【コラム】:慰謝料(13)

2024-02-22

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

3 後遺症
(1)被害者本人の後遺症慰謝料
  ⑤ 5級の事例
   ・ 中学生(13歳,小学校3,4年程度への知能低下5級)につき,傷害分330万円,後遺障害分1750万円を認めた。
   ・ アルバイト(固定時23歳,脊柱運動障害6級,右上肢機能障害9級相当,骨盤骨変形12級,右膝神経症状14級の併合5級)につき,右上肢は一定程度の関節可動域は得られているが動きが遅く,ぎこちない等可動域の数値のみでは評価し尽くされない障害が残存しているとして1450万円を認めた。
   ・ 会社員(固定時56歳,高次脳機能障害5級)につき,傷害分288万円のほか,顕著な認知障害,人格変化が生じ,随時の付添,看視,声かけが必要になった後遺障害の内容程度を考慮し,後遺障害分1500万円を認めた。
   ・ 生物学的には女性,心理的には男性の性同一性障害者(事故時25歳,頭部外傷後の精神・神経系統の障害5級)につき,後遺障害のため性別適合手術を断念せざるを得なくなったこと,念願の職種であった建設業等に就くことも困難として,逸失利益を賃金センサス男性高卒全年齢平均の8割を基礎に認めた上で,嗅覚脱失,味覚障害,難聴も考慮し,1700万円を認めた。
   ・ 大学生(固定時20歳,左下肢を右関節以上で失った5級)につき,加害者の主張・陳述により争点が不明確になり,被害者に対し著しい精神的苦痛を与えたことなどから,傷害分226万円,後遺障害分1600万円を認めた。
   ・ 飲食店店長(固定時38歳,右上肢の機能障害,右手指5本の機能障害併せて6級相当,左手人差指機能障害12級,右上肢の醜状痕12級相当,右股関節機能障害12級の併合5級)につき,バスと衝突後,左後輪に挟まれた状態でバスが再発進したことで,更にひかれるのではないかという恐怖心を感じたことが容易に想定できるとし,1700万円を認めた。
   ・ 自営のプログラマー(固定時32歳,高次脳機能障害5級)につき,プログラマーとして稼働することが不可能になったこと等から,傷害分150万円のほか,後遺障害分1600万円を認めた。
   ・ 大学生(固定時22歳,左肩関節機能障害,左手関節用廃,左手指用廃,右下肢醜状痕,上肢関節機能障害,呼吸機能障害の併合5級)につき,頭部及び背部の瘢痕に対し直ちに将来の手術の必要性があるとは認められないが,慰謝料の算定にあたって斟酌すべきこと,事故当時未だ高校3年生で趣味のクラシックギターの演奏ができなくなったことなどから傷害分317万円のほか,後遺障害分1600万円を認めた。
   ・ 高校生(固定時18歳,高次脳機能障害5級)につき,傷害分250万円のほか,事故により高校における学業の途を事実上断たれ,将来の職業選択の範囲を狭められる結果となったことなどを考慮し,後遺障害分1500万円を認めた。
  
 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,4年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

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