【コラム】:11月は横断中の歩行者死者が年間最多

2021-10-25

 愛知県警察が作成している「交通事故防止のPOINT」によると,平成28年から令和2年までの5年間の月別の横断中の死者数は,11月が最多となっています。また,死者の74.2%は高齢者となっています。
https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/zikobousinopoinntoR3.11gatu.pdf

 日没前後は,辺りがだんだん暗くなり,視認性が悪い時間帯です。夕方の5時~7時は交通死亡事故が発生しやすい魔の時間とされていますが,11月の点灯時刻の目安はそれよりも早い午後4時となっています。ヘッドライトを早めに点灯し,前車がいない場合はハイビームを活用するなど,視認性を確保することが大切です。

 また,歩行者の方も,ドライバーの方から発見されやすいように,明るい服装を心がけたり,反射材を活用しましょう。夜間に車から歩行者が見える距離は,黒っぽい服装で約26メートル,明るい服装で約38メートル,反射材着用で57メートル以上になります。時速60キロメートルで急ブレーキをかけたときの停止距離は約44メートルといわれていますので,反射材を身につけることで交通事故に遭う可能性を減らすことができます。反射材は服につけるだけでなく,カバンや靴,傘,リストバンドなど,様々な種類がありますので,取り入れやすい物を選んで,活用していただくことができます。
https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/topics/hannshazainoshoukai.html

 歩行者と四輪車・単車との事故の過失割合は,歩行者が信号を遵守して横断歩道を横断いる場合,信号機の設置されていない横断歩道を横断している場合は,歩行者に過失はありません。しかしながら,黄信号で横断を開始した場合や,横断歩道以外の場所を横断している場合には,当然,歩行者にも過失が発生します。
 歩行者が被害に遭う交通事故は,衝撃が生身に伝わるということもあり,死亡事故や重篤な障害が残る事故につながり,賠償額が高額となることが多くあります。賠償額が高額となると,過失割合がたとえ1割の違いであっても,賠償額が大きく変わってきますので,相手方も過失を主張し,争いになることが少なくありません。

 近年は,自動車側にドライブレコーダーが設置されていることも多くなっていますが,警察や保険会社へのドライブレコーダーの提出は任意となっているため,運転手に不利な状況が録画されている場合は,提出しない人もいます(裁判になれば,裁判所命令で提出義務が生じます)。
 ドライブレコーダーがなく,目撃者もいないと,適正な過失割合で事故の解決をするためには,裁判せざるを得ない場合もあります。裁判となると,専門的知識と経験のある交通事故に強い弁護士に相談することが大切になります。

 弁護士法人しまかぜ法律事務所は、保険会社から相手方:依頼者=0:100と提示されたにも関わらず,依頼者の言い分を根拠付ける資料を分析して主張することで,裁判において,相手方:依頼者=100:0と全面勝訴した事例もあります。過失割合にお困りの方は,ぜひ,ご相談ください。

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