【コラム】:損益相殺・損害の補填等(17)

2026-07-24

 被害者またはその相続人が事故に起因して何らかの利益を得た場合,当該利益が損害の補填であることが明らかであるときは,損害賠償額から控除する場合があります。
 
8.被害者の16条請求と公的代位した社会保険者の16条請求との競合
 ・ 被害者が,医療給付を受けてもなお填補されない損害について有する自賠法16条1項の直請求権と,医療給付を行った社会保険者が代位取得した同請求権とが競合し,その合計額が自賠責保険金額を超えるときであっても,被害者は,社会保険者に優先して自賠責保険の保険会社から自賠責保険金額の限度で同請求権に基づき損害賠償額の支払いを受けることができるとした。
 ・ 被害者の行使する自賠法16条1項に基づく請求権の額と労働者災害補償保険法12条の4第1項により国に移転して行使される上記請求権の額の合計額が自動車損害賠償責任保険の保険金額を超える場合,被害者は国に優先して損害賠償額の支払を受けられるとした。
 ・ 被害者の直接請求権の額と,労災保険法12条の4第1項により国に移転した直接請求権の合計額が自賠責保険金額を超える場合であっても,被害者は国に優先して損害賠償額の支払を受けられるが,これは,被害者と国との間に相対的な優先劣後関係があることを意味するにとどまり,自賠責保険金の保険会社が国の直接請求権の行使を受けて国に対して自賠責保険金額の限度でした損害賠償額の支払は,国が被害者に対し不当利得返還義務を負うことは別論として,有効な弁済に当たる。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,7年連続交通事故死者数全国ワーストを脱却していますが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
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