【コラム】:過失割合について(四輪車同士の事故 1.交差点における直進車同士の出合い頭事故 (2)信号機により交通整理の行われていない交差点における事故(3))

2018-10-07

 

 

 

交通事故の被害者および加害者には,それぞれの過失に応じた過失割合というものが決められます。
過失の割合に応じて賠償額が減額されるため,交通事故において,過失の割合はとても大きな問題となります。
そこで,事故態様ごとの過失割合をご紹介します。

1.交差点における直進車同士の出合い頭事故
(2)信号機により交通整理の行われていない交差点における事故(3)
  オ 一方が優先道路である場合【105】
    優先道路とは,道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいいます。幹線道路,片側二車線以上ある道路及び中央分離帯が設置されている道路など,優先性が明らかな優先道路以外の場合においては,一時停止規制のある場合の基準(【104】)に準じて考えることもあります。
    優先道路を通行している車両等は,見とおしがきかない交差点を通行する場合においても徐行義務はありませんが,道路交通法36条3項「車両等は,交差点に入ろうとし,及び交差点内を通行するときは,当該交差点の状況に応じ,交差道路を通行する車両等,反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し,かつ,できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない」の注意義務は依然として要求されています。優先車にも前方不注視,若干の速度違反等何らかの過失が肯定されることが多いため,通常の過失を前提として基本の過失相殺率を設定しています。
   

 

 

 

    優先車:10 劣後車:90

  カ 一方道路車両用信号赤色表示と押しボタン式歩行車用信号青色表示(交差道路の車両用信号なし)交差点の場合【106】
        一方道路を通行する車両は,対面する信号に規制されますが,他方,交差道路の信号機は歩行者専用であるから,横断歩道を通行する歩行者及び普通自転車のみが規制され,交差道路を通行する車両は,信号に規制されないことになります。
        したがって,このような交差点は,交差道路から交差点に入る車両との関係では信号機により交通整理の行われていない交差点と解され,交差道路から交差点に入る車両は,対面する信号がないことになるので,信号の表示のいかんにかかわらず,直進,右折,左折することができます。
        

 

 

 

          歩行者専用信号青色表示:30 車両信号赤色表示:70

愛知県内での交通死亡者数は,2003年から15年連続全国ワーストとなっています。
特に,高齢者の交通死亡事故が増加しており,2018年上半期終了時点高齢者が6割を占めています。

死亡事故や重篤な後遺障害が残る事故の場合は賠償額が大きくなりますので,過失割合がたとえ1割の違いであっても,受け取れる金額が大きく変わってきますので,適正な過失割合で解決をすることが大切です。

しまかぜ法律事務所では,事故の現場図を分析したり,正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしています。
また,高齢者の交通事故の解決実績も豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

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