【コラム】:過失割合について(単車と四輪車との事故 4.渋滞中の車両間の事故)
交通事故の被害者および加害者には,それぞれの過失に応じた過失割合というものが決められます。
過失の割合に応じて賠償額が減額されるため,交通事故において,過失の割合はとても大きな問題となります。
そこで,事故態様ごとの過失割合をご紹介します。
4.渋滞中の車両間の事故
信号機により交通整理の行われていない交差点において,交差する道路の一方の道路が渋滞しており,その交差道路を直進してきた四輪車又は交差道路へ右折しようとする四輪車が,渋滞車両の間隙を抜けようとしたときに,渋滞車両の左側と路端又は歩道との間を走行してきた単車と衝突した場合の事故です。
四輪車は,通常,渋滞車両が進路を譲ってくれるのを待ってその前方に出て行きますが,その際,右折ないし直進を急ぐ余り単車に対する注意を怠った過失があります。
一方,単車の方も,渋滞車両中に,その前方を空けて停止し進路を譲っている車両があり,そこから車両が進入してくるのを予想し得るのに,これを怠った過失があります。
双方見えにくい場合ですが,やはり直進車優先の原則は働くものと考えるのが相当です。
単車:30 四輪車:70
四輪車がそろそろと頭を出してきているのにその発見が遅れた場合,四輪車が一旦停止しているところへ単車が衝突してきた場合等は,単車の著しい前方不注視の修正要素が適用されます。
また,道路状況,交通事情によっては,単車に速度違反がない場合でも,相当な速度で走行していた場合には著しい過失ありとされることもあります。少なくとも,単車に時速15km以上の速度違反があれば著しい過失ありとして取り扱います。
交差点の場合には,直進する単車においても右折車,横断車があることは比較的予見が容易ですが,道路外の駐車場やガソリンスタンドへの立ち寄り等,交差点以外の場所においては,予見の程度が難しくなるため,減算修正されます。
愛知県内での交通死亡者数は,2003年から16年連続全国ワーストとなっています。
愛知県警察によると,愛知県内の交通死亡者数は,100人に達し,うち65歳以上の高齢者は半数超を占めています。
単車と四輪車との事故の場合,単車の運転手が亡くなられたり,重篤な後遺障害が残る場合が多く,賠償額が大きくなります。過失割合がたとえ1割の違いであっても,受け取れる金額が大きく変わってきますので,適正な過失割合で解決をすることが大切です。
しまかぜ法律事務所では,事故の現場図を分析したり,正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしています。
また,単車と四輪車との交通事故の解決実績も豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。