【コラム】:同乗事故における減額(4)
1.無償同乗(好意同乗)
(2)同乗者の帰責事由による減額が問題となった事例
同乗者に一定の帰責事由(危険承知,危険関与・増幅等)がある場合には,減額されることがあります。
② 減額を認めた事例(1)
・ 終業後の私的な会合で共に飲酒した会社の同僚同士の1人が運転し,他の2人が同乗していた車両が単独事故を起こし,同乗者2人が死亡した事故につき,死亡した被害者らも運転者の飲酒を知っていた点で本件事故の発生に帰責事由があり,また,当該自動車の運行により利益を受けるものであったとして,各々の損害の全部から1割を減額した。
・ 加害者の危険な運転によって発生した単独事故につき,以前にも加害者運転の車両に同乗したことがあった被害者は加害者の運転が乱暴であることを知っており,かつ,事故当日は加害者と一緒に飲酒した後に加害車両に同乗したこと,他方,被害者は加害車両に飲酒後同乗した後は加害者の危険な運転を制止する趣旨の発言をしていたことなどを考慮し,損害額の1割を減額した。
・ 未成年者を含む5人が他人名義の自動車で深夜から早朝にかけてドライブし,山間部で対向車線側のコンクリート擁壁に正面衝突し,運転者を含む4名が死亡した事故につき,死亡同乗被害者の相続人が,車の調達経緯等から保有者と認められた他の死亡同乗者の相続人に対して損害賠償を請求した事案につき,5名全員が共同運行供用者であるが被害者は自賠法3条の他人にあたるとしたうえで,友人同士で改造車で深夜のドライブを楽しんでいたこと,運転者が無免許であることは双方とも承知していたと推測されること,同乗者らが共同運行供用者の関係にあったこと等の事情を考慮し,過失相殺として4割を減額した。
・ 深夜バイト仲間で飲食を始め午前4時半に散会するまでに総勢8人で飲酒し,うち5名が乗車した自動車が,国道の直線上の赤信号で停車中の貨物自動車に追突して同乗者が重傷を負った事故につき,被害者は,ともに長時間飲酒した加害者が運転する自動車へ乗り込んだこと自体は認識していたものの意識はあったが酔いが進んだ状態を見かねて勧められての乗車であり,散会前1~2時間寝ていた加害者の酔いが醒めていると同乗者らが判断するのも無理からぬ点もないではなく,かつ20kmほどの速度超過や蛇行運転を同乗者らがたしなめても加害者が改めなかったこと等を総合的に判断して,10%減額した。
・ ともにヘルメット不着用で原付自動車に2人乗りし,パトカーから逃走するため一方通行を逆走のうえ減速せずに信号のない交差点に侵入して普通貨物自動車と衝突し,原付同乗の被害者が頭蓋骨骨折,外傷性くも膜下出血等の重傷を負い,原付運転者及び原付所有者に対して損害賠償を請求した事案において,被害者は帽子でナンバープレートを隠すなど逃走行為に積極的に関わり運転者とともに逃走行為に及んでいたもので,危険運転を容認しており,ヘルメット不着用も損害の拡大に寄与しているとして,被害者にも過失ないし帰責性があるとして,3割を減額した。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,7年連続交通事故死者数全国ワーストを脱却していますが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
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