用が内定しており,小学生の子2人と同居して養育する家事専従者(女・事故時32歳,死亡時33歳)につき,傷害分17万円のほか,本人分2400万円,子2人各200万円,合計2800万円を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
慰謝料は,ご遺族の過ごしてきた関係,どれだけ愛情をもって接してきたかによって大きく増加いたします。
個々のご遺族の無念さを考慮した慰謝料額で解決をすることが大切になりますので,適正な慰謝料での解決実績が豊富な,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。
【コラム】:慰謝料(1)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
1 死亡慰謝料
死亡慰謝料の金額は,具体的な斟酌事由により増減されるべきとされていますが,目安としては,①一家の支柱2800万円,②母親,配偶者2500万円,③その他(独身の男女,子供,幼児等)2000万円~2500万円とされています。死亡慰謝料の総額となっていますので,配分については,遺族間の内部の事情を斟酌して決めます。
(1)一家の支柱
一家の支柱とは,主として一家の生計を維持している人のことで,それ以外の人に比べて高い死亡慰謝料が認められています。
・ 1つの事故で両親が死亡した事案において,遺児2人(9歳と6歳)に各2800万円を認めた。
・ 高齢の親を扶養していた大学教授(男・独身)につき,本人分2400万円,母,妹と2人の弟に各150万円,合計3000万円を認めた。
・ 男性(57歳)につき,相続放棄した妻300万円,子2人に各150万円を認めたほか,相続財産管理人の請求に係る本人分として2500万円,合計3100万円を認めた。
・ 娘が9歳のときに離婚し,以降17歳になるまで扶養してきた兼業主婦(49歳)につき,本人分2600万円,娘400万円,合計3000万円を認めた。
・ タクシー乗務員(男・52歳)につき,本人分2600万円,妻200万円,子2人(いずれも成人)各100万円,合計3000万円を認めた。
・ 外資系会社員(男・38歳)につき,本人分2800万円,妻200万円,子2人各100万円,合計3200万円を認めた。
・ 大手監査法人勤務職員(男・34歳)につき,本人分3000万円,妻200万円,父母各100万円,合計3400万円を認めた。
・ 1つの事故で生後11ヶ月の長男とともに死亡した男性(21)歳につき,本人分2800万円,妻400万円,両親に各100万円,合計3400万円を認めた。
・ 無報酬の取締役(男・66歳・年金・配当収入あり)につき,本人分2500万円,妻300万円,子2人各100万円,合計3000万円を認めた。
・ 会社員(男・46歳)につき,本人分2800万円,妻250万円,子2人各100万円,合計3250万円を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
慰謝料は,ご遺族の過ごしてきた関係,どれだけ愛情をもって接してきたかによって大きく増加いたします。
個々のご遺族の無念さを考慮した慰謝料額で解決をすることが大切になりますので,適正な慰謝料での解決実績が豊富な,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。
【コラム】:魔の時間帯の交通死亡事故に注意
秋から冬にかけて,午後5時から7時は交通事故の発生が多く,「魔の時間」と呼ばれています。
愛知県警察が作成している「交通事故防止のPOINT」によると,平成30年から令和4年までの5年間の10月は,全時間帯に比べ,魔の時間では,歩行者,高齢者,横断中の交通死亡事故が多く発生していることが分かります。
https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/202310point.pdf
また,11月は交通事故死者数が年間で最多となっていますので,引き続き魔の時間の交通事故に注意が必要です。
https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/202311point.pdf
ドライバーは早めの前照灯点灯(10月は16時半が目安です)と,速度を落とした運転を心がけること,歩行者は横断歩道を利用し,横断時は左右の安全確認を行うことが大切です。
歩行者が被害に遭う交通事故は,衝撃が生身に伝わるということもあり,死亡事故や重篤な障害が残る事故につながりやすくなります。
自動車と歩行者が衝突した場合,衝突時の速度が時速30kmを超えると歩行者の致死率が急に上昇し,その後も速度が上がれば上がるほど死亡率は上昇するといわれています。
生活道路では制限速度を時速30kmに設け,安全対策を行っている地域も増えてきていますので,速度規制のある道路では速度を遵守し,横断する歩行者に注意しましょう。
なお,過失割合は,おおむね時速15km以上30km未満の速度違反で著しい過失,おおむね時速30km以上の速度違反で重過失となります。横断歩道や交差点の近くでもない場所における横断歩行者と四輪車の事故の基本の過失割合は,歩行者:車=20:80ですので,制限速度30kmの道路で時速60kmで運転していると,重過失となり,過失割合は,歩行者:車=0:100になります。
死亡事故や後遺障害が残存した場合,逸失利益(生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のこと)が支払われますが,就労可能年数(67歳)までの年数が長いほど逸失利益は高額となります。
ただし,67歳を超えている方や67歳までの年数が簡易生命表の平均余命の2分の1よりも短くなる被害者については,原則として,平均余命の2分の1の年数となります。
逸失利益は,一般的に,死亡事故や後遺障害の賠償項目でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で算定することが大切です。
死亡事故や重篤な障害が残る事故は賠償額が高額となるため,専門的知識と豊富な解決実績のある交通事故に強い弁護士に相談することが重要になります。
【コラム】:消極損害その3 死亡逸失利益(26)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
消極損害その3 死亡による逸失利益
8.扶養利益喪失等
・ 政府が自賠法72条に基づき,死亡被害者の内縁の配偶者にその扶養利益の喪失に相当する額を支払い,その損害をてん補したときは,右てん補は相続人にてん補すべき死亡被害者の逸失利益の額から控除すべきであるとした。
・ 内縁の夫の死亡事故について,内縁の夫の相続人(先妻との間の子)が受領した死亡損害賠償金のうち逸失利益の3分の2が内縁の妻の扶養利益分を侵害し,不当利得に当たるとして,内縁の妻から相続人に対する不当利得返還請求を認めた。
・ 10年以上にわたり内縁関係にある妻につき,被扶養利益喪失による損害として,内縁の夫の死亡逸失利益の50%を認めた。
・ スキューバダイビングのインストラクター(男・31歳)につき,離婚した妻との間に法定相続人となる長女がいるが,事故当時,被害者は母と同居して月額5万円程度の生活費を渡していたことから,母の喪失した被扶養利益を月額5万円とし,母の平均余命まで30年間分を母固有の損害と認め,長女の相続すべき被害者の逸失利益から控除した。
・ 相続放棄した被害者(男・54歳・会社役員)の同居の妻及び別居の実母につき,被害者が妻に自宅マンションの家賃及び生活費を交付していたこと,被害者の自宅近くに呼び寄せた実母の家賃のうち少なくとも4万円ないし5万円程度を負担していたことなどを考慮し,扶養逸失利益として,妻につき被害者の40%,実母につき15%を認めた。
・ 被害者(男・63歳)と約29年にわたりほぼ住居を同一として生活し内縁関係にあった女性につき,重婚的内縁関係は保護に値しないとの反論を,遅くとも同人が被害者と同居を始めた頃には,被害者と配偶者との間で夫婦としての関係が継続していたとは窺われず,婚姻関係が実質上破綻していたものとして退けた。被害者は,事故当時,収入からマンションの家賃,水道光熱費を負担し,生活費を女性に渡していたこと,マンションは被害者の本拠でもあり,また,女性に渡された生活費は被害者の生活のためにも費消されていること等から,被扶養利益を月額6万円とし,扶養請求権侵害として,被害者の平均余命の2分の1である10年間認めた。
・ 被害者(女・61歳)と約28年間同居し内縁関係にあった男性につき,法律上の配偶者と事実上の離婚状態にあったとはいえないとの反論を,被害者と同居後別居状態が継続していた等から退けた。被害者は,家事に従事するとともに和菓子屋でアルバイトをし,男性は自らの年金とともに被害者のアルバイト収入で生活していたこと等から,被扶養利益として賃金センサス女性学歴計60歳から64歳平均を基礎に,生活費控除率30%,平均余命の半分の13年間として算定した額の3分の1を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,3年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
特に死亡逸失利益は,賠償項目の中でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で請求することが大切になります。
保険会社から提示される金額は上記算定方法の金額を大きく下回りますので,適正な死亡逸失利益での解決実績が豊富な,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。