【コラム】:過失割合について(駐車場内の事故 2.歩行者と四輪車との事故(2))

2021-03-15

交通事故の被害者および加害者には,それぞれの過失に応じた過失割合というものが決められます。
過失の割合に応じて賠償額が減額されるため,交通事故において,過失の割合はとても大きな問題となります。
そこで,事故態様ごとの過失割合をご紹介します。

2.歩行者と四輪車との事故
(2)通路上における事故【338】
   駐車場内の通路は,主として,駐車場を利用する四輪車が駐車場内を移動するための設備ですが,歩行者専用の通路を備えた駐車場が多くないこともあり,歩行者が駐車場内の通路を通行する例は日常的にみられます。したがって,駐車場内の通路を通行する四輪車は,人の往来があることを常に予見し,歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行する注意義務を負います。
   他方,駐車場内の通路が主として四輪車の移動のための設備である以上,歩行者においても,駐車場内の通路を通行する場合は,四輪車が通行することを常に予見し,駐車区画内を通行する場合よりも一層慎重に進路の安全を確認すべきです。
   以上の事情から,駐車場内の通路において歩行者と四輪車との事故が発生した場合は,原則として四輪車側が重い責任を負いますが,歩行者もある程度の責任は免れません。

 

 

 

 

   歩行者:自動車=10:90
   四輪車が通路を進行する他の車両の通常の進行速度を上回る速度で進行していた場合,右左折時や後退時などに,進行方向の見通しが悪い場所で徐行(歩行者が直前に飛び出してきても直ちに停止することができる程度の速度)しなかった場合等には,自動車に著しい過失ありとなります。
   
 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,2年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。

 駐車場の事故の場合,低速で走行しているため,車両の損傷は大きくないものの,どちらの車両が通路へ先入していたか,一方の車両が停止していたか否かなど,事故態様が争いになることが多くあります。
 しまかぜ法律事務所では,双方車両のドライブレコーダー映像や商業施設等の防犯カメラ映像を分析し,正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしています。
 駐車場内の事故の解決実績も豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

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