【コラム】:慰謝料(10)

2024-02-02

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

3 後遺症
(1)被害者本人の後遺症慰謝料
  ① 1級の事例(2)
   ・ アメリカの大学で学び一時帰国中の男性(固定時32歳,胸髄損傷による両下肢完全麻痺等の別表第1の1級1号)につき,事故が加害者のあおり行為に起因すること,座骨粉砕骨折等により今後約3回の手術の必要性が指摘されていること,日々の自己導尿の際に座薬,消炎剤等の薬剤を将来的にも使用することなどから傷害分328万円のほか,本人分3000万円,父母各400万円の後遺障害分3800万円を認めた。
   ・ タクシー運転手(固定時46歳,右片麻痺,右感覚障害,高次脳機能障害,尿失禁の別表第1の1級1号)につき,傷害分370万円のほか,本人分3000万円,妻300万円,2人の子各200万円の後遺障害分3700万円を認めた。
   ・ 大学生(固定寺23歳,高次脳機能障害,右不全片麻痺,左眼光覚なし等の別表第1の1級1号)につき,傷害分480万円のほか,本人分3000万円,父母各300万円の後遺障害分3600万円を認めた。
   ・ 不動産賃貸業(固定時70歳,遷延性意識障害の別表第1の1級1号)につき,逸失利益が認められない点や金銭的利益を度外視して尽力していた調停委員,民生委員,町内会長の役職をなしえなくなった点は慰謝料で考慮するのが相当であるとして,傷害分400万円のほか,本人分3000万円,本人について行った過失相殺をせずに妻400万円を認めた。
   ・ 男児(固定時2歳7か月,胸髄損傷等の傷害を負い,両下肢麻痺等の別表第1の1級1号)につき,傷害分250万円のほか,本人分3000万円,父母各400万円の後遺障害分3800万円を認めた。
   ・ 統合失調症で入通院を繰り返していた無職者(事故時40歳,頸髄損傷に伴う四肢麻痺の別表第1の1級1号)につき,傷害分300万円のほか,本人分3000万円,父母各400万円の後遺障害分3800万円を認めた。
   ・ 男児(固定時8歳,頸髄損傷に伴う四肢麻痺,呼吸麻痺,膀胱直腸障害の別表第1の1級1号)につき,加害者に制限速度の大幅な超過,徐行しない等の複数の重大な過失があった事案であることから,傷害分420万円のほか,本人分3600万円,父母各400万円の後遺障害分4400万円を認めた。
   ・ 夫と2人暮らしの主婦兼嘱託職員(事故時60歳,頸髄損傷による四肢麻痺の別表第1の1級1号)につき,傷害分488万円のほか,本人分3000万円,夫600万円の後遺障害分3600万円を認めた。
   ・ 大学生(固定時24歳,顔面症状に現れたジストニア,四肢麻痺等の別表第1の1級1号)につき,傷害分260万円のほか,本人分3100万円,父母各300万円の後遺障害分3700万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,4年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

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