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【コラム】:物損(1)

2025-02-21

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,車の修理代金や代車使用料などの物損もあります。
 なお,自賠責保険は人身事故のみ対象としており,物損事故による損害は対象外となるため,物損事故による損害は,加害者または加害者が加入している保険会社に請求することになります。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

1.修理費
修理費が相当な場合,適正修理費相当額が認められます。修理費は,加害者が加入している保険会社の担当者と修理業者とで協議して,交通事故による破損の範囲を確定し,どの程度の修理が必要なのかを決定します(この作業を「協定」といいます)。
修理費が,車両の時価額(+買い替え費用)を超える場合は経済的全損となり,修理費用ではなく,時価額(+買い替え費用)が損害となります。
また,修理費は,修理を実際に行っていなくても,修理費相当額の損害を受けたとして請求できます。

(1)修理の範囲
・ 車両事故で,部品取替えの方が経済的である等の理由がない以上,鈑金修理(3万2540円)によるべきであるとされた。
・ 購入後約2年のキャデラックにつき,すでに色褪が生じており,全塗装(219万7082円)では過大な費用をかけて原状回復以上の利益を得させることになるとして,部分塗装の修理費174万7590円を認めた。
・ 事故によってクレーン先端部分が潰れたクレーン車につき,鈑金修理で足りるとする加害者の主張に対し,溶接補強等による方法ではクレーンの安全性につき疑問なしとしない上,仮に安全性の点で問題ないとしても被害車両の交換価値の十分な回復には至らないとして,部品交換による修理費用として266万円余を認めた。
・ キャンディ・フレーク塗装が施された普通貨物自動車の左後輪後方の車体側面に長さ十数センチメートルの擦過痕が生じた事案について,全塗装の必要性を認めた原判決(修理費294万6910円)を変更し,キャンディ塗装の補修も原則部分塗装で行うものとされ,キャンディ塗装の補修塗装技術も一般的に多用されている3コートパール塗装に類似するものであるとし,特別な色で色合わせが困難であるとしても,面が切り替われば見え方が変わることを踏まえれば,隣接したパネルには,広範囲のぼかし塗装の範囲を取ることで最大にみても,同一面である左側面の全範囲を塗装することで足りるとして35万7000円の修理費を認めた。
・ ランボルギーニのカーボン製バンパーについて,交換修理の必要性を認めず,積層作業による修理費136万9440円を損害と認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 物損事故の場合,被害者の加入している車両保険を使用して解決する方もいらっしゃいますが,等級が下がり翌年からの掛け金が高くなります。被害車両の損害状況や過失割合によっては車両保険の使用をお勧めすることもありますが,弁護士費用特約を使用し,弁護士が加害者と交渉することで,適正な賠償額を回収することができます。弁護士費用特約は使用しても等級が変わらず,翌年からの保険料も変わりません。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は物損の解決実績も多くありますので,車両保険を使用して高くなった保険料を払うか,弁護士費用特約を使用して保険料が変わらずに解決できるか,ぜひ,一度ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(50)

2025-02-14

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(3)その他
  ③ 傷害事例
・ 取締役(非該当)につき,頚椎捻挫等で約16ヶ月の通院を余儀なくされ,成功をめざして準備に努めていた事業が頓挫した無念の思い等を考慮し300万円(うち120万円は通院分)を認めた。
・ 会社員につき,妊娠2週目に妊娠に気づかずレントゲン検査を受け人工妊娠中絶を余儀なくされたことの精神的打撃が大きかったとして,頸部・腰部挫傷で100万円(通院55日)を認めた。
・ 公務員につき,加害者であるタクシー会社の担当者が,被害者本人も代理人弁護士も通さず,被害者の勤務先に電話をし,被害者が代理人として弁護士を選任したことなどを非難する言動をしたことにつき,受忍限度を超える独自の不法行為として慰謝料20万円を認めた。
・ 夫経営の飲食店経営会社の取締役で調理担当者(非該当)につき,企業損害は否定したが,頚椎捻挫等により,事故70日後の最終通院日時点では未だ診療の継続が予定され,少なくとも翌日末までは痛みが継続したこと,被害者が稼働できず事故当日店舗を休業し,事故翌月と翌々月も事故前の約8割の売り上げで推移しており,休業の影響を脱していなかったと窺われ,この間の精神的苦痛が増大したと評価すべきこと等を考慮し,単に機械的に通院期間を基準に当てはめるのでは足りないとして,通院期間70日で130万円の通院慰謝料を認めた。
・ 無免許・居眠り運転の自動車が集団登校中の小学生の列に突っ込んだという事故態様,加害者の救護状況,被害者が事故後に不安感による外出困難となり不登校傾向が4年4ヶ月続いたこと等から,頭部打撲傷等及びPTSDで入院3日,通院4年4ヶ月(実日数88日)の小学生(事故時8歳)に傷害慰謝料300万円を認めた。
・ 派遣社員(50歳)につき,入院期間73日,通院期間100日,傷害が比較的重篤,被告加入の任意保険会社の対応により経済的不安に直面し仮払い仮処分の申立を余儀なくされた等の事情を考慮し250万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:愛知県内令和6年交通事故の特徴

2025-02-07

 警察庁によると,令和5年中の全国の交通事故死者数は2663人となり,前年より15人減少しています。
https://www.npa.go.jp/news/release/2025/20250107001jiko.html

 愛知県内の死者数は141人で,昨年より4人減少していますが,今なお多くの尊い命が交通事故で失われ,多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいらっしゃいます。
https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/kakuteisuu202412.pdf

 死者数を当事者別でみると,歩行者,自転車,バイクが前年に比べ増えています。自転車の死者のうちヘルメットの非装着は95%となっています。
 また,死者数を年齢層別にみると,65歳以上の高齢者は77人となり,死者数全体の約半数を占めています。
 その他,原付以上の信号無視,歩行者妨害が多発増加しています。

 自転車や歩行者が被害に遭う交通事故は,衝撃が生身に伝わるということもあり,死亡事故や重篤な障害が残る事故につながりやすくなります。
 死亡事故や後遺障害が残存した場合,逸失利益(生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のこと)が支払われますが,逸失利益は賠償項目でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で算定することが非常に重要となります。

 高齢者の場合は,仕事をされている方,家事従事者の方,年金を受給して生活されている方など様々な方がいますので,何を基準に逸失利益を算定するかが争点になることが多くあります。
 未就労者(学生,生徒,幼児)の場合は,労働能力喪失期間は原則18歳からとなりますが,大学卒業を前提とする場合は,大学卒業時となります。基礎収入は,若年労働者(事故時概ね30歳未満)として,全年齢平均の賃金センサスを用いるのが原則となっています。
 それ以外の方についても,給与所得者なのか,事業所得者なのか,会社役員なのか,家事従事者なのか,失業者なのか,その方によって算定方法が異なります。また,定年退職直後や生活保護を受給していた等の理由で事故当時は無職であっても,再就職の意欲と蓋然性があれば,死亡逸失利益を請求することができる場合もあります。
 死亡逸失利益は,一般的に,死亡事故の賠償項目でもっとも高額となりますので,適正な逸失利益を受け取るためには,実績のある交通事故専門の弁護士が交渉することが不可欠です。

弁護士法人しまかぜ法律事務所は,交通死亡事故の解決実績が豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(49)

2025-01-31

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(3)その他
  ① 死亡事例
・ 小学生(8歳)の死亡事故につき,不起訴処分に対し両親が真相究明を求め粘り強い努力をした結果,全容が解明されたとして,本人分2200万円,母400万円(父は相続放棄),合計2600万円を認めた。

② 後遺障害事例
・ 主婦(48歳,右肘開放骨折,右前腕皮膚壊死等7級相当)につき,症状固定までの傷害分300万円のほかに,症状固定後3年間の通院分50万円,後遺障害分1000万円を認めた。
・ アルバイト(固定時25歳,高次脳機能障害及び左片麻痺2級3号)につき,加害者の保険会社が依頼した調査事務所が追跡調査し,写真撮影が禁じられている施設内や被害者の自宅室内の姿まで写真・ビデオ撮影したのは社会通念上許容される限度を超えた不相当な行為であるとして,本人分2400万円,母300万円を認め,母の慰謝料については過失相殺しなかった。
・ 会社員(固定時36歳,脛骨開放骨折による下肢機能障害7級,下肢短縮13級の併合6級)につき,後遺障害分を1200万円とし,手術を受けたものの,左下肢の軟部組織の著しい欠損により観戦の危険が高く,長期間にわたる入院を要したほか,骨癒合にも長期間を要する中で骨髄炎を発症し,再度入院加療を要したことなどから,傷害分360万円を認めた。
・ 運転手(事故時29歳,右俣関節機能障害12級と右膝関節機能障害12級の併合11級,右下肢の短縮障害10級,右下肢の瘢痕14級の全体で併合9級)につき,右大腿骨粉砕骨折等で入院期間570日,通院期間1511日に及び,イリザロフ手術を含め多数回手術し,事故後,業務内容の変更を余儀なくされ,将来発症するかもしれない骨折の危険増加等の悪影響による精神的負担を抱えており,私生活でも配偶者に負担をかけるなどして,離婚に至ったことから,傷害分670万円を認めた。
・ 専業主婦(固定時26歳,右足関節機能障害10級,右下腿等瘢痕及び線状痕12級相当,左足瘢痕及び線状痕14級の併合9級)につき,事故後40分以上も右足を大型貨物自動車に礫過されたままという受傷内容,一度は足の切断が検討され,5度にわたる入院をした治療経過等から傷害分430万円,後遺障害800万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(48)

2025-01-24

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(2)被害者の親族が精神疾患に罹患した場合
・ 小学生(7歳)の死亡事故につき,本人分2500万円,自責の念に苛まれ悲しみのためカウンセリングを受ける必要があるまでに憔悴した母200万円の合計2700万円を認めた。
・ 小学生(8歳)の死亡事故につき,加害者は罰金前科3件,交通違反歴12件があり,過去2回の運転免許停止処分を受け,本件事故当時も3回目の運転免許停止中であったことから,本人分2250万円,事故を直接目撃しPTSDの診断・治療を受けた父300万円,事故後変わり果てた子の姿を目のあたりにしPTSDの診断・治療を受けた母300万円,弟の変わり果てた姿を目のあたりにし,その後,神経症等の精神疾患に罹患した姉150万円の合計3000万円を認めた。
・ 年金生活者(79歳)の死亡事故につき,本人分2000万円(入院11日の傷害分含む),被害者である父とサイクリング中に事故に遭遇し不眠等の精神症状が発症した同居の長女300万円,長男100万円の合計2400万円を認めた。
・ 祖父運転の乗用車に姉,従兄弟と同乗中の男児(6歳)につき,居眠り運転で中央線突破の普通貨物自動車に正面衝突され,同乗者3名を同時に失う悲惨な事故現場に遭遇し,不登校状態に陥ったこと,精神科医の心的外傷後ストレス障害の疑いで児童相談所における心理療法の継続が望ましいとの意見を示していること等から,慰謝料(ただし,男児が将来において心的外傷後ストレス障害の後遺症を残した場合の後遺症逸失利益及び後遺症慰謝料を除く精神的損害であって,被害者主張の傷害慰謝料158万円を含む)300万円を認めた。
・ 給与所得者(19歳)につき,本人分2300万円,被害者が3歳になった年から夫と別居,その後離婚し,高校を卒業し就職するまで2人で生活し,養育費の支払いがほとんどない中で養育し,被害者の死により,不眠,不安感,慈悲感などの死別反応の症状が見られ,神経症と診断され,通院加療を受けた母親400万円の計2700万円を認めた。
・ 年金生活者(66歳)につき,加害者に赤信号を看過した重大な過失があり,刑事裁判で不合理な供述・主張を続けたこと等に鑑みて,本人分2000万円,加害者の供述が一因となり双極性障害を発症し,勤務先を休職した子500万円,もう1人の子200万円の合計2700万円を認めた。
・ 大学生(死亡時21歳)の死亡事故につき,母は精神的に不安定になり,姉は心のバランスを崩し心療内科に通うようになったとして,本人分2000万円,父母各400万円,姉200万円の合計3000万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(47)

2025-01-17

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(2)被害者の親族が精神疾患に罹患した場合
・ 被害者(生後6か月)の死亡事故につき,加害者の無免許運転が事故発生の大きな原因であること,不妊治療を受けてようやく出生した子であること,乳母車に乗った子が飛ばされ道路に投げ出される光景を直接目撃した母親がPTSDと診断され今後も治療を継続する必要があること等を考慮し,本人分2100万円,父300万円,母600万円の合計3000万円を認めた。
・ 中学生(12歳)の死亡事故につき,両親が極めて大きい精神的苦痛を受け,母は現在も精神科へ通院していること,加害者が脇見運転という重大な過失により被害者を死亡させながら刑事裁判において不合理な弁解に終始したこと等の事情を考慮し,本人分2000万円,父150万円,母350万円の合計2500万円を認めた。
・ 小学生(9歳)の死亡事故につき,事故直後に被害者の悲惨な状態を目撃した母のPTSD罹患による休業損害等は否定したが母親の精神的打撃が深刻で現在に至るまで継続していること等を考慮し,本人分1800万円,父200万円,母600万円の合計2600万円を認めた。
・ 専門学校生(19歳)の死亡事故につき,母が厳密にはPTSDではないとしても,被害者が悲惨な状況で死亡したことから長期の治療を要する抑鬱的精神症状を呈していること等を考慮し,本人分2000万円,父200万円,母300万円の合計2500万円を認めた。
・ 大学生(20歳)の死亡事故につき,本人分2200万円,息子を失った喪失感等から四十九日が過ぎた頃から精神的に不安定となって自殺を図り,精神科に入退院を繰り返し障害等級2級の障害者手帳の交付を受けている母300万円,父150万円の合計2650万円を認めた。
・ 小学生(7歳)の死亡事故につき,職業ドライバーの信号無視などから,本人分2500万円,父親300万円,心因性のうつ状態を呈し外傷性ストレス障害との診断を受け心療内科への通院を余儀なくされた母400万円の合計3200万円を認めた。
・ 小学生(10歳)の死亡事故につき,本人分2200万円,父母各200万円,姉が目前でトラックに礫過されて死亡するのを目撃し,事故後自動車を恐れ,学校を休みがちになり,姉を助けられなかった自責の念からフラッシュバックや回避行動がみられ,強い不安,抑うつ,不眠等の症状によりプレイセラピーを受け,重度ストレス反応と診断を受けた妹400万円の合計3000万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(46)

2025-01-10

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(1)加害者に故意もしくは重過失(無免許,ひき逃げ,酒酔い,著しいスピード違反,ことさらに信号無視,薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転等)または著しく不誠実な態度等がある場合
  ③ 傷害事例
・ 顔面打撲等により期間2か月半(実日数15日)通院した会社員(事故時31歳)につき,被害者に過失がないこと,警察官から目撃者の供述内容を聞いていながら責任を否定し続け,もって被害弁償がなされなかった可能性もあった加害者の態度等を考慮して,70万円を認めた。
・ 加害者の飲酒の上での一方的過失による事故であること,加害者が事故後被害者を救護等せずに現場から逃走したことから,頚椎捻挫,左膝打撲の通院慰謝料(通院期間6か月,実日数70日)140万円を認めた。被害者の加害者らに対する犯人隠避教唆に基づく損害賠償請求について,別途慰謝料50万円が認められている。
・ 徒歩で横断中にクラクションを鳴らされた会社員(事故時41歳)が加害車両へ近づいたところ,加害者が車両を発進衝突させ,被害者をボンネットに乗せたまま12メートル進行し,路上に転落させ,頭部挫傷,左下腿・左手打撲傷を負わせたことにつき,暴行傷害の故意があったこと,事故後逃走したこと等から通院76日分として傷害分130万円を認めた。
・ 左肋骨骨折等で約4か月半(実日数15日)通院した女性(年齢不詳)につき,加害者(事故時18歳)が直ちに110番通報等をせず,母親に身代わりを相談する電話を掛け続け被害者の安否を確認しなかったこと,警察官に運転者は母親であると説明したこと等を考慮して,傷害慰謝料120万円を認めた。
・ 被害者(54歳)につき,事故後に加害者が被害者に対し,繰り返し当たり屋だなどと言ったこと,加害者が事故現場から立ち去ったこと等を考慮し,通院期間7ヶ月の慰謝料85万円に20万円を増額し,105万円の通院慰謝料を認めた。
・ 非接触事故による腰部挫傷等で153日間通院した男子自営業(年齢不詳)につき,加害者が被害者の状況確認・警察への連絡をせずに事故現場を立ち去り,訴訟まで関与を否定し,本人尋問でも記憶に基づくものか疑義のある供述をしたこと等を考慮し,傷害分90万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:年末年始の交通事故にお気を付け下さい

2024-12-26

 愛知県警察によると,令和6年12月25日現在,交通事故による死者数は138人となっています。昨年より減少しているものの,愛知県内では,例年,12月が交通死亡事故が最も多くなっていますので,年末に向けて,更なる安全運転が求められます。
https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/jikonippou/documents/koutsuushibouzikonippou241225.pdf

 また,強烈な寒波により大雪となっている地域があります。年末年始にかけても引き続き大雪の予報が出ている地域がありますので,帰省やレジャーなどで車を運転される方は,最新の情報を確認した上で,スリップ事故や立往生に注意し,安全運転を心がけてください。

 普段あまり雪が降らない地域に住んでいる場合,冬用のタイヤを用意していないことも多いですが,ノーマルタイヤで雪道を走行する行為自体が交通違反となります。
 また,大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪があるときには「チェーン規制」が発令されますが,「チェーン規制」が発令された場合は,スタッドレスタイヤをつけていたとしても、その上からチェーンを装着しないと走行できません。
 雪道であるにもかかわらず冬用のタイヤやチェーンを装着していない場合は,事故発生時,過失割合が加算される場合がありますので,注意が必要です。

 では,もし年末年始に交通事故の被害に遭ったら,どうすれば良いでしょうか。
 交通死亡事故の場合,お亡くなりになられた方が一家の大黒柱ですと,早急な金銭的サポートが必要になることもあります。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所では,直接,自賠責に保険金を請求し,まず自賠責の範囲内で保険金を獲得し,最終的に弁護士基準との差額を請求しています。2段階の手続きを行うことで早急な金銭回収が可能となり,ご遺族が生活費等でお困りになる危険を回避します。
 ご家族が死亡事故に遭われお困りの方は,ぜひ,早期にご相談ください。

 お怪我をされた場合,年末年始は医療機関が休診していたり,忙しくて医療機関に受診ができない,交通事故から数日後に痛みが生じたなど,気づいたときには事故から2週間以上経過していることもあります。
 この場合,相手方の保険会社やご自身が加入している人身傷害保険に対して,医療機関への受診を希望しても,事故から2週間以上経過している場合は,初診遅れによる因果関係なしと治療費の対応を拒絶されることがほとんどです。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所では,初診遅れで治療費の対応を拒絶された場合,初診遅れの意見書を添付の上で,直接,自賠責に治療費や慰謝料などを請求し,保険金を回収しています。

 また,後遺症が残る事案では,保険会社からの賠償額の提示を待ってから弁護士に相談していては遅い場合があります。
 いつ依頼されても弁護士の費用に変わりはありませんので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,早期にご相談ください。

 その他,交通量が増えることで,「あおり運転」の被害に遭う可能性もあります。
 もし,「あおり運転」の被害に遭ったら,まずは,サービスエリアやパーキングエリア等,交通事故に遭わない場所に避難して,警察に110番通報をしてください。また,「あおり運転」の加害者から暴行を受けないように,車のドアや窓をロックし,車外に出ないようにしましょう。
 車が損傷したり,事故によってケガをした場合は,損害賠償を請求することができます。
 「あおり運転」の立証には,ドライブレコーダーが有効になりますので,ドライブレコーダーの取付をお勧めします。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所では,ドライブレコーダーや事故の現場図を分析して,「あおり運転」に伴う正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしていますので,お困りの方は,ぜひ,ご相談ください。

 

【コラム】:慰謝料(45)

2024-12-23

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(1)加害者に故意もしくは重過失(無免許,ひき逃げ,酒酔い,著しいスピード違反,ことさらに信号無視,薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転等)または著しく不誠実な態度等がある場合
  ③ 傷害事例
・ 加害者に飛び出しを咎められたが,加害者が酒に酔っていたので無視した保母を加害者が追跡し追突した事案で,追突は車間距離不保持が原因とし,危険な態様の追跡で多大な恐怖感を与えたとして,頸部挫傷等の傷害慰謝料50万円(通院107日,実日数28日)を認めたほか,交通事故惹起時点までの不法行為に対する損害賠償として被害者本人に25万円,同乗者に15万円を認めた。
・ 事故により全治一週間の被害を受け1日通院で全治したが,事故直後,加害者が被害者を現場に放置したまま走り去ったため,傷をおして追跡し立ち会い等をした被害者につき,20万円を認めた。
・ 頚椎捻挫,両膝打撲で入院9日間,通院期間146日(実日数15日)の傷害を負ったラーメン店手伝いにつき,加害者が過失の存在を強く争い,全く損害の補填がされていないこと,加害車両の修理に関しても,加害者は被害者の要求にもかかわらず被害者に損傷個所の確認や損傷個所の写真を送付することなく一方的に修理してしまったこと等を考慮して65万円を認めた。
・ 全身打撲,頸部挫傷等で事故から約1年9か月(実日数174日)通院した大学勤務につき,加害者が赤信号無視で交差点に進入したが捜査機関に青信号であったと故意に虚偽の供述をしたため,被害者が被疑者として取り調べを受け,胃炎,円形脱毛症等を発症したことも考慮し,慰謝料200万円を認めた。
・ 追突事故による頚椎捻挫等で約4ヶ月通院した飲食クラブフロント主任につき,加害者が無過失を主張し,信用できない解析を証拠として提出するなどしたため紛争解決までの期間が著しく長期化したこと等を考慮して80万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(44)

2024-12-13

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(1)加害者に故意もしくは重過失(無免許,ひき逃げ,酒酔い,著しいスピード違反,ことさらに信号無視,薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転等)または著しく不誠実な態度等がある場合
  ② 後遺障害事例(2)
   ・ 中学生(14歳,遷延性意識障害等別表第1の1級1号)につき,加害者が事故前,飲酒するのを分かっていながら自動車を運転して宴会場に行って自制せずに飲酒し,帰宅時には代行か家人を呼んで帰るように言われていたにもかかわらず運転したことから,傷害分500万円のほか,本人分3000万円,両親各400万円,後遺障害分合計3800万円を認めた。
・ 第一腰椎圧迫骨折で入院期間128日,通院期間338日の特許事務職員(固定時48歳,11級7号)につき,加害者が捜査段階において,事実と異なる自らにとって有利な内容の調書が作成されたことを認識しながらこれを放置していたとの適切さを欠く対応をし,被害者が加害者に対して不信感,不快感を抱かざるを得ない状況にしたこと,加害者が遅れながらであるが病院の個室利用料の差額の一部等を支払っていること等を考慮し,入院期間を基にする通常の慰謝料額より加算した315万円とするのが相当とした。
・ 生活保護受給者(73歳,遷延性意識障害等別表第1の1級1号相当,事故の302日後に死亡)につき,約10ヶ月の入院慰謝料306万円のほか,加害者は救助せず逃走し,刑事公判手続でも事故を起こしたことを否認し,飛んできた段ボールの箱にぶつかったなどど被害者を冒涜するような不合理な弁解をして反省の態度を見せていないこと,そのため被害者は任意保険による被害弁償を一切受けられなかったことなど不誠実な対応を加味すると,相応の増額がされてしかるべきであるとして,本人分3000万円,非同居の子2人の固有慰謝料各100万円,後遺障害分合計3200万円を認めた。
・ 兼業主婦(固定時47歳,高次脳機能障害9級,顔面等の醜状等併合9級の併合8級相当)につき,加害者が飲酒運転発覚を免れるため職務質問を無視して発進し,追跡を振り切るため時速約135km(法定速度時速60km)で走行したという極めて危険な運転をし,故意にも比肩すべき重過失があること,衝突後もアクセルを踏み続け逃走を図ろうとしたと窺われ,何らの救護措置もとらなかったことから,傷害分277万円のほか,症状痕に対する逸失利益を認めないこと,加害者の悪質性を考慮し後遺障害分1100万円を認めた。
・ 立体駐車場保守点検業(固定時55歳)につき,加害者が飲酒した上,ゲームをプレイするためにスマートフォンを脇見していた悪質性により,傷害慰謝料(入院期間9日間,通院期間511日)を226万円とし,同悪質性に加え,頚部等の痛み等,嗄声構音障害等という系統を異にする14級相当の後遺障害が2つあることから,後遺障害分180万円を認めた。
・ 会社員(固定時49歳,両目視力障害等併合2級,しびれ,吐き気,痛み,全身倦怠感等3級,右眼右側組織陥没7級,心機能障害等併合10級ほかから併合1級,入院中に一時心肺停止)につき,加害者が無免許かつ覚醒剤を使用した状態で事故を引き起こした上,救護義務を果たさずに逃走したという事故の悪質さ等考慮し,傷害分400万円のほか,本人分3300万円,妻200万円,娘100万円,後遺障害分合計3600万円を認めた。を

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

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