【コラム】:同乗事故における減額(5)
1.無償同乗(好意同乗)
(2)同乗者の帰責事由による減額が問題となった事例
同乗者に一定の帰責事由(危険承知,危険関与・増幅等)がある場合には,減額されることがあります。
② 減額を認めた事例(2)
・ 被害者ほか1名を二人乗りの自動車に同乗させていた加害者が,速度の出し過ぎから起こした単独事故につき,被害者は加害者がかなりの飲酒をしていたことを知っており,加害者が相当なスピードを出して運転することも知っていたこと,被害者が助手席に座っていた者の膝の上という異常な乗り方をしていたこと等を勘案して1割の減額を認めた。
・ 先輩とパチンコ店で遊んだ後居酒屋で飲食中に加害者を呼び出し,加害車甲で来た加害者の運転でキャバクラへ移動し,友人等を呼び出して飲酒し,さらに遊びに行くため加害者の運転する加害車甲の助手席に同乗中の被害者が,加害者の居眠りのため加害車甲が駐車中の大型貨物自動車(加害車乙)に回避措置なく20km以上の速度超過で衝突して死亡した事故につき,加害車乙の責任を否定し,加害車甲に対する関係で,自ら交通事故発生の危険性が高い状況を招来し,そのような状況を認識した上で同乗したとして,シートベルト装着義務違反と併せて25%を減額した。
・ 被害者が元職場の先輩が運転する加害車に同乗して居酒屋へ向かい,飲酒後再び別店舗へ向かうために助手席に同乗中,加害者のハンドル誤操作でトンネル内側壁に衝突・横転し,頚髄損傷等(1級)を負った事故につき,被害者が当初から加害者が飲酒運転をすることを容認していた上,多量の飲酒を承知で同乗していること,40キロの速度超過の運転でのハンドル誤操作には飲酒が少なからず影響を与えていること,被害者のシートベルト不装着が損害拡大に寄与した程度が大きいとはいえないこと等を考慮して2割を減額した。
・ 乗用車が対向車線の普通貨物車に衝突し,乗用車の同乗者が受傷した事故につき,乗用車の運転手との関係で,被害者は運転手の無免許や自動車検査証の有効期限徒過等は知らなかったとしても,飲酒する目的で乗車し,運転手とともに飲酒後,飲酒運転を容認して同乗していたとして,損害の25%を減額した。
・ 加害者が時速115キロで運転し,カーブを曲がりきれずに歩道縁石に衝突して同乗中の被害者を死亡させた事故につき,被害者は加害者とともに飲酒して少なくとも黙示的に飲酒運転を容認し,運転中も減速を求める等しておらず,事故の発生につき帰責性あるいは寄与した面があるが,消極的な黙認であり積極的に事故を誘発ないし助長したと評価されるほどのものではないとして10%を減額した。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,7年連続交通事故死者数全国ワーストを脱却していますが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
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