【コラム】:損益相殺・損害の補填等(16)

2026-07-17

 被害者またはその相続人が事故に起因して何らかの利益を得た場合,当該利益が損害の補填であることが明らかであるときは,損害賠償額から控除する場合があります。
 
6.政府補償事業によるてん補金
 ・ 政府補償事業における損害のてん補額の算定につき,被害者が労災保険法に基づく障害年金を受給している場合,当該受給権に基づき被害者が支給を受けることになる将来の給付分も含めた年金の額を控除すべきであるとした。
 ・ 政府補償事業に関する損害のてん補額を計算するにあたって,国民健康保険法による葬祭費の支給額を控除すべきときは,被害者に生じた現実の損害の額から過失割合による減額をし,その残額からこれを控除するとした。
 ・政府補償事業による補償金は,自動車事故の被害者の救済を目的として自賠法72丈によって創設された公法上の権利であるから,加害者の不法行為に基づく損害賠償債務に関する遅延損害金に対しては填補できないとした。

7.共同不法行為の場合の填補関係
 ・ 一つの交通事故の共同不法行為者である甲及び乙のうち,乙の損害賠償責任についてのみ過失相殺がなされ,甲及び乙が賠償すべき損害額が異なる場合に,甲がした損害の填補は被害者が填補を受けるべき損害額から控除すべきであって,控除後の残損害額が賠償すべき損害額を下回らない限り,乙が賠償すべき損害額に影響しないとした。
 ・ 自賠責保険の保険金は,被保険者の損害賠償債務の負担による損害を填補するものであるから,共同不法行為者間の求償関係においては,被保険者の負担部分に充当されるべきであるとした。
 ・ 被害者側の過失の法理が適用される事案のうち,同乗事案における被害者側自賠責保険からの支払は,本来的には加害者と被害者側運転者との共同不法行為の事案であることから,まず被害者側過失部分に充当されるとした。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,7年連続交通事故死者数全国ワーストを脱却していますが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
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