【コラム】:同乗事故における減額

2026-07-31

1.無償同乗(好意同乗)
(1)無償同乗
   無償同乗(好意同乗)とは,運転手の好意(親切)により,無償で車に同乗させてもらうことです。たとえば,運転手と知人関係にあり,自宅や駅まで送ってもらうような場合です。無償同乗(好意同乗)自体を理由として,減額されることはありません。
 ・ 深夜ドライブで,休憩も取り4人の交替運転中の事故につき,被害者自身において事故発生の危険が増大するような状況を現出させたり,あるいは事故発生の危険が極めて高いような客観的事情が存在することを知りながらあえて同乗したなど,同乗者に事故の発生につき非難すべき事情がない以上,好意同乗の事実だけで被害者の損害賠償額を減額することはできないとした。
 ・ 交際相手の運転する車両に無償で自発的に同乗してドライブに出かけた際の事故につき,被害者には事故に繋がるような無謀な運転を誘発したり容認するなどの帰責事由は認められないとして,好意同乗減額を否定した。
 ・ 無償で同乗していたこと自体を理由として減額すべきでないし,事故発生につき被害者に何らかの帰責事由があることをうかがわせる証拠も全くないとして,好意同乗として5%を減額すべきとする被告らの主張を排斥した。
 ・ 加害者運転の乗用車が大型貨物車と衝突し,出張のため加害車に同乗していた被害者が受傷した事故につき,出張に自家用車を使用することは認められていなかったのに被害者らから依頼を受けて加害者が自家用車を提供したこと等を根拠とする好意同乗減額の主張に対し,事故発生の危険が増加したものではなく被害者に帰責事由は認められないとして,減額を否定した。
 ・ スキー場に向かい走行中に路面凍結のため車両がスリップしてトンネル壁に衝突し,助手席でシートを倒し仮眠中であった被害者が受傷した事案につき,被害者は単なる便乗・同乗者であり事故発生の危険性が増大するような状況を自ら積極的に現出させたり,事故発生の危険が高い事情が存在することを知りながらこれを認容して同乗した等の事情はないとして,減額を否定した。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,7年連続交通事故死者数全国ワーストを脱却していますが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
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