【コラム】:積極損害 5.通院交通費・宿泊費等

2021-05-21

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5.通院交通費・宿泊費等
(1)公共交通機関(電車,バス)を利用した場合
   電車やバスなどの公共交通機関を利用した場合,自宅の最寄駅から病院の最寄駅までの往復の交通費が支払われます。
   料金は区間によって決められており,誰でもわかりますので,領収書の添付は必要ありません。
(2)タクシーを利用した場合
   タクシーは,症状などにより利用が相当とされる場合のみ利用できます。
   例えば,足を骨折した,視力を失った等,歩くことが困難な場合や,交通事情により公共交通機関を使用すると通院に相当な時間が掛かってしまう場合などです。
   タクシー料金を請求するには,領収証の添付が必要です。
(3)自家用車を利用した場合
   自家用車を利用した場合は,ガソリン代として,1キロメートルあたり15円が支払われます。
   必要性があれば,駐車場代,高速道路も利用できますが,領収書の添付が必要です。
(4)自転車・徒歩の場合
   自転車や徒歩で通院していた場合には,金銭的な支出をしていないので,通院交通費は請求できません。
(5)宿泊費
   付添いや介護等のために近親者が病院の近隣ホテルに泊まった場合,必要性があれば,相当な範囲で宿泊費が支払われることがあります。
   また,長期の宿泊が必要な場合,自宅と病院を毎日往復することが肉体的・精神的負担が大きいことから,近隣にアパートを借り,その賃借料が損害として認められた例もあります。
(6)付添人交通費
   重い後遺障害が残るような重篤な傷害を負った場合,幼児・児童が入院した場合など,付添人をつける必要性があれば,付添人の交通費が認められます。
   上記(1)~(4)と同様の計算方法で支払われます。
(7)見舞いのための交通費
   お見舞いにきた人の交通費についても必要かつ相当な範囲で認められます。
   被害者の家族であるとか,事故が重大で一刻も早く容態を確認したいなど,見舞いにくることが当然の心情であると理解できる場合に認められることが多いです。
また,すぐにでも見舞いに行きたいという心情から,最速の交通手段である航空券代,新幹線代など高額の交通費も認められやすい傾向です。
(8)治療中の通勤交通費等
交通事故によって,今まで通りの交通手段で通勤,通学ができない場合,新しい交通手段で費用が発生した分が損害として認められる可能性があります。
例えば,車椅子や松葉杖を利用しているためタクシーを利用した,自転車に乗れないのでバス通学に変更した,長時間の運転が困難なため高速道路を利用したなどです。
また,通勤,通学以外にも,子供の送迎,交通事故と関係のない通院,葬儀や卒業式など重要な行事等でも認められた例があります。
(9)将来の通院交通費
   遷延性意識障害(植物状態)など,将来の治療費が認められた場合,それに伴い通院交通費も認められます。
   通院の頻度,1回あたりに要する交通費をもとに計算します。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,2年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の症状や職業等によって,それぞれ変わってきます。交通手段や通院回数によっては交通費が高額になりますし,遠方からの付添,見舞いの場合も交通費や宿泊費が高額になりますので,必要性が認められ,適正な通院交通費・宿泊費を請求することが大切です。
 しまかぜ法律事務所では,様々な交通事故の解決実績も豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

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