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【コラム】:年末年始の交通事故にお気を付け下さい

2024-12-26

 愛知県警察によると,令和6年12月25日現在,交通事故による死者数は138人となっています。昨年より減少しているものの,愛知県内では,例年,12月が交通死亡事故が最も多くなっていますので,年末に向けて,更なる安全運転が求められます。
https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/jikonippou/documents/koutsuushibouzikonippou241225.pdf

 また,強烈な寒波により大雪となっている地域があります。年末年始にかけても引き続き大雪の予報が出ている地域がありますので,帰省やレジャーなどで車を運転される方は,最新の情報を確認した上で,スリップ事故や立往生に注意し,安全運転を心がけてください。

 普段あまり雪が降らない地域に住んでいる場合,冬用のタイヤを用意していないことも多いですが,ノーマルタイヤで雪道を走行する行為自体が交通違反となります。
 また,大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪があるときには「チェーン規制」が発令されますが,「チェーン規制」が発令された場合は,スタッドレスタイヤをつけていたとしても、その上からチェーンを装着しないと走行できません。
 雪道であるにもかかわらず冬用のタイヤやチェーンを装着していない場合は,事故発生時,過失割合が加算される場合がありますので,注意が必要です。

 では,もし年末年始に交通事故の被害に遭ったら,どうすれば良いでしょうか。
 交通死亡事故の場合,お亡くなりになられた方が一家の大黒柱ですと,早急な金銭的サポートが必要になることもあります。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所では,直接,自賠責に保険金を請求し,まず自賠責の範囲内で保険金を獲得し,最終的に弁護士基準との差額を請求しています。2段階の手続きを行うことで早急な金銭回収が可能となり,ご遺族が生活費等でお困りになる危険を回避します。
 ご家族が死亡事故に遭われお困りの方は,ぜひ,早期にご相談ください。

 お怪我をされた場合,年末年始は医療機関が休診していたり,忙しくて医療機関に受診ができない,交通事故から数日後に痛みが生じたなど,気づいたときには事故から2週間以上経過していることもあります。
 この場合,相手方の保険会社やご自身が加入している人身傷害保険に対して,医療機関への受診を希望しても,事故から2週間以上経過している場合は,初診遅れによる因果関係なしと治療費の対応を拒絶されることがほとんどです。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所では,初診遅れで治療費の対応を拒絶された場合,初診遅れの意見書を添付の上で,直接,自賠責に治療費や慰謝料などを請求し,保険金を回収しています。

 また,後遺症が残る事案では,保険会社からの賠償額の提示を待ってから弁護士に相談していては遅い場合があります。
 いつ依頼されても弁護士の費用に変わりはありませんので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,早期にご相談ください。

 その他,交通量が増えることで,「あおり運転」の被害に遭う可能性もあります。
 もし,「あおり運転」の被害に遭ったら,まずは,サービスエリアやパーキングエリア等,交通事故に遭わない場所に避難して,警察に110番通報をしてください。また,「あおり運転」の加害者から暴行を受けないように,車のドアや窓をロックし,車外に出ないようにしましょう。
 車が損傷したり,事故によってケガをした場合は,損害賠償を請求することができます。
 「あおり運転」の立証には,ドライブレコーダーが有効になりますので,ドライブレコーダーの取付をお勧めします。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所では,ドライブレコーダーや事故の現場図を分析して,「あおり運転」に伴う正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしていますので,お困りの方は,ぜひ,ご相談ください。

 

【コラム】:慰謝料(45)

2024-12-23

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(1)加害者に故意もしくは重過失(無免許,ひき逃げ,酒酔い,著しいスピード違反,ことさらに信号無視,薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転等)または著しく不誠実な態度等がある場合
  ③ 傷害事例
・ 加害者に飛び出しを咎められたが,加害者が酒に酔っていたので無視した保母を加害者が追跡し追突した事案で,追突は車間距離不保持が原因とし,危険な態様の追跡で多大な恐怖感を与えたとして,頸部挫傷等の傷害慰謝料50万円(通院107日,実日数28日)を認めたほか,交通事故惹起時点までの不法行為に対する損害賠償として被害者本人に25万円,同乗者に15万円を認めた。
・ 事故により全治一週間の被害を受け1日通院で全治したが,事故直後,加害者が被害者を現場に放置したまま走り去ったため,傷をおして追跡し立ち会い等をした被害者につき,20万円を認めた。
・ 頚椎捻挫,両膝打撲で入院9日間,通院期間146日(実日数15日)の傷害を負ったラーメン店手伝いにつき,加害者が過失の存在を強く争い,全く損害の補填がされていないこと,加害車両の修理に関しても,加害者は被害者の要求にもかかわらず被害者に損傷個所の確認や損傷個所の写真を送付することなく一方的に修理してしまったこと等を考慮して65万円を認めた。
・ 全身打撲,頸部挫傷等で事故から約1年9か月(実日数174日)通院した大学勤務につき,加害者が赤信号無視で交差点に進入したが捜査機関に青信号であったと故意に虚偽の供述をしたため,被害者が被疑者として取り調べを受け,胃炎,円形脱毛症等を発症したことも考慮し,慰謝料200万円を認めた。
・ 追突事故による頚椎捻挫等で約4ヶ月通院した飲食クラブフロント主任につき,加害者が無過失を主張し,信用できない解析を証拠として提出するなどしたため紛争解決までの期間が著しく長期化したこと等を考慮して80万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(44)

2024-12-13

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(1)加害者に故意もしくは重過失(無免許,ひき逃げ,酒酔い,著しいスピード違反,ことさらに信号無視,薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転等)または著しく不誠実な態度等がある場合
  ② 後遺障害事例(2)
   ・ 中学生(14歳,遷延性意識障害等別表第1の1級1号)につき,加害者が事故前,飲酒するのを分かっていながら自動車を運転して宴会場に行って自制せずに飲酒し,帰宅時には代行か家人を呼んで帰るように言われていたにもかかわらず運転したことから,傷害分500万円のほか,本人分3000万円,両親各400万円,後遺障害分合計3800万円を認めた。
・ 第一腰椎圧迫骨折で入院期間128日,通院期間338日の特許事務職員(固定時48歳,11級7号)につき,加害者が捜査段階において,事実と異なる自らにとって有利な内容の調書が作成されたことを認識しながらこれを放置していたとの適切さを欠く対応をし,被害者が加害者に対して不信感,不快感を抱かざるを得ない状況にしたこと,加害者が遅れながらであるが病院の個室利用料の差額の一部等を支払っていること等を考慮し,入院期間を基にする通常の慰謝料額より加算した315万円とするのが相当とした。
・ 生活保護受給者(73歳,遷延性意識障害等別表第1の1級1号相当,事故の302日後に死亡)につき,約10ヶ月の入院慰謝料306万円のほか,加害者は救助せず逃走し,刑事公判手続でも事故を起こしたことを否認し,飛んできた段ボールの箱にぶつかったなどど被害者を冒涜するような不合理な弁解をして反省の態度を見せていないこと,そのため被害者は任意保険による被害弁償を一切受けられなかったことなど不誠実な対応を加味すると,相応の増額がされてしかるべきであるとして,本人分3000万円,非同居の子2人の固有慰謝料各100万円,後遺障害分合計3200万円を認めた。
・ 兼業主婦(固定時47歳,高次脳機能障害9級,顔面等の醜状等併合9級の併合8級相当)につき,加害者が飲酒運転発覚を免れるため職務質問を無視して発進し,追跡を振り切るため時速約135km(法定速度時速60km)で走行したという極めて危険な運転をし,故意にも比肩すべき重過失があること,衝突後もアクセルを踏み続け逃走を図ろうとしたと窺われ,何らの救護措置もとらなかったことから,傷害分277万円のほか,症状痕に対する逸失利益を認めないこと,加害者の悪質性を考慮し後遺障害分1100万円を認めた。
・ 立体駐車場保守点検業(固定時55歳)につき,加害者が飲酒した上,ゲームをプレイするためにスマートフォンを脇見していた悪質性により,傷害慰謝料(入院期間9日間,通院期間511日)を226万円とし,同悪質性に加え,頚部等の痛み等,嗄声構音障害等という系統を異にする14級相当の後遺障害が2つあることから,後遺障害分180万円を認めた。
・ 会社員(固定時49歳,両目視力障害等併合2級,しびれ,吐き気,痛み,全身倦怠感等3級,右眼右側組織陥没7級,心機能障害等併合10級ほかから併合1級,入院中に一時心肺停止)につき,加害者が無免許かつ覚醒剤を使用した状態で事故を引き起こした上,救護義務を果たさずに逃走したという事故の悪質さ等考慮し,傷害分400万円のほか,本人分3300万円,妻200万円,娘100万円,後遺障害分合計3600万円を認めた。を

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(43)

2024-12-06

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(1)加害者に故意もしくは重過失(無免許,ひき逃げ,酒酔い,著しいスピード違反,ことさらに信号無視,薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転等)または著しく不誠実な態度等がある場合
  ② 後遺障害事例
   ・ 加害者が刑事裁判で治療費は全額支払うと述べたのに,被害者の父親が示談書に押印しなかったことから治療費の支払いを打ち切ったこと,酒気帯び運転につき刑事裁判で有罪が確定しているのに民事裁判で否認していることなどを考慮して,傷害分550万円,女性の神経症状,大腿部の著しい醜状痕の後遺障害350万円を認めた。
・ 工務店員(固定時32歳,急性硬膜下血腫,脳挫傷等による精神的症状9級)につき,受傷3ヶ月後から病状照会を繰り返し,債務不存在確認を求める調停の申立や本訴を提起した加害者側の反応が,事故により精神的症状を生じていた被害者にさらに深刻な影響を与えた可能性があるとして,傷害分と後遺障害分合計850万円を認めた。
・ タクシー乗務員(固定時65歳,左膝と左足の関節機能障害9級相当ほか併合8級)につき,入院532日,通院1201日(実日数420日)という長期の治療(数度の手術含む)及びリハビリを強いられたこと,酒気帯び状態で,はみ出し禁止場所で追い越しをかけ対向車線を進行してきた被害車両と正面衝突した事故態様,事故後被害者を救護せずに逃走したこと,刑事裁判で判決後も見舞いに訪れると述べながら一度も見舞いに訪れず,刑事裁判の最中に有利な情状となる物損の示談契約を成立させながら,物損と人損の損害賠償請求は一個であるとの理由で損益相殺に関連して物損の損害立証を被害者に求めたこと等から,傷害分500万円を認めた。
・ エステティシャン(事故時34歳,咀嚼機能障害10級,左肩関節の機能障害10級,左肩鎖関節亜脱臼に伴う鎖骨の変形障害12級の併合9級)につき,下顎挫創,左肩鎖関節脱臼,左肩甲骨骨折,右恥骨骨折等で入院34日,通院341日間したこと,国際資格を取得して従事する予定であった仕事が不可能になったこと,加害者が本件事故当時酒気帯び運転をしたうえ救護義務及び報告義務違反をしたこと等から,後遺障害分1500万円を認めた。
   ・ 新聞配達員兼主婦(62歳,左大腿骨骨折による神経症状喪失率5%)につき,入院期間が約1年3ヶ月に及ぶこと,加害者が危険な飲酒運転に及んだ上で事故を起こしたこと,路上に転倒した被害者を認識しつつ救護せず逃走したこと,加害車両の損壊部分を塗色により修理して隠蔽したこと等から,傷害分261万円,後遺障害分310万円を認めた。
・ 会社員(固定時43歳,神経系統の機能に著しい障害5級)につき,傷害分290万円のほか,加害者が酒気帯びで追突したことから後遺障害分1700万円を認めた。
・ 外傷性肝損傷,上顎骨折等で10日入院し約5ヶ月の通院後,症状固定前に別の交通事故で死亡した高校生(事故時15歳,歯牙障害10級)につき,加害者が相当な飲酒で事故を発生させた常習的な飲酒運転者で,ひき逃げをし,逃走後に車を修理するという証拠隠滅工作を行い,無車検・無保険自動車であったこと等から,請求を上回る障害分219万円,後遺障害分795万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:日没後は高齢歩行者事故が多発

2024-11-30

 愛知県警察が作成している「交通事故防止のPOINT」によると,日没後は高齢歩行者の事故が多発しています。
 https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/202412point.pdf

 過去5年間に愛知県内で発生した事故を分析した結果,交通事故による「人(歩行者)対車両」事故の死傷者構成率は,「日没前」よりも「日没後」,「高齢者以外」よりも「高齢者」が多いことがわかりました。特に「日没後」の「高齢者」の死傷者構成率は,顕著に高くなっています。
 原因のひとつとして,加齢に伴う視機能の変化(低下)があります。加齢による視機能の変化はゆっくり進行することが多いため自分で気がつきにくいですが,眼科での検査によって現在の自分を知ったうえで、安全な行動をとることがとても重要です。
 歩行者だけでなく,ドライバーにとっても影響する可能性がありますので,「自分の存在は相手に気づいてもらえているのか」,「自分が認識していない人や車がいないか」を考えて行動することが大切になります。
 
 高齢者が交通死亡事故の被害に遭われた場合,損害賠償を請求する際に問題となるのが,死亡逸失利益(生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のこと)です。
 高齢者といっても,仕事をされている方,家事従事者の方,年金を受給して生活されている方など様々な方がいますので,何を基準に死亡逸失利益を算定するかが争点になることが多くあります。
 死亡逸失利益は,一般的に,死亡事故の賠償項目でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で算定することが非常に重要となります。
 なお,定年退職直後や生活保護を受給していた等の理由で事故当時は無職であっても,再就職の意欲と蓋然性があれば,死亡逸失利益を請求することができる場合もあります。

 また,交通事故で一命を取りとめたものの,一定期間,入院・通院した後に亡くなられる場合もあります。このように,入院・通院後に亡くなられた場合,治療費,葬儀費用,死亡逸失利益,慰謝料のほかに,入院・通院に伴う慰謝料等も当然に請求することができます。
 なお,治療の結果,後遺障害が残り,その後事故とは別の理由で亡くなったとしても,死亡の事実は考慮せずに,事故後生存している場合と同様に後遺障害逸失利益は請求できます。

 弁護士法人しまかぜ法律事務所は,高齢者の交通死亡事故の解決実績が豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(42)

2024-11-22

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(1)加害者に故意もしくは重過失(無免許,ひき逃げ,酒酔い,著しいスピード違反,ことさらに信号無視,薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転等)または著しく不誠実な態度等がある場合
  ① 死亡事例
ウ その他
(ウ)高齢者等
・ 主婦(71歳)につき,加害者は貨物自動車を被害者に衝突させて車底部に被害者を巻き込み,衝突の瞬間,傘を持った人に車をぶつけたかもしれないと考えながらも,約33メートル走行させてから停車し,車から降りずに,運転席から上半身を車外に乗り出して右後方を見ただけで発進させ,さらに120メートル引きずったことから,2800万円を認めた。
・ 年金生活者(69歳)につき,加害者が著しい前方不注視で事故を起こしたうえ,事故発生後に現場から逃走し,破損したナンバープレートを捨てるなどの証拠隠滅行為を行い,実刑判決を受けて服役し出所後も損害賠償に応じる姿勢を見せないのは極めて悪質であるとして,本人分2200万円,妻400万円,子3人各100万円の合計2900万円を認めた。
・ 被害者(67歳)につき,加害者が事故直後には謝罪したものの,事故の半年後から衝突の事実を否認し,刑事事件手続では不合理な供述を繰り返すなどしたため,刑事判決確定まで事故から約3年3ヶ月を要したこと等から,本人分2200万円,被害者と同居していた妻400万円,次女300万円,非同居の長女200万円の合計3100万円を認めた。
・ 年金生活者(69歳)につき,歩行中に仮睡状態の加害車両に衝突され側溝に転落して死亡し,相当時間放置されたこと,加害者が救護義務を果たしていないことなどから,本人分2000万円,離婚した元妻との間の子2人各150万円,再婚した妻400万円,再婚した妻の連れ子(養子)200万円の合計2900万円を認めた。
・ 年金生活者(68歳)につき,加害者は,被害者が赤信号で横断していたと捜査機関に誤認させるために虚偽供述を行い,不起訴処分の判断に影響を与えたこと,遺族は真実発見のための情報収集活動を余儀なくされたこと,責任を転嫁する供述により被害者の名誉・遺族の心情が大いに害されたこと等から,本人分2150円,妻400万円,子3人各150万円の合計3000万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(41)

2024-11-15

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(1)加害者に故意もしくは重過失(無免許,ひき逃げ,酒酔い,著しいスピード違反,ことさらに信号無視,薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転等)または著しく不誠実な態度等がある場合
  ① 死亡事例
ウ その他
(イ)子供,幼児等
・ 姉妹(3歳と1歳)につき,加害者が飲酒運転で縁石にぶつかりながら蛇行するなどし,料金所の職員から注意されても無視して運転を続行し,サービスエリアで更に持ち込んだウイスキーを飲酒する等して,渋滞減速した被害車両に追突して炎上させ,被害車両内に閉じ込められた被害者ら姉妹を焼死させた等の事情を考慮して,各3400万円(本人2600万円,父母各400万円)を認めた。
・ 中学生(14歳)につき,加害者が刑事裁判において遺族から常軌を逸した対応と評価されてもやむを得ないような訴訟態度を示したこと,遺族に対して真摯な反省ないし謝罪を示していないこと等から,本人分2600万円,父母各200万円の合計3000万円を認めた。
・ 中学生(12歳)につき,加害者が会社から取り外しの指示があったにもかかわらず大型貨物車の助手席のドアのガラス部にスモークフィルムを貼って左方視界を悪化させていたなど,職業運転手としての交通安全意識の欠如や,慰藉の措置を講じておらず不誠実であると評価されても致し方ないことから,本人分2000万円,父母各400万円,弟200万円の合計3000万円を認めた。
・ 被害者(9歳)につき,加害者は朝まで量がわからないくらい飲酒し,事故後救護せずコンビニで強力な口臭消しを購入し,衝突まで全く被害者に気がついていなかったにもかかわらず捜査段階ではこれを隠す供述をし,父母が事故後心療内科に通院したことから,基準額の3割増しを相当とし,本人分2750万円,父母各250万円の合計3250万円を認めた。
・ 中学生(14歳)につき,加害者が抗てんかん薬の服用を日常的に怠っていたこと,指示どおりに抗てんかん薬を服用せずに物損事故を起こしたことがあること,刑事事件の公判で薬を服用していた旨の虚偽の供述をした等から,本人分2600万,父母各400万円の合計3400万円を認めた。
・ 男児(5歳)につき,加害者は事故日に交番に出頭しているが,人を礫過したかもしれないことを認識したのに事故現場から逃走したこと,報告義務違反・救護義務違反に関する刑事事件で否認したこと等から,本人分2400万円,父母各300万円の合計3000万円を認めた。
・ 小学生(9歳)につき,加害者が運転席横のシート上に置いたスマートフォンのゲーム画面を見ながら運転し,前方に被害者を含めた小学生の集団がいることを認めた後,再び,ゲーム画面に目を転じたため,衝突直前になるまで横断歩道上の被害者に気がつかずに衝突しており,事故原因が夢中になっていたゲームに気を取られていたという単に加害者の欲求から出たものであること,事故後も被害者への声かけを積極的に行っている様子がないこと等を考慮し,本人分2500万円,父母各200万円,事故を目の前で目撃した兄100万円,同居の祖父母各50万円の3100万円と,搬送の約2時間後に死亡であるが傷害分1万7666円を認めた。
・ 中学3年生(15歳)につき,加害者が被害者の救護及び警察への報告をせずに加害車両を修理業者に持ち込んだことから事故が発覚したこと,運転免許が取り消された後の刑事公判手続中に無免許運転をして逮捕追起訴されたこと,被告人質問中にあくびをしたり検察官による遺族への謝罪の求めにも応答しなかった等から,昏睡,脳死の状態が継続していた入院41日分100万円のほか,本人分2500万円,父母各250万円,兄120万円の合計3120円を認めた。
・ 女児(11歳)につき,てんかん発作による意識喪失下で加害車が歩道上の児童らに衝突した事案につき,加害者が持病であるてんかん発作歴を隠して運転免許の更新を受け,運転を続けていたこと等から,本人分2600万円,父母各200万円,兄100万円の合計3100万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(40)

2024-11-08

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(1)加害者に故意もしくは重過失(無免許,ひき逃げ,酒酔い,著しいスピード違反,ことさらに信号無視,薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転等)または著しく不誠実な態度等がある場合
  ① 死亡事例
ウ その他
(ア)独身の男女
 ・ 大学生(19歳)につき,加害者が一方的かつ重大な過失によって被害者を死亡させたにもかかわらず事故後逃走を続け,逮捕後も完全黙秘し,刑事裁判でも事故は被害者の速度違反によるものであるなどと述べ,被害弁償を全くせず,謝罪の言葉すら述べないこと等を勘案し,3000万円を認めた。
 ・ 高校生(17歳)につき,加害者が昭和59年ころ免許取消処分を受けて無免許となったまま平成13年2月ころ加害車両を購入し毎日の通勤に使用していたこと,飲酒運転が常態化し本件事故の際も酩酊状態であったこと,同乗者の制止を無視して赤信号無視で交差点に進入したこと,衝突後,頭部から大量の血を流して倒れている被害者に対して「危ないじゃないか」と怒鳴りつけ,持ち上げて揺すり,投げ捨てるように元に戻したこと等から,本人分3000万円,父母各300万円,妹300万円の合計3900万円を認めた。
 ・ 飲食店勤務(19歳)につき,加害者らの危険運転行為(正面衝突する寸前まで接近して急ハンドルで衝突をかわす行為)により,加害車両と衝突して転倒後,加害車両の底部に巻き込まれたまま約212メートルにわたり引きずられ,後輪に礫過され死亡したもので,通常の死亡事故とは性質を異にするとして,本人分3000万円,父母各300万円,兄150万円の合計3750万円を認めた。
 ・ 大学生(19歳)につき,加害者が3件の店で飲酒を重ね仮睡の状態で事故を起こしたこと,救護措置を講じなかったこと,飲酒運転が日常的であったこと,被害者の母は事故後抑うつ状態と診断されていること,次兄は本件事故が遠因となって大学を退学したこと等から,本人分2500万円,父母各200万円,兄2人各100万円の合計3100万円を認めた。
 ・ 会社員(34歳)につき,加害者が被害車両に非常識な割込みをされたと立腹し,報復のために至近距離を保ったまま約400メートルにわたって加害車両で煽り行為を行い,被害者がほぼノーブレーキで先行車へ衝突するという事故を招いたこと等から,3000万円を認めた。
 ・ 塗装工(35歳)につき,加害者が救護も警察への連絡もせず事故現場から立ち去り,事故発覚を恐れて運行記録チャートを破棄したこと等から,本人分2300万円,母500万円の合計2800万円を認めた。
 ・ アルバイト(17歳)につき,脇見,飲酒運転,一時停止違反,ひき逃げ等の事情から,本人分2300万円,父母各300万円,姉2人各100万円の合計3100万円を認めた。
 ・ 大学生(20歳)につき,本件事故は加害者が公道において無免許で無保険無車検のフォークリフトを運転し,右後方を確認しないまま,道路右側に駐車したトラックの影から方向転換してフォーク部分を露出させるという極めて危険な行為により生じたものであること等から,本人分2500万円,父母各250万円の合計3000万円を認めた。
 ・ 居酒屋勤務(15歳)につき,加害者が酒気を帯びた状態で運転し,パトカーに追尾されながら停止せず,法定速度を大幅に超える速度で進行したこと等から,本人分2500万円,離婚後に親権者となり生計を共通にしていた母500万円,父100万円の合計3100万円を認めた。
 ・ 会社員(50歳)につき,加害者(19歳)が酒に酔った状態で,制限時速を35~45キロ超過した時速85~95キロで走行し,対向車線に加害車を進入させ被害車両に衝突したこと等から,本人分3200万円,母300万円の合計3500万円を認めた。
 ・ 高速道路で道路工事の標識車及び側壁に衝突した車両に同乗の会社員(26歳)につき,制限速度(時速60キロメートル)を約68キロ上回る高速(時速128キロメートル)で走行し,約27メートル手前で初めて道路工事の標識車に気付いたもので,速度超過及び前方不注視の程度が著しい危険な運転であること等から,本人分2700万円,両親各150万円の合計3000万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(39)

2024-11-01

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(1)加害者に故意もしくは重過失(無免許,ひき逃げ,酒酔い,著しいスピード違反,ことさらに信号無視,薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転等)または著しく不誠実な態度等がある場合
  ① 死亡事例
イ 母親,配偶者
 ・ 被害者(66歳)につき,交渉段階で加害者の保険会社担当者が被害者の過失割合30%を主張したこと,本訴で加害者が被害者40%の過失相殺を主張したことが過度の過失相殺の主張であり,相当な権利主張の範囲を著しく逸脱するものとして,慰謝料算定の一事由として考慮し,2400万円を認めた。
 ・ 主婦兼アルバイト(43歳)につき,加害者が多量に飲酒し正常な運転が困難な状態で加害車両を走行させ,仮眠状態に陥って本件事故を惹き起こした悪質さ,運転動機の身勝手さ,3人の子の成長を見届けることなく生命を奪われた被害者の無念さ等から,本人分2700万円,夫200万円,子3人各100万円の合計3100万円を認めた。
 ・ 主婦(36歳)とその子である小学生2名(女12歳,男8歳)につき,高速道路渋滞停止中に大型貨物車が時速50km制限のところ,殆ど無制動のまま時速82kmで追突し,夫は一瞬にして最愛の妻と2人の子を失ったことなどを考慮し,主婦本人分2800万円,小学生2人本人分各2500万円,主婦の父母各200万円を認めた。
 ・ 主婦(56歳)につき,工事規制の高速道路上で渋滞のため徐行していた被害者に前方不注視のうえ制限速度を40km超過して走行していた加害者が追突した事故態様等から,本人分2600万円,夫250万円,息子2人各100万円,父50万円の合計3100万円を認めた。
 ・ 小学校教員(50歳)につき,加害車両が居眠り運転に陥り,路側帯内側を歩行中の被害者に衝突させて死亡させた事故態様の悪質性,加害者及びその親族の態度により被害者感情を強めたことなど一切の事情を考慮し,本人分2400万円,夫240万円,子2人各120万円,両親各120万円,結婚するまで共に生活し,結婚後は離れて生活するようになったが,その後も頻繁に交流を持ち,円満な親戚関係を築いていた妹120万円の合計3240万円を認めた。
・ 主婦兼アルバイト(57歳)につき,酒気帯びで夜間にもかかわらず前照灯を灯火せず,制限速度(時速40km)を大幅に超過(時速約81km)し,たばこの火を消すために灰皿に目を落とした前方不注視の事故につき,本人分2200万円,夫300万円,子3人各200万円の合計3100万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:自転車運転中のながらスマホの禁止・罰則化,酒気帯び運転の罰則化

2024-10-25

 令和6年11月1日から改正道路交通法が施行され,自転車運転中のながらスマホの禁止・罰則化,酒気帯び運転の罰則化がされます。
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/cycle_kaisei.html

 スマートフォンなどを手で保持して,自転車に乗りながら通話する行為,画面を注視する行為が新たに禁止され,罰則の対象となりました。停止中の操作は対象外です。
 違反者は6月以下の懲役または10万円以下の罰金となり,交通の危険を生じさせた場合1年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。

 自転車の酒気帯び運転のほか,酒類の提供や同乗・自転車の提供に対して新たに罰則が整備されました。
 違反者は3年以下の懲役または50万円以下の罰金,自転車の提供者は3年以下の懲役または50万円以下の罰金,酒類の提供者・同乗者は2年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。
 
 自転車は,自動車と違い免許が不要で気軽に乗れることから,小さいお子さまや高齢者の方を含め,普段自動車を運転しない方も,たくさんの方が使用しています。
 しかしながら,自転車による交通事故は,衝撃が生身に伝わるということもあり,死亡事故や重篤な後遺障害が残存する事故につながりやすくなります。
 死亡事故や後遺障害が残存した場合,逸失利益(生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のこと)が支払われますが,就労可能年数(67歳)までの年数が長いほど逸失利益は高額となります。
 ただし,67歳を超えている方や67歳までの年数が簡易生命表の平均余命の2分の1よりも短くなる被害者については,原則として,平均余命の2分の1の年数となります。
 逸失利益は,一般的に,死亡事故や後遺障害の賠償項目でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で算定することが大切です。

 後遺障害の中で重篤なものとして,頭部を損傷することで生じる,遷延性意識障害や高次脳機能障害があります。
 遷延性意識障害や高次脳機能障害となると,被害者のみならず介護を行う家族の生活が,事故前とでは一変することになります。
 特に自転車利用時は,ヘルメットを着用することで,頭部への衝撃を減らすことができますので,ご自身や大切な人を守るため,安全基準を満たす自転車乗車用ヘルメットを着用することが大切です。

 なお,交通の危険を生じさせるおそれのある一定の違反行為(危険行為)を繰り返す自転車運転者に対して,自転車運転者講習の受講が義務づけられておりますが,ながらスマホと酒気帯び運転についても,対象となりました。
 自転車運転者講習は14歳以上が対象となっていますが,ぜひ,13歳未満のお子さまも,信号の遵守,一時停止,左側通行などの基本的なルールを改めて確認していただき,正しく安全に自転車に乗りましょう。

 弁護士法人しまかぜ法律事務所は,自転車の交通死亡事故や遷延性意識障害,高次脳機能障害の解決実績が豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

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