【コラム】:過失割合について(横断歩道の付近における事故 信号機の設置されている横断歩道の直近における事故(1))

2017-09-11

交通事故の被害者および加害者には,それぞれの過失に応じた過失割合というものが決められます。
過失の割合に応じて賠償額が減額されるため,交通事故において,過失の割合はとても大きな問題となります。
そこで,事故態様ごとの過失割合をご紹介します。

第2.横断歩道外における事故
    横断歩道の端から外側に1mないし2m離れた場所や,横断歩道が停止車両により閉塞されているときの当該車両の前後は横断歩道と同視されますので,横断歩道外とは,それら以外の場所のことです。
 1 横断歩道の付近における事故
      横断歩道の付近とは,おおむね幅員14m(片側2車線)以上の道路で,交通量が多く,車が高速で走行している道路の場合,横断歩道の端から外側におおむね40mないし50m以内の場所を,それ以外の道路の場合,20mないし30m以内の場所をいいます。
 (1)信号機の設置されている横断歩道の直近における事故
        横断歩道の付近とはいえ,横断歩道に信号機が設置されている場合には,その信号機の表示によって過失の程度が異なります。
        信号機の直近とは,おおむね幅員14m(片側2車線)以上の広い幹線道路の場合,横断歩道の端から外側におおむね10m以内程度を,それ以外の道路の場合,おおむね5m以内程度の場所をいいます。
    ア 横断歩道通過後
    【21】車:赤信号で直進


 

 

 

       歩行者:青信号   歩行者:車=5:95
            歩行者:黄信号   歩行者:車=15:85
            歩行者:赤信号   歩行者:車=25:75

    【22】歩行者:赤信号で横断開始,車:黄信号で直進


 

 

 

            歩行者:車=5:50
           
    【23】歩行者:赤信号で横断開始,車:青信号で進入


 

 

 

            歩行者:車=70:30
            歩行者は,赤信号の場合には,道路を横断してはならいので,基本的に赤信号に違反した歩行者の過失が70%とななります。

歩行者と車の事故の場合,歩行者は衝突の衝撃を生身で受けるため,死亡事故につながったり,重篤な傷害を負うことが多くなります。
また,目撃者がいない場合,どちらの信号無視であるか主張が対立することもあり,示談による解決が難しくなることもあります。

しまかぜ法律事務所では,信号サイクルや現場図を分析したり,ドライブレコーダーの映像の解析などから,正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしています。
賠償額が大きくなればなるほど,過失割合がたとえ1割の違いであっても,受け取れる金額が大きく変わってきますので,過失割合でお困りの方は,ぜひ,しまかぜ法律事務所へご相談ください。

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