Archive for the ‘コラム’ Category

【コラム】:物損(29)

2025-11-07

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,車の修理代金や代車使用料などの物損もあります。
 なお,自賠責保険は人身事故のみ対象としており,物損事故による損害は対象外となるため,物損事故による損害は,加害者または加害者が加入している保険会社に請求することになります。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

8.雑費
(5)その他
・ 代替車整備費用,代替車エンジン調整費,代替車看板文字代
・ 全損による新車買替に伴って必要となる装置,登録関係費用は相当な範囲で損害と認められることから,荷台,クレーンの載せ替え費用52万円余を認めた。
・ 大阪から東京へ,時間の差し迫った展示場設置・運営のためのアルバイト4名を乗せて走行中の車両(レンタカー)が事故により会場へ行けなくなった事案につき,やむを得ず代替従業員派遣を受けるのに要した3日分(人材派遣会社から3日分でないと受けない言われたため)の半額の限度で相当因果関係のある損害として認め,その他,レンタカー会社へのノンオペレーション・チャージ等7万3500円を損害と認めた。
・ 交通事故証明書交付手数料
・ 運送会社の大型貨物自動車が追突された事故処理費用として,運転手の安否確認,被害車両の状態確認,関係先への謝罪のために要した会社関係者の宿泊代,往復ガソリン代,高速代の合計4万円余を損害と認めた。
・ 被害車両に搭載していた購入後2年のオーディオ等の買い替え車両への移送費用15万円余につき,費用が高額となったのは,買換車両のオーディオ等が電子システムと一体となり機能しており取り外しにより不具合が生じ,移設にあたり不具合解消の作業料が増えたためであったことから,一般的な移設費用である6万円の限度で認めた。
・ 全損となった大型自動二輪車の買替費用について,車両の時価額に加え,車両の効用を向上させるものであるからオプション費用を含めた損害を認めるべきであるとして,再利用が不可能なシート等の部品代,ETC及びナビの取付けの工賃の合計36万2619円,買替諸費用(納車整備費用,G防犯登録,廃車費用を含む)9万5710円を認めた。
・ レンタカーが事故によって自走不能になり,1か月間使用できなくなったことにつき,レンタカー会社との契約に基づいて被害者が負担したノン・オペレーション・チャージ支払債務相当額10万円を損害として認めた。
・ 事故の2年前に支出した被害車両のコーティング費用(年に1度のメンテナンスで5年間効果が持続)につき,事故の1年前にメンテナンスを実施していたことを認め,無駄になった3年間分3万5000円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 物損事故の場合,被害者の加入している車両保険を使用して解決する方もいらっしゃいますが,等級が下がり翌年からの掛け金が高くなります。被害車両の損害状況や過失割合によっては車両保険の使用をお勧めすることもありますが,弁護士費用特約を使用し,弁護士が加害者と交渉することで,適正な賠償額を回収することができます。弁護士費用特約は使用しても等級が変わらず,翌年からの保険料も変わりません。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は物損の解決実績も多くありますので,車両保険を使用して高くなった保険料を払うか,弁護士費用特約を使用して保険料が変わらずに解決できるか,ぜひ,一度ご相談ください。

【コラム】:物損(28)

2025-10-31

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,車の修理代金や代車使用料などの物損もあります。
 なお,自賠責保険は人身事故のみ対象としており,物損事故による損害は対象外となるため,物損事故による損害は,加害者または加害者が加入している保険会社に請求することになります。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

8.雑費
(3)時価査定料,見積費用等
・ ポルシェ・ボクスターのフレーム修正機による修理が可能かどうかが争点となった事案につき,結果的に経済的に修理不能とはいえないものの,修理を相当とするかどうかの判断に必要であったことに照らして,時価査定料1万0500円を認めた。
・ 支払側で修理見積がされており,それ以上に修理見積をする必要がないとの反論を退けて,修理見積費用3万円を認めた。
・ 実用に供されるというよりは,趣味・嗜好に供される希少価値の高い自動車であるフェラーリ328GTS(1989ないし90年式,日本における初度登録平成2年)の経済的全損事案につき,修理費見積費用70万円余を認めた。
・ 運送会社所有のユニック車(4トン車のボディに6トン積載可能な改造を加えた特殊な大型貨物自動車)につき,フロントアクスル曲がり等の部品の修理を要するか否か判断するための点検費用24万2000円を認めた。
・ ランボルギーニのカーボンバンパーの損傷部位の超音波深傷診断の検査費用2万1600円を認めた。
・ クライスラー・ジープラングラーサハラにつき,日本自動車査定協会作成の事故減価額証明書に記載された金額を評価損として認定しなかったものの,当該証明書は評価損の発生及びその価額を認定するに当たって一定の参考となる資料であるとして,その取得に要した査定料1万2390円を認めた。

(4)廃車料・車両処分費等
・ 全損車両の車両処分費につき,全損を前提とする車両処分費とそうでない通常の車両処分費は異なると考えられるとして,事故に遭わなくても支出しなければならないとの反論を退けて,車両処分費5万1500万円を認めた。
・ 全損の事案につき,解体等費用4万7500円を損害と認め,廃車費用は廃車時期を早めたことに対する損害で相当因果関係を欠くとの主張を斥けた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 物損事故の場合,被害者の加入している車両保険を使用して解決する方もいらっしゃいますが,等級が下がり翌年からの掛け金が高くなります。被害車両の損害状況や過失割合によっては車両保険の使用をお勧めすることもありますが,弁護士費用特約を使用し,弁護士が加害者と交渉することで,適正な賠償額を回収することができます。弁護士費用特約は使用しても等級が変わらず,翌年からの保険料も変わりません。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は物損の解決実績も多くありますので,車両保険を使用して高くなった保険料を払うか,弁護士費用特約を使用して保険料が変わらずに解決できるか,ぜひ,一度ご相談ください。

【コラム】:朝5時~7時の交通事故に注意

2025-10-24

 夕方の5時~7時は交通事故が発生しやすい魔の時間といわれていますが,愛知県警が作成している「交通事故防止のPOINT R7-⑪」によると,朝の5時~7時も危険な時間となります。
 https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/R7-11point.pdf

 11月,12月は朝の5時~7時の間に歩行者が死亡する交通事故が多く発生する傾向にあります。朝の時間帯は,散歩,コンビニエンスストアへの買い物,喫茶店への飲食等で歩行者が多く通行しています。日の出時刻も遅くなっていき,ドライバーから歩行者が認識しにくくなりますので,LEDライト,反射材,明るい服装を心がけましょう。
 また,横断の際は横断歩道を利用する,横断前に左右の安全確認をする,交通量が少なくても信号を守る等,事故が発生しないよう交通ルールを守ることが大切です。

交差点内や交差点付近で歩行者が横断中に事故に遭う場合,歩行者が横断歩道を横断しているかどうかで過失割合が変わってきます。
歩行者は,横断歩道の付近においては,横断歩道によって道路を横断しなければならないとされています。一方,車は,横断歩道により横断している歩行者がある場合は,当該横断歩道の直前で一時停止し,かつ,その通行を妨げないようにしなければならないとされており,横断歩道により道路を横断する歩行者に対しては強い法的保護が与えられています。
横断歩道外を横断している場合でも,おおむね横断歩道の端から外側に1mないし2m居ないの横断や,横断歩道が停止車両により閉塞されているときの当該車両の直前・直後の横断は横断歩道による横断と同視される可能性が高いです。
それ以外の場所でおいては,横断歩道の付近(幹線道路であれば横断歩道の端から外側におおむね40mないし50m以内,それ以外の道路では20mないし30m以内)であれば横断歩道通過後なのか横断歩道の手前なのかによって過失割合が変わってきます。
歩行者の事故の場合,事故態様によって過失割合が変わってきますので,ドライブレコーダー映像や事故の現場図を分析し,正確な事故態様を明らかにしたうえで,適正な過失割合で解決することも非常に大切となります。

死亡事故や重篤な障害が残る事故は賠償額が高額となるため,過失割合がたとえ1割の違いであっても,賠償額が大きく変わってきますので,専門的知識と豊富な解決実績のある交通事故に強い弁護士に相談することが重要になります。

【コラム】:物損(27)

2025-10-17

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,車の修理代金や代車使用料などの物損もあります。
 なお,自賠責保険は人身事故のみ対象としており,物損事故による損害は対象外となるため,物損事故による損害は,加害者または加害者が加入している保険会社に請求することになります。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

8.雑費
(1)車両の引き揚げ費,レッカー代
・ 深夜の事故により走行不能となったことから,事故現場からいったん引き揚げ業者のもとへ移動し,その後修理工場へ移動した2度にわたる移動費用27万円余を認めた。
・ 搬送のために2名を要したことや搬送の距離等に鑑み,直ちに不当ということはできないとして引き揚げ費用6万円を認めた。

(2)保管料
・ 経済的全損の事案につき,事故と相当因果関係があると認められる範囲は,特段の事情のない限り,廃車にするか否かを考慮するのに必要な期間内のものに限られるとして,半月分の保管費用にあたる1万7500円を認めた。
・ 経済的全損の事案につき,長期間交渉を放置した保険会社側の対応も考慮し,修理するか廃車にして買い替えをするかを判断するに必要な期間を3か月間として,その間の車両保管料17万2900円を認めた。
・ 初度登録から20年以上経過したポルシェ・カレラ4Sの経済的全損の事案につき,部品の手配及び見積作成に相応の期間を要すること,高級車両であり,セキュリティの確保された場所で保管しておく必要性が認められること等に鑑み,事故時から修理費用の見積もりが作成されるまでの3か月弱及び見積もり作成後,経済的全損かどうかを判断するのに必要な2週間の合計102日間,日額3000円で合計30万6000円を認めた。
・ 加害者が中古車販売等の会社敷地内に進入し,敷地内に停車していた車両5台を損傷した事故について,被害車両の内,車検が終了して顧客に返却する直前の1台につき,損傷状況に整合性があるかを含めて改めてアジャスターによる確認が必要であるとして,保管場所が展示スペースであることに鑑み,保管費用として1日単価3000円,7日分の2万1000円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 物損事故の場合,被害者の加入している車両保険を使用して解決する方もいらっしゃいますが,等級が下がり翌年からの掛け金が高くなります。被害車両の損害状況や過失割合によっては車両保険の使用をお勧めすることもありますが,弁護士費用特約を使用し,弁護士が加害者と交渉することで,適正な賠償額を回収することができます。弁護士費用特約は使用しても等級が変わらず,翌年からの保険料も変わりません。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は物損の解決実績も多くありますので,車両保険を使用して高くなった保険料を払うか,弁護士費用特約を使用して保険料が変わらずに解決できるか,ぜひ,一度ご相談ください。

【コラム】:物損(26)

2025-10-10

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,車の修理代金や代車使用料などの物損もあります。
 なお,自賠責保険は人身事故のみ対象としており,物損事故による損害は対象外となるため,物損事故による損害は,加害者または加害者が加入している保険会社に請求することになります。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

7.休車損
(3)損害の算定(2)
・ トラクターにつき,被害車両を専属的に運転している運転手が遊休車がないため別の車両の助手として形だけの業務をしている場合の人件費は,休車中も支払を免れない性質の経費と評価できるとして,売上高から控除すべきでないとした。
・ 運送会社の大型貨物車につき,車両が稼働できなかったことによる逸失利益から,車両の運転手が稼働できなかったことにより支払を免れた休日手当,出張手当,調整手当及び時間外手当を差し引いて休車損を算定した。
・ 普通貨物自動車につき,1日あたりの利益は,当該車両の売上高から変動経費のみを控除して固定経費は控除せずに3万8000円とし,休車相当期間は,注文から納車までの3か月程度と新車購入決断までの検討期間1か月程度の合計4か月(120日)として,456万円を認めた。
・ 運送会社の中型貨物自動車につき,売上減少には事故後同種車両を購入せず保有台数を減らしたこと等も寄与していたが,事故後の一定期間車両が使用不能となり車両が稼働していれば得べかりし利益が得られなかったことの寄与も大きかったとし,事故後仮に同種車両を発注していれば納車されたであろう日までの期間60日分,87万円余を認めた。

(4)営業に用いる自家用自動車の休車損(営業損害)
・ 下水道調査用の特殊なTVカメラ等の器具が備え付けられた自家用普通自動車につき,予定していた調査業務を受注できなかったことによる営業損害について,代替品を容易に調達できず,遊休車もなく,事故前後で営業収入の減少が少なくとも,稼働していればより多くの収入が得られていたと認められるとし,当該業務の売上高に事故年度の全国の中小企業全業種平均の売上高総利益率25.02%を乗じた212万1383円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 物損事故の場合,被害者の加入している車両保険を使用して解決する方もいらっしゃいますが,等級が下がり翌年からの掛け金が高くなります。被害車両の損害状況や過失割合によっては車両保険の使用をお勧めすることもありますが,弁護士費用特約を使用し,弁護士が加害者と交渉することで,適正な賠償額を回収することができます。弁護士費用特約は使用しても等級が変わらず,翌年からの保険料も変わりません。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は物損の解決実績も多くありますので,車両保険を使用して高くなった保険料を払うか,弁護士費用特約を使用して保険料が変わらずに解決できるか,ぜひ,一度ご相談ください。

【コラム】:物損(25)

2025-10-03

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,車の修理代金や代車使用料などの物損もあります。
 なお,自賠責保険は人身事故のみ対象としており,物損事故による損害は対象外となるため,物損事故による損害は,加害者または加害者が加入している保険会社に請求することになります。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

7.休車損
(3)損害の算定
・ 大型観光バスにつき,稼働状況及び運賃収入は季節による変動があることが容易に予測できるとして,休車時期の前年同期の稼働実績に基づいて,1日当たりの運賃収入を算定した。
・ 営業用普通貨物車につき,代替車搬入までの49日分80万円を請求した事案において,被害者が取引先からの依頼を断ったことはなく,3台の車両と4人の熟練した従業員により本件事故前と同程度の売上を確保していたが,それは被害者の営業努力による面も大きいとして,上記49日間について,被害車による粗利益の30%に相当する23万7008円の休車損を認めた。
・ 炭素微粒子運搬目的のアルミ製タンク搭載の被害特殊車両が,新造タンク取替工事完了までの約1年間運搬業務ができなかった事案につき,炭素微粒子の注文会社から車両1台につき固定費32万円が支払予定だったことや車両代金が約1287万円と高額であること等から遊休車の存在を認めず,配車の手当が全くできなかった事故後8日間分の休車損22万円余の外,他の輸送先工場に指定されていた同種車両を振替えて輸送を再開した事故後9日目以降の約1年間につき,本来指定されていた輸送先工場での振替車両の稼働実績に基づいた870万円余の休車損の合計893万円余を認めた。
・ 運送会社の大型貨物自動車につき,同社保有の事業用自動車は運転手の欠勤等がない限り営業日は全て毎日稼働している状態であること,事故の結果業務の割当を受けられなかったこと,専属運転手も休んで稼働していなかったことから,売上減少がないとの加害者主張を排斥し,事故前3か月間の運賃収入から変動経費である燃料代,通行料及び人件費を控除した金額を基礎として被害車両が使用できなかった39日間につき,休車損89万円余を認めた。
・ 大型貨物自動車(緑ナンバー)が修理のために使用できず,修理期間中に運送を外部に委託した場合につき,委託運送費用から通行料,燃料費等を控除した20万円を休車損と認めた。
・ 1日当たり4万4100円の収入を計上する残土運搬車について,経費率が不明であることから民訴法248条に基づいて,1日当たりの利益を2万5000円とし,52万5000円の休車損を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 物損事故の場合,被害者の加入している車両保険を使用して解決する方もいらっしゃいますが,等級が下がり翌年からの掛け金が高くなります。被害車両の損害状況や過失割合によっては車両保険の使用をお勧めすることもありますが,弁護士費用特約を使用し,弁護士が加害者と交渉することで,適正な賠償額を回収することができます。弁護士費用特約は使用しても等級が変わらず,翌年からの保険料も変わりません。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は物損の解決実績も多くありますので,車両保険を使用して高くなった保険料を払うか,弁護士費用特約を使用して保険料が変わらずに解決できるか,ぜひ,一度ご相談ください。

【コラム】:物損(24)

2025-09-26

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,車の修理代金や代車使用料などの物損もあります。
 なお,自賠責保険は人身事故のみ対象としており,物損事故による損害は対象外となるため,物損事故による損害は,加害者または加害者が加入している保険会社に請求することになります。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

7.休車損
(2)休車期間
・ 大型貨物自動車につき,過失割合が争点となったので,現物保存のため当初は修理を見合わしていたこと,話合いが不調におわったため修理に出したところ,当初の予想とは違ってエンジン関係にも大分損傷があることが分かったので廃車にしたことから,92日間の休車期間が不当に長すぎるとはいえないとした。
・ 被害車両が科学的検証のため事故から16日間警察署に留置された事案について,当該期間は公益的見地から国民の義務とされているものだから休車期間に含めるべきではないという加害者側の主張を排斥し,当該期間を含めた修理完了までの95日間について休車損を認めた。
・ 大型冷蔵冷凍車につき,車両の損傷状況等に関する保険会社の調査が事故後約1か月を経過したときに行われたこと,取得した車両を被害車両に替えて使用するには相応の整備を要することから,買い換えに要する相当な期間として4か月間を認めた。
・ エンジン損傷の有無を巡り全損か分損かが争われた事業用大型貨物自動車につき,休車期間には修理費の見積もりに要した期間及び相当な交渉期間を含むとし,損害確認報告書の提示等までに142日を要し,その時点でもエンジン検査をするかどうかなどの協議がされていたことから,被害者が上記提示等を機に買替えを決断したとしても遅いと評価できないとし,上記提示等から1か月後までの173日間における所定労働日123日につき,休車損を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 物損事故の場合,被害者の加入している車両保険を使用して解決する方もいらっしゃいますが,等級が下がり翌年からの掛け金が高くなります。被害車両の損害状況や過失割合によっては車両保険の使用をお勧めすることもありますが,弁護士費用特約を使用し,弁護士が加害者と交渉することで,適正な賠償額を回収することができます。弁護士費用特約は使用しても等級が変わらず,翌年からの保険料も変わりません。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は物損の解決実績も多くありますので,車両保険を使用して高くなった保険料を払うか,弁護士費用特約を使用して保険料が変わらずに解決できるか,ぜひ,一度ご相談ください。

【コラム】:高齢歩行者の道路横断中の事故に注意

2025-09-19

 愛知県警が作成している「交通事故防止のPOINT R7-⑨」によると,9月~11月は高齢歩行者の道路横断中の死亡事故が増加します。
 https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/R7-9point.pdf

 特に「左からの車」と衝突する事故が多くなっています。これは,右方の安全を確認し横断を始めたものの,認知機能の低下により左方の安全確認が不足していたり,身体機能の低下により横断に時間が掛かるためです。
 横断中も安全確認を行う,発見されやすいように夜間は明るい服装と反射材を活用する,斜め横断・車両の直前直後の横断をしないことが大切ですが,最も事故を防ぐ方法は,少し遠回りでも信号機のある交差点や横断歩道を渡ることです。
 一方,車の運転手は,横断する人を見つけたら速度を落とすこと,早めのライト点灯とハイビームを活用して,交通事故を防止しましょう。
 
 歩行者が被害に遭う交通事故は,衝撃が生身に伝わるということもあり,死亡事故や重篤な障害が残る事故につながりやすくなります。
 死亡事故や後遺障害が残存した場合,逸失利益(生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のこと)が支払われますが,就労可能年数(67歳)までの年数が長いほど逸失利益は高額となります。
 
 高齢者の場合は,仕事をされている方,家事従事者の方,年金を受給して生活されている方など様々な方がいますので,何を基準に逸失利益を算定するかが争点になることが多くあります。
 死亡逸失利益は,一般的に,死亡事故の賠償項目でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で算定することが非常に重要となります。
 なお,定年退職直後や生活保護を受給していた等の理由で事故当時は無職であっても,再就職の意欲と蓋然性があれば,死亡逸失利益を請求することができる場合もあります。

 また,交通事故で一命を取りとめたものの,一定期間,入院・通院した後に亡くなられる場合もあります。このように,入院・通院後に亡くなられた場合,治療費,葬儀費用,死亡逸失利益,慰謝料のほかに,入院・通院に伴う慰謝料等も当然に請求することができます。治療の結果,後遺障害が残り,その後事故とは別の理由で亡くなったとしても,死亡の事実は考慮せずに,事故後生存している場合と同様に後遺障害逸失利益は請求できます。

 弁護士法人しまかぜ法律事務所は,高齢者の交通死亡事故の解決実績が豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:物損(23)

2025-09-12

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,車の修理代金や代車使用料などの物損もあります。
 なお,自賠責保険は人身事故のみ対象としており,物損事故による損害は対象外となるため,物損事故による損害は,加害者または加害者が加入している保険会社に請求することになります。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

7.休車損
事故のために営業車(緑ナンバー等)が使用できなくなった場合には,相当なる買替期間中もしくは修理期間中,休車損が認められます。
  休車損が認められるには,遊休車がないことの証明(代わりの営業用車両がなかったか),その車両がいくらの利益を出していたかを証明することが必要ですが,これら証明は容易でなく,一般的に休車損の請求は難しいといわれています。
(1)遊休車・代替車両の存在と損害の発生
・ タクシーにつき,無線配車分の売り上げは1台の事故車が休車中であっても他車に配車されることで8割がカバーされるとして,休車損を算定した。
・ タクシー会社であるから代替車両が存在するのが通常であるのに,休車損の発生について主張立証もないとして,休車損を否定した。
・ 貸切大型バスにつき,遊休車を有していても当該事故車両と同格の遊休車が多数存在しこれを代替することが容易にできる場合を除き,所有者に遊休車を利用してやりくりすべき義務を負わせるのは相当でないとした。
・ タクシー会社につき,事故当時,車両の点検整備・修理や乗務予定の者の欠勤のために稼働させることが出来ない車両を除く全ての車両を常時稼働させていたことが認められることから,被害車両の稼働を他の車両の運行によって補うことが出来たとはいえないとして,運賃収入から,燃料費,修理代,乗務員人件費等の諸経費を引いた額について,4.5日分の休車損を認めた。
・ 被害車両(4tロングトラック)につき,全国展開する引っ越し運送業者であっても,実質的に支社ごとの独立採算制を採用し,配車も支社単位で行われている場合,他支社の遊休車を使用して配車調整をすべきとはいえず,休車損はあるが,事故前の稼働率や利益状況が年度や繁閑の時期によって必ずしも同様でなかったこと等から,民訴法248条の趣旨も含め,休車損の日額を2万3000円とした上で,時価額内で修理が可能な業者を探していたため入庫が遅れた期間を除いた事故後23日間を修理着手までの相当期間として,修理期間45日間と合計した68日間と合計した68日分156万円余を認めた。
・ 事業用自動車(10tユニック車)につき,被害者が他に保有していた積載量(3t,4t,7t,8t)の車で代替できたとは認められないとして,事故前3か月の平均稼働率に稼働1日あたりの収益(運賃収入から人件費,燃料代,修繕費及び道路使用料を控除した金額)を乗じた金額を基礎とし,代替車両納車前日までの52日間につき休車損130万円余を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 物損事故の場合,被害者の加入している車両保険を使用して解決する方もいらっしゃいますが,等級が下がり翌年からの掛け金が高くなります。被害車両の損害状況や過失割合によっては車両保険の使用をお勧めすることもありますが,弁護士費用特約を使用し,弁護士が加害者と交渉することで,適正な賠償額を回収することができます。弁護士費用特約は使用しても等級が変わらず,翌年からの保険料も変わりません。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は物損の解決実績も多くありますので,車両保険を使用して高くなった保険料を払うか,弁護士費用特約を使用して保険料が変わらずに解決できるか,ぜひ,一度ご相談ください。

【コラム】:物損(22)

2025-09-05

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,車の修理代金や代車使用料などの物損もあります。
 なお,自賠責保険は人身事故のみ対象としており,物損事故による損害は対象外となるため,物損事故による損害は,加害者または加害者が加入している保険会社に請求することになります。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

6.代車使用料
(4)その他
・ 代車を友人から借りて現実に出費がない場合に,そのお礼をしようと考えていること,外車で中古車市場に同種の車両が多く出回っていないことから,国産ワゴン車の代車料金等を考慮して日額1万5000円,30日分を認めた。
・ 被害者が経済的全損となった被害車両(時価額71万円,修理費125万円余)の買替までの代車を30万円で購入した場合に,保険会社が確答を怠った期間(事故時から3か月間)レンタカーを使用していればその費用は30万円を下回らないとして,購入費と同額を代車使用料として認めた。
・ タクシー等の利用による交通費は,自宅から勤務先までの費用を中心に,概ね日額1万円程度であるが,実質的には被害車(ポルシェ・ボクスター)を使用できないことによる代車使用に代わるものとも評価できることなどに鑑み,修理のために必要な相当期間についての交通費につき,定期券利用により出損を免れ得た乗車券代相当額を控除した34万1020円の範囲で損害と認めた。
・ 事故で破損したポルシェの代車として使用したのが低い格式のトヨタ・マークⅡであったことを理由とした,より高級な代車のレンタカー代金の請求について,これを排斥し,現実に支出を要した金額に限って認めた。
・ 代車を父から借りて,5か月分100万円を支払った事案につき,当該代車の後継車種のレンタル費用が月額20万1300円とされている例に鑑みて月額15万円を相当とした上で,代車を借りた時点で修理費用が支払われない可能性を認識していたが,修理か買替かを検討するための時間が必要であったとして1か月分15万円の代車費用を認めた。
・ 代車使用中,登録車両限定のETCカードによる高速道路料金割引を受けられなかったために増加した高禄道路料金8万円余を損害と認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 物損事故の場合,被害者の加入している車両保険を使用して解決する方もいらっしゃいますが,等級が下がり翌年からの掛け金が高くなります。被害車両の損害状況や過失割合によっては車両保険の使用をお勧めすることもありますが,弁護士費用特約を使用し,弁護士が加害者と交渉することで,適正な賠償額を回収することができます。弁護士費用特約は使用しても等級が変わらず,翌年からの保険料も変わりません。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は物損の解決実績も多くありますので,車両保険を使用して高くなった保険料を払うか,弁護士費用特約を使用して保険料が変わらずに解決できるか,ぜひ,一度ご相談ください。

« Older Entries
〒460-0002 名古屋市中区丸の内1丁目4番12号 アレックスビル3階
Copyright(c) 2021 弁護士法人しまかぜ法律事務所 All Rights Reserved.