【コラム】:過失割合について(自転車と四輪車・単車との事故故 3.交差点における左折四輪車と直進自転車との事故)

2020-08-04

交通事故の被害者および加害者には,それぞれの過失に応じた過失割合というものが決められます。
過失の割合に応じて賠償額が減額されるため,交通事故において,過失の割合はとても大きな問題となります。
そこで,事故態様ごとの過失割合をご紹介します。

3.交差点における左折四輪車と直進自転車との事故
交差点において左折しようとする車両は,交差点の手前30mの地点から合図を出した上,あらかじめできる限り道路の左側端に寄り,かつ,できる限り道路の左側端に沿って徐行しなければなりません。
交差点における左折四輪車と直進自転車との事故態様としては,四輪車が十分に道路の左側端に寄らず,あるいは,後方の確認が不十分であったため,道路の左側に寄って走行してきた自転車と接触した場合を想定しています。

(1)同一方向の直進自転車と左折四輪車との事故
   交差点の手前30mの地点で,自転車に先行している四輪車が左折の合図を出して左折を開始した場合を想定しています。交差点の手前30m以内の地点で四輪車が自転車の追越し,又は追抜きを完了した場合は【290】を適用します。
交差点の手前30m以内は追越しが禁止され,横断歩道の手前30m以内は追い抜きが禁止されているから,先行する四輪車がある場合には自転車がその前に出ることは許されませんが,四輪車の左寄り不十分等の過失があることや,直進車優先及び自転車は路側帯の通行が可能であることを考慮すると,自転車の過失は比較的小さいといえます。
  ア 直進自転車と先行左折四輪車【289】
    自転車:10  四輪車:90
  
  イ 直進自転車と追越左折四輪車【290】
    自転車:0  四輪車:100

 

 

 

 

(2)対向方向の直進自転車と左折四輪車との事故【291】
   自転車:15  四輪車:85

 

 

 

 

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,令和元年の交通事故死者数が17年ぶりに全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。

自転車と四輪車・単車との事故の場合,自転車の運転手が亡くなられたり,重篤な後遺障害が残る場合が多く,賠償額が大きくなります。過失割合がたとえ1割の違いであっても,受け取れる金額が大きく変わってきますので,適正な過失割合で解決をすることが大切です。

しまかぜ法律事務所では,事故の現場図を分析したり,正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしています。
また,自転車と四輪車・単車との交通事故の解決実績も豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

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