【コラム】:物損(8)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,車の修理代金や代車使用料などの物損もあります。
なお,自賠責保険は人身事故のみ対象としており,物損事故による損害は対象外となるため,物損事故による損害は,加害者または加害者が加入している保険会社に請求することになります。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
3.買替差額
(2)車両時価の算定例(3)
・ 初年度登録昭和62年の大型自動二輪車(スズキ カタナ)について,ベース車両価格を同車種で年式が近接した車両の平均中古販売価格を基とし,これに,事故の10年前から順次取り付けられた改造部品総額に直近の改造費を加えた額の2割を加算した金額を原告車の時価額とした。
・ ボディコーティングがされていた自家用大型自動二輪車につき,購入日から事故日まで約1か月半で近接していたことから,ボディコーティングを含めた同車種の新規購入価格を車両損害として認め,未利用自賠責保険料5370円,未利用重量税5383円も認めた。
・ ポルシェ・911ターボ(1996年式)につき,日本及び米国のインターネット上の中古車販売サイトにおける同車種・同年式の車両の価格水準,走行距離(事故から約9か月後の時点で3万7878km)を考慮すると事故当時の時価は2000万円を下らないと認められ,レッドブックに記載された中古車小売価格480万円は同車種・同年式の車両の実際の取り引きにおける価格水準を適切に反映している物とは認められず,レッドブックを基礎として時価を算定するのは相当であるとはいえないとして,発売当時の新車価格1680万円を上回る2000万円をもって車両損害額と認めた。
・ 引渡後2か月以内の中古大型自動二輪車につき,事故までの間に被害車両の価格が大きく下落したことを窺わせる証拠はないとして,購入時の車両本体価格を損害額とした。
・ 初年度登録後約4年,走行距離33万kmの大型貨物車につき,特別な仕様が施された事業用車両の時価額は個別性が強く,購入段階で相応の値引きがされていること等が推認できることからすると,レッドブック価格ではなく,実際の取引価格(インターネット上の価格等)を参考に時価額を算定するのが相当であるとした上で,当該車両には特別架装がなされていること等を考慮し,車両本体部分及び標準架装部分の時価額に11%の特別架装部分の時価額を加算した金額を車両時価額とした。
・ 初年度登録から約4年経過のマツダアテンザワゴンにつき,中古車市場での車両価格が169万8000円から255万円であることが認められるとして,車両損害額を212万4000円と認めた。
・ 登録後12年を経過した車載クレーン付貨物自動車につき,事故後に購入した中古の同車種の価格を参考に,走行距離1万kmごとに1万円減価評価し,324万円の車両時価を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
物損事故の場合,被害者の加入している車両保険を使用して解決する方もいらっしゃいますが,等級が下がり翌年からの掛け金が高くなります。被害車両の損害状況や過失割合によっては車両保険の使用をお勧めすることもありますが,弁護士費用特約を使用し,弁護士が加害者と交渉することで,適正な賠償額を回収することができます。弁護士費用特約は使用しても等級が変わらず,翌年からの保険料も変わりません。
弁護士法人しまかぜ法律事務所は物損の解決実績も多くありますので,車両保険を使用して高くなった保険料を払うか,弁護士費用特約を使用して保険料が変わらずに解決できるか,ぜひ,一度ご相談ください。

名古屋の交通事故に寄り添う「しまかぜ法律事務所」
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