【コラム】:過失割合について(四輪車同士の事故 1.交差点における直進車同士の出合い頭事故 (1)信号機により交通整理の行われている交差点における事故)

2018-09-17

 

 

 

交通事故の被害者および加害者には,それぞれの過失に応じた過失割合というものが決められます。
過失の割合に応じて賠償額が減額されるため,交通事故において,過失の割合はとても大きな問題となります。
そこで,事故態様ごとの過失割合をご紹介します。

1.交差点における直進車同士の出合い頭事故
(1)信号機により交通整理の行われている交差点における事故
   信号機が設置されていても,黄点滅信号や赤点滅信号が表示されているだけの交差点は,交通整理の行われていない交差点になります。
  ア 【98】青信号車と赤信号車の事故

 

 

 

 

  青信号車:0 赤信号車:100

  車両等は,信号機の表示する信号等に従わなければならず,信号機の設置された交差点における信号の規制は,ほとんど絶対的です。したがって,信号違反車と信号遵守車との事故は,原則として,信号違反者の一方的過失に基づくものとされます。
  ただし,信号に従っている車両であっても,前方左右に対する通常の安全確認をせず,又は信号違反車の発見後容易に回避措置をとることができたのに,これを怠った場合には,青信号車に過失を認める場合があります。

  イ 【99】黄信号車と赤信号車との事故

 

 

 

 

        黄信号車:20 赤信号車:80

  車両は,黄信号の場合には,停止位置を越えて進行してはならない(ただし,黄信号が表示されたときにおいて当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く)ので,信号無視という点では赤信号を無視した車両と同質となります。
        しかし,行為の危険性の大小において赤信号車の黄信号車とでは顕著な差があるので,双方の過失を対比して過失割合を定めています。
 

  ウ 【100】赤信号同士の事故

 

 

 

 

        赤信号車:50 赤信号車:50

  車両は,赤信号の場合には,停止位置を越えて進行してはなりません。両車とも赤信号違反という重大な過失があり,一般的には行為の危険性の点でも有意な差はないと考えられます。
     

愛知県内での交通死亡者数は,2003年から15年連続全国ワーストとなっています。
特に,高齢者の交通死亡事故が増加しており,2018年上半期終了時点高齢者が6割を占めています。

事故の目撃者がいない場合,どちらの信号無視であるか主張が対立することもあり,示談による解決が難しくなることもあります。
死亡事故や重篤な後遺障害が残る事故の場合は賠償額が大きくなりますので,過失割合がたとえ1割の違いであっても,受け取れる金額が大きく変わってきますので,適正な過失割合で解決をすることが大切です。

しまかぜ法律事務所では,事故の現場図を分析したり,正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしています。
また,高齢者の交通事故の解決実績も豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

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