【コラム】:健康保険を利用できるか,利用すべきか

2015-10-19

交通事故で治療を受けるときに,健康保険を利用すべきか否か,相談を受けることがあります。
そこで,①交通事故で健康保険を利用できるか,②どのような場合に健康保険を利用すべきかについて,説明させていただきます。

 

①交通事故で健康保険を利用できるか
交通事故は原則として自由診療ですので健康保険を利用する必要はありません。しかし,健康保険組合に第三者行為手続きをすることで健康保険を利用することができます。これは,健康保険組合が第三者(交通事故の相手方)に立替負担した治療費を求償するために必要な手続きです。
例えば,保険料を納める被保険者が,自らの責任で風邪を引いたとしても,保険料を納めてもらっている代わりに健康保険組合は治療費の7割を負担します(被保険者の窓口負担が3割の場合)。しかし,第三者(交通事故の相手方)という加害者がいる交通事故の場合,健康保険組合が7割を負担する必要はありません。健康保険組合は,一時的に7割を立替負担しますが,この立替負担分を第三者(交通事故の相手方)に請求していきます(求償)。この求償手続きのために第三者行為手続きが必要なのです。
第三者行為手続きは,難しい手続きではありませんが手間はかかります。そこで,しまかぜ法律事務所では,健康保険を利用する場合,依頼者に代わって第三者行為手続きを行っています。

ただし,すべての場合で健康保険が利用できるわけではありません。仕事中や通勤中など労災の適用場面では健康保険は利用できませんのでご注意ください。

 

②どのような場合に健康保険を利用すべきか
ⅰこちらにもある程度の過失がある場合は,健康保険を利用すべきです。
健康保険を利用すると,自由診療と比較して,治療単価が安くなります。同じ治療を受けても,健康保険を利用する方が治療費が安いのです。
保険会社は,医療機関には過失にかかわらず満額の治療費を支払いますが,最終的に慰謝料を支払う段階で,過失分の治療費が過払いになっているとして慰謝料から差し引いてきます。被害者の手取りを多くするには,治療費の過払分として差し引かれる額を安くしなかえればなりません。すなわち健康保険を利用して治療費を安く抑えるべきです。
もっとも,こちらの過失がさほど無い場合は,健康保険を利用する必要はないと思います。なぜなら,自由診療でしか対応できない治療内容もありますし,医療機関には治療費を多く支払ってくれる患者の方が丁寧に対応というところも少なからず存在するからです。
ⅱ治療費が問題になるケースでも,健康保険を利用すべきです。
治療費があまりに高額になるケースでは治療費が争点になることがあります。このような争点を回避するためにも健康保険を利用することは有効な手段です。

 

しまかぜ法律事務所では,どのような場合に健康保険を利用すべきか個別事案に応じてアドバイスをすることが可能です。ぜひ,しまかぜ法律事務所にご相談ください。

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