【コラム】:積極損害 2.付添費用
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
2.付添費用
(1)入院付添費
医師の指示がある場合,受傷の程度,被害者の年齢等により,必要があれば認められます。具体的には,症状が重篤である場合,被害者が幼児・児童である場合,入院中の生活に支障が出るような上肢や下肢の骨折の場合です。完全看護の病院でも,医師の指示がある場合は,認められる可能性があります。
金額は,近親者付添人は1日につき6500円,職業付添人は実費全額になります。
近親者の付添人が仕事を休んだ場合,休業損害を入院付添費として認める場合もあります。また,自営業などで,付添のためにアルバイトを雇った場合,そのアルバイト料が損害として認められた事例もあります。
(2)通院付添費
症状の程度や,幼児等必要があれば認められます。具体的には,骨折していて歩行が困難である場合や高次脳機能障害等により1人で公共交通機関を利用するのが困難な場合,被害者が幼児,高齢者である場合です。
金額は,1日につき3300円です。
(3)症状固定までの自宅付添費
退院後に在宅看護や自宅療養を行っていて,自宅での看護や介助が必要であれば認められます。具体的には,排泄,着替え,入浴など日常生活の必要な行動を自立して行えない場合,高次脳機能障害で随時の声かけ,見守りが必要な場合です。
金額は,症状の程度や,付添の内容によって異なります。例えば,骨折で入院までは必要ないものの,自宅待機が必要な場合や,病院のベッドの空き状況によって自宅療養を余儀なくされる場合は,入院付添費と同額が認められることがあります。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,2年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。症状が重篤であるほど付添の必要性は高く,入院や通院が長引くことで付添人の負担も大きくなるため,適正な金額で付添費用を請求することが大切です。
しまかぜ法律事務所では,付添を必要とする交通事故の解決実績も豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。