【コラム】:過失割合について(単車と四輪車との事故 8.転回車と直進車との事故)
交通事故の被害者および加害者には,それぞれの過失に応じた過失割合というものが決められます。
過失の割合に応じて賠償額が減額されるため,交通事故において,過失の割合はとても大きな問題となります。
そこで,事故態様ごとの過失割合をご紹介します。
8.転回車と直進車との事故
本基準でいう転回は,1回の操作で短時間内にこれを完了するUターンを指します。スイッチターンは,従来の進行方向の路上において一旦停止し,付近の小路の出口等に後退した上,従来の進行方向とは逆方向に入るために右折するという複雑な動作を含むものであるから,事故の状況に応じて後退や道路外出入車の基準を参考にして個別に過失相殺率を検討するのが相当です。
(1)転回中の事故
直進車が転回車と同一方向に走行している際の衝突事故は,一種の進路変更に伴う事故の形態になりますが,その過失相殺率は,【225】,【226】と異なっています。進路変更に比し,転回の方が,直進車の進路をより急激に塞ぐことになるのが通常であるためです。進路変更より転回の方が,運転者としては注意深くしているのが実情です。
転回危険場所とは,見とおしがきかない道路,交通が特に頻繁な道路のことをいいます。転回禁止場所とは,道路標識等により転回が禁止されている道路の部分をいいます。
ア 単車直進・四輪車転回中【229】
直進車:10 転回車:90
イ 単車転回中・四輪車直進【230】
転回車:70 直進車:30
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,令和元年の交通事故死者数が17年ぶりに全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
単車と四輪車との事故の場合,単車の運転手が亡くなられたり,重篤な後遺障害が残る場合が多く,賠償額が大きくなります。過失割合がたとえ1割の違いであっても,受け取れる金額が大きく変わってきますので,適正な過失割合で解決をすることが大切です。
しまかぜ法律事務所では,事故の現場図を分析したり,正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしています。
また,単車と四輪車との交通事故の解決実績も豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。