【コラム】:慰謝料(8)

2024-01-12

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

3 後遺症
(1)被害者本人の後遺症慰謝料
   後遺症が残ってしまった場合、その精神的苦痛について慰謝料を請求することができます。1級,2級等の重度後遺障害の場合には,近親者の慰謝料も請求できることがあります。
   後遺症慰謝料は,認定された後遺症等級によって支払われる額に差があります。また,「自賠責保険基準」や「任意保険基準」は,赤本記載の後遺症慰謝料に比べ低額となります。

 <後遺障害等級>
  第1級 2800万円
  第2級 2370万円
  第3級 1990万円
  第4級 1670万円
  第5級 1400万円
  第6級 1180万円
  第7級 1000万円
  第8級  830万円
  第9級  690万円
  第10級  550万円
  第11級  420万円
  第12級  290万円
  第13級  180万円
  第14級  110万円

  平成14年4月1日以降の事故で,後遺障害等級別表第1の2級の後遺障害と同別表第2の後遺障害があった場合,自賠責保険では併合による等級の繰り上げはありませんが,慰謝料の算定にあたっては,併合による等級の繰り上げをして算定します。

  自賠責14級に至らない後遺症があった場合等(例:3歯以上歯科補綴の場合は自賠責14級であるが2歯の場合は14級に至らない)は,それに応じた後遺症慰謝料が認められることがあります。

 特定の後遺障害等級の認定がなされ,より上級の等級に至らない場合(例:外貌醜状痕で12級には該当するがより上級の等級には至らない等)でも,症状により認定等級の慰謝料に相当額を加算することがあります。
  
 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,4年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

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