【コラム】:過失割合について(自転車と四輪車・単車との事故 6.対向車同士の事故)

2020-10-06

交通事故の被害者および加害者には,それぞれの過失に応じた過失割合というものが決められます。
過失の割合に応じて賠償額が減額されるため,交通事故において,過失の割合はとても大きな問題となります。
そこで,事故態様ごとの過失割合をご紹介します。

6.対向車同士の事故
  同一道路を対向方向から直進している車両同士の衝突事故です。
  自転車又は四輪車が道路外の施設または場所に出るための右折,横断,転回等をして道路中央から右側部分にはみ出した場合については,【301】,【308】,【309】の基準となります。
  また,道路交通法17条5項により,車両が道路中央から右側部分にその全部又は一部をはみ出して通行することができる場合も,本基準の対象外となります。
(1)自転車センターオーバー・四輪車直進【302】

 

 

 

 

   自転車:50   四輪車:50
直進車が,対向車のセンターオーバーを発見した後,進路を左に変更し,あるいは遅滞なく制動すれば容易に衝突を回避することができたにもかかわらず,対向車が早晩自車線内に戻るであろうと軽信したため,あるいは,前方不注視のため,避譲措置をとることができなかった場合,前方不注視等の修正要素が適用されます。
上記より前方不注視の経過時間が長い場合,道路が余り広くなく,かつ,中央線の表示もない道路において,前方不注視のため,わずかに道路中央を越えた対向車と接触した場合は,著しい前方不注視等の修正要素が適用されます。

(2)自転車右側端通行・四輪車直進【303】

 

 

 

 

   自転車:20   四輪車:80
   自転車が道路の右側端を通行することはまれではなく,四輪車・単車側においても視認が容易であるから,一般のセンターオーバーと同視できませんが,互いに接近する関係に立つことから,衝突を回避することが困難になる面があることを考慮して,基本の過失相殺率を定めています。

(3)自転車直進・四輪車センターオーバー【304】

 

 

 

 

   自転車:0   四輪車:100

 

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,令和元年の交通事故死者数が17年ぶりに全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。

自転車と四輪車・単車との事故の場合,自転車の運転手が亡くなられたり,重篤な後遺障害が残る場合が多く,賠償額が大きくなります。過失割合がたとえ1割の違いであっても,受け取れる金額が大きく変わってきますので,適正な過失割合で解決をすることが大切です。

しまかぜ法律事務所では,事故の現場図を分析したり,正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしています。
また,自転車と四輪車・単車との交通事故の解決実績も豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

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