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【コラム】:連休中の交通事故にご注意ください

2024-04-26

 愛知県警察が作成している「交通事故防止のPOINT」によると,令和元年から令和5年までの5年間の大型連休中の交通事故の死者数は23人となっています。
 年齢別で見ると高齢者が65%となっています。当事者別では歩行者が最多,事故類型別では横断中及び単独事故多くなっております。
 連休中は,帰省,レジャー,買い物等で外出する機会が増えますので,出かける際は無理のない運転計画を立て,スピードを控えるなど安全運転を心がけることが大切です。特に高齢者の事故が多いので,高齢者を見かけたら,速度を落とし安全な距離を保つなど,思いやりを持った運転をしましょう。
 https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/202405point.pdf

 では,もし連休中に交通事故の被害に遭ったら,どうすれば良いでしょうか。
 交通死亡事故の場合,お亡くなりになられた方が一家の大黒柱ですと,早急な金銭的サポートが必要になることもあります。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所では,直接,自賠責に保険金を請求し,まず自賠責の範囲内で保険金を獲得し,最終的に弁護士基準との差額を請求しています。2段階の手続きを行うことで早急な金銭回収が可能となり,ご遺族が生活費等でお困りになる危険を回避します。
 ご家族が死亡事故に遭われお困りの方は,ぜひ,早期にご相談ください。

 お怪我をされた場合,連休中は医療機関が休診していたり,忙しくて医療機関に受診ができない,交通事故から数日後に痛みが生じたなど,気づいたときには事故から2週間以上経過していることもあります。
 この場合,相手方の保険会社やご自身が加入している人身傷害保険に対して,医療機関への受診を希望しても,事故から2週間以上経過している場合は,初診遅れによる因果関係なしと治療費の対応を拒絶されることがほとんどです。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所では,初診遅れで治療費の対応を拒絶された場合,初診遅れの意見書を添付の上で,直接,自賠責に治療費や慰謝料などを請求し,保険金を回収しています。

 また,後遺症が残る事案では,保険会社からの賠償額の提示を待ってから弁護士に相談していては遅い場合があります。
 いつ依頼されても弁護士の費用に変わりはありませんので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,早期にご相談ください。

 その他,交通量が増えることで,「あおり運転」の被害に遭う可能性もあります。
 もし,「あおり運転」の被害に遭ったら,まずは,サービスエリアやパーキングエリア等,交通事故に遭わない場所に避難して,警察に110番通報をしてください。また,「あおり運転」の加害者から暴行を受けないように,車のドアや窓をロックし,車外に出ないようにしましょう。
 車が損傷したり,事故によってケガをした場合は,損害賠償を請求することができます。
 「あおり運転」の立証には,ドライブレコーダーが有効になりますので,ドライブレコーダーの取付をお勧めします。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所では,ドライブレコーダーや事故の現場図を分析して,「あおり運転」に伴う正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしていますので,お困りの方は,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(19)

2024-04-19

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

3 後遺症
(1)被害者本人の後遺症慰謝料
  ⑫ 12級の事例(2)
   ・ 被害者(固定時9歳,左顔面裂傷等で約8年4か月の治療後に顔面醜状,線状痕2ヵ所12級)につき,加害者が飲酒して居眠り運転により事故を起こしたこと,被害者が皮膚移植の手術を繰り返したことを考慮し,傷害分222万円,後遺障害分784万円を認めた。
   ・ 塗装会社代表者(固定時67歳,左肩関節の可動域制限,左肩関節の筋力低下,上腕骨頭の約3分の1の欠損12級)につき,350万円を認めた。
   ・ 被害者(固定時43歳,左脛骨骨折後変形治癒12級のほか左膝関節の疼痛及び不安定が残存)につき,本件事故による骨折の手術中MRSAに感染し,左膝化膿性慢性骨髄炎といういつ再発するか分からない疾患を抱える状態となったことを考慮し,傷害分450万円,後遺障害390万円を認めた。
   ・ 移動式クレーン運転士(固定時41歳,左肘関節の機能障害12級,左手関節痛14級,右膝痛14級の併合12級)につき,事故時まで約13年にわたり経験を積み技能を習得してきた移動式クレーン運転士としての稼働に対する支障が大きく,長年にわたって特化してきた労働能力を大きく失わせるものとして,20%の労働能力喪失率を認め,傷害分120万円のほか,後遺障害分420万円を認めた。
   ・ 解体業者(固定時55歳,左鎖骨骨折後の難治性疼痛12級)につき,痛みをはじめとした症状自体は相当に強いと考えられ,就労への現実的な影響も無視できず,少なくとも精神的苦痛に関しては,労働能力喪失率14%として考えられる平均的な事案(12級相当)を大きく上回るなどして,傷害分341万円のほか,後遺障害分400万円を認めた。
   ・ 高校生(固定時19歳,左足疼痛12級,左足瘢痕14級の併合12級)につき,固定後に大学医学部に入学し医師として就業する蓋然性が高いことを考慮し,基礎収入を女性医師の平均賃金として逸失利益を算定したほか,将来における医師としての進路選択に一定の影響を及ぼし得る程度のものであったことを考慮して後遺障害分390万円を認めた。
   ・ 主婦兼フラダンス教室経営(事故時43歳,左鎖骨骨折後の左鎖骨の変形障害)につき,自賠責保険では後遺障害に該当しないものの顔面に傷跡が残存したことや骨盤骨折等の影響で左足を少し引きずる等の自覚症状のため教室での指導がままならなくなったこと等に照らし,被告が争わなかった22年間14%の逸失利益を認めたうえで,多発骨折等で1071日間(うち入院97日)の傷害分350万円のほか,後遺障害分350万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,4年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(18)

2024-04-12

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

3 後遺症
(1)被害者本人の後遺症慰謝料
  ⑫ 12級の事例(1)
   ・ 女子中学生(事故時14歳,固定時18歳,顔面醜状12級)につき,67歳までの労働能力喪失14%の逸失利益を認めたうえ,傷害分100万円,後遺障害分550万円を認めた。
   ・ 主婦(固定時43歳,頑固な左上腕部痛等12級)につき,重度の肢体不自由児である子の訓練介護ができなくなり,子の身体機能に後退がみられるようになったこと,子に独自の慰謝料請求が認められないこと等を考慮して100万円を加算し,傷害分を含む500万円を認めた。
   ・ アルバイト(事故時20歳,右下肢醜状障害12級相当,左下肢醜状障害14級,右下肢機能障害非該当の併合12級)につき,ダイビングインストラクターを目指して専門学校を卒業して各種資格を有し,近い将来ダイビングインストラクターとして生計を立てうる可能性を相当程度有していた点を考慮して,労働能力喪失15%を15年間,次の10年間を同10%,その後10年間を同5%で認めたうえで,傷害分183万円,後遺障害分420万円を認めた。
   ・ 主婦(事故時61歳,唇右横の線状痕及び瘢痕12級,左第1ないし第5中足骨骨折に伴う骨折部の神経症状14級,右第4,第5中足骨骨折に伴う骨折部の神経症状14級の併合12級)につき,傷害分220万円,後遺障害分400万円を認めた。
   ・ 主婦兼警備員(44歳,右脚関節機能障害12級)につき,PTSDの主張は認められないが,事故後不安障害を発症し右脚関節障害の症状固定後も家事等に制限が生じたことを考慮し,傷害分170万円,後遺障害分380万円を認めた。
   ・ 板前(固定時51歳,足関節障害12級)につき,立位で行う職業に支障があるとして350万円を認めた。
   ・ アルバイト(固定時52歳,右環指障害12級)につき,プロのベース奏者として活動したことがあり,40歳を過ぎながらも一念発起して将来音楽で生計を立てることを目指し,定収入に甘んじながら,再度プロを目指し練習に励んでいたとして,350万円を認めた。
   ・ 主婦(固定時58歳,右股関節機能障害,右股関節痛12級)につき,傷害分280万円のほか,後遺障害の程度が10級に近いものであること,将来人工骨頭置換術を余儀なくされる可能性があることも考慮して,後遺障害分550万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,4年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:春の全国交通安全運動の実施

2024-04-04

 令和6年4月6日から同月15日までの10日間,春の全国交通安全運動を実施します。
 新年度は,新入学児童,学生や社会人等による不慣れな交通環境での交通事故や行楽などで人や車の動きが活発になることによる交通事故の危険性が高まります。
 https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/news/koutsu-s/R6harunounndou.html

 重点運動は,
 ・こどもが安全に通行できる道路交通環境の確保と安全な横断方法の実践
 ・歩行者優先意識の徹底と「思いやり・ゆずり合い」運転の励行
 ・自転車・電動キックボード等利用時のヘルメット着用と交通ルールの遵守
 になります。

 令和元年から令和5年までの5年間の交通死亡事故等を分析した結果,小学生の登下校中の死傷者は207人となっています。
 歩行者は6割以上が横断中の事故で,自転車は7割以上が出合い頭の事故になっています。
 https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/202404point.pdf

 こどもたちを事故から守るために,横断前に必ず左右をよく見て車が来ていないことを確かめて渡ること,信号無視,走行する車の直前・直後の横断をしないこと等,繰り返し交通ルールを伝えるとともに,大人も手本となるよう交通ルールを遵守することが大切です。
 また,ドライバーも横断歩道は歩行者優先であることを忘れず,「思いやり・ゆずり合い」の気持ちを持って運転しましょう。
 
 では,こどもが交通事故の被害に遭った場合どうすれば良いでしょうか。
 こどもが交通事故に遭った場合も,大人と同じように症状固定日までの治療費や慰謝料等が支払われます。
 また,入院付添費や,幼児や症状により一人での通院が困難な場合は通院付添費が認められることがあります。付き添いのために付添者が仕事を休んだ場合は,付添者の休業損害が支払われる場合もあります。
 その他,長期間の休学等によって進級遅れが生じた際の授業料や補習費,家庭教師,塾の費用等が損害として認められる場合もあります。
 
 後遺障害が認定された場合は,逸失利益が支払われますが,労働能力喪失期間は原則18歳からとなります。大学卒業を前提とする場合は,大学卒業時となります。
 また,基礎収入は,若年労働者(事故時概ね30歳未満)として,全年齢平均の賃金センサスを用いるのが原則となっています。
 
 こどもが交通事故の被害に遭ったら,身体が小さい分,受ける衝撃は大きく,死亡事故につながったり,重篤な障害が残ることも多くあります。
 死亡事故や重篤な障害が残った場合は,賠償額が高額となりますので,適正な賠償額を加害者から受け取るためには,実績のある交通事故専門の弁護士が交渉することが不可欠です。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は,こどもの交通事故について解決実績が豊富にありますので,こどもの交通事故についてお困りの方は,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(17)

2024-03-29

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

3 後遺症
(1)被害者本人の後遺症慰謝料
  ⑪ 11級の事例
   ・ 会社員(27歳,下顎神経障害12級,歯牙欠損12級,外貌醜状12級の併合11級)につき,未婚女性として多大な苦痛を受けることを考慮して500万円を認めた。
   ・ 主婦兼女優・ホステス(事故時38歳,歯牙障害13級,頸部痛や背部痛等14級,肩甲骨痛や上肢しびれ等12級,顔面の三叉神経麻痺12級の併合11級)につき,後遺障害の内容,眼瞼下垂などによりホステス業及び女優としての活動が困難になったこと,心理的なストレス,事故後の加害者側の対応等を考慮して590万円を認めた。
   ・ 勤務医(固定時37歳,頭部外傷後の記憶障害12級,複視12級の併合11級)につき,障害の内容,これに伴う日常生活への影響,本件事故の態様等を考慮して500万円を認めた。
   ・ 二輪車の国際A級ライセンスや優勝歴のあるドラッグレースプロレーサー兼会社員(固定時32歳,脊柱変形11級,頸肩痛14級の併合11級)につき,プロレーサーとして活動できなくなったことも考慮し,レーサーとして労働能力喪失率100%を8年間,会社員として10%を35年間の逸失利益を認めた上で,傷害分124万円,後遺障害分500万円を認めた。
   ・ 競輪選手(固定時34歳,脊柱の変形障害11級)につき,被害者が長年競輪選手になるという夢を抱き,その夢を努力の結果叶えて競輪選手として約8年にわたって活動してきたにもかかわらず,本件事故後,活動できなくなったことなど特別の事情を加味し,傷害分250万円,後遺障害分500万円を認めた。
   ・ 知能犯係刑事(固定時34歳,第11胸椎圧迫骨折による脊柱変形11級)につき,固定後も背部痛の軽減を目的として通院を続けていることを考慮し,傷害分242万円のほか,後遺障害分500万円を認めた。
   ・ 焼鳥屋店員(固定時29歳,嗅覚脱失12級,歯牙破折13級,顔面部醜状障害14級の併合11級)につき,嗅覚障害により将来の夢であった和食飲食店の開店を断念せざるを得なかったこと,調理人として生きていくことができなくなったことなどを考慮し,傷害分213万円余のほか,後遺障害分500万円を認めた。
   ・ 教諭(固定時51歳,第三腰椎圧迫骨折による脊柱変形11級)につき,傷害分200万円,後遺障害分500万円を認めた。
   ・ 施盤工(固定時39歳,右股関節機能障害12級,右下肢短縮13級の併合11級)につき,将来人工関節置換手術を受け一定期間入通院を要する可能性があることなどを考慮し,将来治療関係費等240万円余の他に傷害分360万円,後遺障害分450万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,4年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(16)

2024-03-21

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

3 後遺症
(1)被害者本人の後遺症慰謝料
  ⑧ 8級の事例
   ・ 被害者(10歳,右眼失明8級,頭部手術根(6.5cm×19.5cm)等)につき,1000万円を認めた。
   ・ 被害者(44歳,右膝関節障害10級,右脚関節障害12級,右下肢醜状障害12級の併合8級)につき,右大腿部開放骨折,右膝前後十字靱帯断裂で症状固定までの2170日間に415日入院,1254日通院したことから,傷害分440万円,後遺障害950万円を認めた。
   ・ アルバイト(19歳,人工肛門,骨盤骨変形等併合8級)につき,女性でありながら生涯にわたり人工肛門を装着しなければならないこと,骨盤骨の変形により通常分娩が困難であること,腹部等に複数の醜状痕を残していること等から,傷害分280万円,後遺障害分1200万円を認めた。
   ・ 小学生(事故時11歳,足指の機能障害9級,左足瘢痕12級の併合8級)につき,後遺障害の内容が多岐にわたり,かつ重篤で経過観察や継続治療を要し,今後も手術を繰り返す可能性があること,醜状のため素足になることが困難であることなどを考慮して,傷害分368万円,後遺障害分996万円を認めた。

  ⑨ 9級の事例
   ・ 会社代表者(固定時58歳,右股関節,右膝関節及び右脚関節の可動域制限準用10級,右足関節の変形12級,右下肢の短縮障害13級,右下肢の醜状痕・植皮術後瘢痕12級の併合9級)につき,750万円を認めた。
   ・ 会社員(固定時27歳,左肘関節の機能障害12級,右手指の関節機能障害11級,右脚関節の機能障害12級,右足指関節の機能障害11級,右下肢短縮障害13級,左手の痺れ等14級,左下肢の醜状障害14級,右下肢の醜状障害12級相当,PTSD14級の併合9級)につき,四肢に後遺障害があるにもかかわらず,右下肢のみで9級相当と評価される場合と同じ評価になり相当ではないとして,労働能力喪失率を45%としたうえで,傷害分570万円のほか,後遺障害分830万円を認めた。

  ⑩ 10級の事例
   ・ 被害者(8歳,右脚関節の機能障害,成長障害,左足関節部の植皮による瘢痕,採皮部・左肩甲部の瘢痕等11級)につき,傷害分140万円,後遺障害分560万円を認めた。
   ・ 看護師(固定時50歳,複視10級相当)につき,両眼の麻痺の場合には労働能力の喪失に与える影響は大であるとして,800万円を認めた。
   ・ 大学生(固定時22歳,左股関節機能障害12級,左膝関節機能障害12級,左足大腿部及び右脚大腿部の醜状障害12級の併合10級)につき,傷害分350万円,後遺障害分600万円を認めた。
   ・ 電車運転手(固定時45歳,右手関節機能障害12級,右足関節機能障害及び右母趾関節機能障害併合11級相当,左膝痛14級の併合10級)につき,逸失利益算定において減収が無いこと等から労働能力喪失率を定年60歳まで18%,以降67歳まで27%としたことを考慮して,傷害分250万円,後遺障害分800万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,4年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(15)

2024-03-14

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

3 後遺症
(1)被害者本人の後遺症慰謝料
  ⑦ 7級の事例
   ・ 海上自衛官(固定時27歳,鼻から頬部にかけて長さ約80mm,幅約2mmの白色脱色と線状痕,鼻軟骨欠損,知覚異常の神経症状を含めて7級,下腿痛14級の併合7級)につき,逸失利益を認めた上で,後遺障害分1100万円を認めた。
   ・ システムエンジニア(固定時36歳,左上肢のRSD,労働能力喪失率56%)につき,現在の状態を維持するために今後も治療を続けなければならないことなどから,傷害分120万円,後遺障害分1200万円を認めた。
   ・ 旅行会社添乗員(固定時27歳,顔面醜状及び疼痛7級12号相当)につき,逸失利益を労働能力喪失率10%で10年間認めた上で,傷害分120万円のほか,加害者が酒気帯び,制限速度25km超過で追突しそのまま現場から立ち去ったという悪質性,被害者が20歳代の未婚の女性であり高校生の頃から希望していた海外旅行添乗員になることを断念したこと等を斟酌し,後遺障害分1250万円を認めた。
   ・ 事故後に退職した会社員(固定時39歳,下肢関節の用廃8級,左下肢の醜状障害12級相当の併合7級)につき,事故により左大腿骨開放骨折等から骨髄炎を発症,7.5年入通院し,本人が骨髄炎再熱のリスクに大きな不安を抱えていることなどを考慮し,傷害分550万円,後遺障害分1100万円を認めた。
   ・ 幼稚園児(固定時22歳,左腓骨偽関節8級,左足関節機能障害10級,左足第1指及び第2指機能障害11級,左下肢瘢痕12級相当,右下肢瘢痕12級相当の併合7級)につき,傷害分550万円のほか,両足の大きさに相違が生じて不便を来し,若年女性の両足に手のひら3倍程度以上の瘢痕が生じていること,足長差解消のための脚延長術の再手術が必要となる可能性もあるとして,後遺障害分1100万円を認めた。
   ・ 被害者(固定時20歳,右手指神経損傷に伴う右手第1~第4指の機能障害7級,右手,腹部の瘢痕は等級なし)につき,逸失利益を労働能力喪失率56%で67歳まで認めた上で,傷害分230万円のほか,後遺障害分1100万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,4年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(14)

2024-03-09

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

3 後遺症
(1)被害者本人の後遺症慰謝料
  ⑥ 6級の事例
   ・ 生保外務員(36歳,外貌醜状7級,右眼球障害12級の併合6級)につき,逸失利益において労働能力喪失率40%を20年間,同14%を11年間認めた上で,傷害分200万円,後遺障害分として認定外の歯牙障害も考慮し1300万円を認めた。
   ・ 早期退職・転職直後の非常勤嘱託社員(固定時55歳,高次脳機能障害7級,左鎖骨の変形障害,左耳難聴12級の併合6級)につき,長い単身赴任のため別居していた家族との同居生活,趣味等,退職時の希望をほとんど全てかなえられなくなったこと等から,傷害分150万円のほか,後遺障害分本人分1300万円,妻100万円合計1400万円を認めた。
   ・ 会社員(固定時37歳,脳外傷等頭部外傷,右膝関節靱帯損傷,上下顎骨骨折,顔面骨折による顔面部の醜状障害等併合6級)につき,逸失利益を労働能力喪失率67%で30年間認めた上で,傷害分400万円のほか,外貌醜状があることを考慮して後遺障害分1300万円を認めた。
   ・ 会社員(固定時37歳,右前額部の線状痕7級,骨盤骨折の変形11級の併合6級)につき,逸失利益を労働能力喪失率35%で30年間認めた上で,醜状及び分娩の際に障害を生じる可能性のある産道狭窄を考慮し,傷害分350万円,後遺障害分1300万円を認めた。
   ・ 会社員(固定時46歳,右膝関節機能障害,右足関節機能障害併せて7級相当,右下腿開放骨折後の変形癒合12級,右下腿等瘢痕12級相当の併合6級)につき,症状固定後も髄膜炎が再発するなどし,将来的に右下肢を切断することになるかもしれないとの不安を抱えながら生活していること等を考慮し,傷害分400万円のほか,後遺障害分1300万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,4年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:3月から4月は自転車死者が多発します

2024-03-01

 愛知県警察が作成している「交通事故防止のPOINT」によると,令和元年から令和5年までの5年間の交通死亡事故等を分析した結果,3月から4月にかけ,自転車死者が多発する傾向があることが分かりました。
 https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/202403point.pdf

 3月が年度末の決算期となる会社も多く,経済活動が活発化します。
 業務車両を始めとした自動車が関連する交通事故の多発が予測されるため,シートベルトを正しく装着し,速度を控え,安全運転を心掛けることが大切です。
 
 また,引き続き,夕方の5時~7時までの魔の時間帯の交通事故にも注意が必要です。3月の前照灯の点灯時刻の目安は午後5時になっていますので,早めの点灯で交通事故を減らしましょう。

 では,交通事故の相手車両が業務車両だった場合,どうなるでしょうか。
 物損の場合は,第1責任者である運転者に請求することができますが,従業員が業務中に起こした事故については,雇用主(使用者)も責任を負うと定められていますので,相手車両が業務車両の場合は,雇用主(使用者)へも請求します。
 また,人身の場合は,雇用関係がなくても,運行供用者責任として,自分のために他者に車を運転させた者も責任を負います。個人事業主として業務委託契約を結んでいるドライバーも増えていますが,この場合でも業務委託元の会社側には少なくとも運行供用者責任が生じます。
 近年は,任意保険にも加入している自動車が多いため,任意保険で賠償をカバーすることができますが,万が一,任意保険に加入していなかった場合は,運転手だけでなく雇用主や運行供用者へも請求することで,適正な賠償額を受け取れる可能性が高くなります。

 一方,自身が業務車両を運転中に事故の被害にあった場合,どうなるでしょうか。
 業務中(通勤含む)に交通事故の被害に遭った場合,労災保険から保険給付を受けることができます。労災保険で受けることができる給付は,①療養(補償)給付,②休業(補償)給付,③障害(補償)給付,④傷病年金,⑤介護(補償)給付,⑥遺族(補償)給付,⑦葬祭料があります。
 労災保険を使用すると,治療費を全額支給してもらえる,休業損害・補償を多く受けることができる,過失がある場合は費目間の流用を禁止するルールにより受け取れる賠償額が多くなるなどのメリットがありますが,損害賠償額の計算方法など複雑な部分もあります。

 弁護士法人しまかぜ法律事務所は,相手車両が業務車両の交通事故や,労災保険を使用した交通事故の解決実績が豊富にありますので,お困りの方は,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(13)

2024-02-22

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

3 後遺症
(1)被害者本人の後遺症慰謝料
  ⑤ 5級の事例
   ・ 中学生(13歳,小学校3,4年程度への知能低下5級)につき,傷害分330万円,後遺障害分1750万円を認めた。
   ・ アルバイト(固定時23歳,脊柱運動障害6級,右上肢機能障害9級相当,骨盤骨変形12級,右膝神経症状14級の併合5級)につき,右上肢は一定程度の関節可動域は得られているが動きが遅く,ぎこちない等可動域の数値のみでは評価し尽くされない障害が残存しているとして1450万円を認めた。
   ・ 会社員(固定時56歳,高次脳機能障害5級)につき,傷害分288万円のほか,顕著な認知障害,人格変化が生じ,随時の付添,看視,声かけが必要になった後遺障害の内容程度を考慮し,後遺障害分1500万円を認めた。
   ・ 生物学的には女性,心理的には男性の性同一性障害者(事故時25歳,頭部外傷後の精神・神経系統の障害5級)につき,後遺障害のため性別適合手術を断念せざるを得なくなったこと,念願の職種であった建設業等に就くことも困難として,逸失利益を賃金センサス男性高卒全年齢平均の8割を基礎に認めた上で,嗅覚脱失,味覚障害,難聴も考慮し,1700万円を認めた。
   ・ 大学生(固定時20歳,左下肢を右関節以上で失った5級)につき,加害者の主張・陳述により争点が不明確になり,被害者に対し著しい精神的苦痛を与えたことなどから,傷害分226万円,後遺障害分1600万円を認めた。
   ・ 飲食店店長(固定時38歳,右上肢の機能障害,右手指5本の機能障害併せて6級相当,左手人差指機能障害12級,右上肢の醜状痕12級相当,右股関節機能障害12級の併合5級)につき,バスと衝突後,左後輪に挟まれた状態でバスが再発進したことで,更にひかれるのではないかという恐怖心を感じたことが容易に想定できるとし,1700万円を認めた。
   ・ 自営のプログラマー(固定時32歳,高次脳機能障害5級)につき,プログラマーとして稼働することが不可能になったこと等から,傷害分150万円のほか,後遺障害分1600万円を認めた。
   ・ 大学生(固定時22歳,左肩関節機能障害,左手関節用廃,左手指用廃,右下肢醜状痕,上肢関節機能障害,呼吸機能障害の併合5級)につき,頭部及び背部の瘢痕に対し直ちに将来の手術の必要性があるとは認められないが,慰謝料の算定にあたって斟酌すべきこと,事故当時未だ高校3年生で趣味のクラシックギターの演奏ができなくなったことなどから傷害分317万円のほか,後遺障害分1600万円を認めた。
   ・ 高校生(固定時18歳,高次脳機能障害5級)につき,傷害分250万円のほか,事故により高校における学業の途を事実上断たれ,将来の職業選択の範囲を狭められる結果となったことなどを考慮し,後遺障害分1500万円を認めた。
  
 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,4年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

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