【コラム】:損益相殺・損害の補填等(10)

2026-05-21

 被害者またはその相続人が事故に起因して何らかの利益を得た場合,当該利益が損害の補填であることが明らかであるときは,損害賠償額から控除する場合があります
 
3.社会保険給付等がある場合の控除
(2)過失相殺等の方法
② 労災保険法
労災保険給付は,被害者の実損害を補填するもので,加害者に対する損害賠償請求権を保障する者ではないとして,健康保険と同一の取り扱いをする例が以前はみられたが,他の損害填補と同様に扱うことが損害賠償法理にかなうものとして,過失相殺後の損害賠償額から控除する例がほとんどである。
・ 実損害から控除し,過失相殺後の賠償額から控除しなかった事例
東京地判昭47.3.8 交民5・2・335
名古屋地判昭53.11.29 交民11・6・1721
浦和地判昭61.11.26 判時1222・101
福岡地小倉支判昭63.11.30 交民21・6・1244
・ 過失相殺後の損害賠償額から控除するのが相当であるとした事例
最判平1.4.11 判時1312・97 但し,反対意見がある。
東京地判平24.7.17 交民45・4・792
東京地判平25.2.22 自保ジ1895・1
東京高判平25.3.13 自保ジ1899・1
・ 障害年金につき,労働者の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする給付であり,所得補償が主な目的で,損害の填補が主な目的ではないとして,素因減額を行う前に控除した。
・ 地方公務員災害補償法による療養補償給付につき,過失相殺後の損害額から控除した。

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