【コラム】:愛知県内令和4年交通事故の特徴

2023-01-27

 警察庁によると,令和4年中の全国の交通事故死者数は2610人となり,前年より26人減少しています。
https://www.npa.go.jp/news/release/2023/20230104001jiko.html

 愛知県内の死者数は137人で,昨年より20人増加しています。全国ワーストを4年連続回避していますが,今なお多くの尊い命が交通事故で失われ,多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいらっしゃいます。
https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/kakuteisuu202212.pdf

 死者数を当事者別でみると,歩行者が大幅に増えています。
 また,自転車の死者20人全員がヘルメット非着用となっており,ヘルメットを着用しないと死亡につながりやすいことが分かります。道路交通法の一部改正により,令和5年4月1日から全ての自転車利用者に乗車用ヘルメットの着用が努力義務化されます。愛知県では既に2021年10月1日から自転車乗車用ヘルメットの着用が努力義務となっていますので,ご自身や大切な人の命を守るため,自転車乗車時のヘルメット着用を忘れないようにしましょう。

 死者数を年齢層別にみると,65歳以上の高齢者は64人となり,死者数全体の半数を占めています。令和4年は,若者(16歳~24歳),一般(25歳~64歳)の死者数が増加しています。

 歩行者が被害に遭う交通事故は,衝撃が生身に伝わるということもあり,死亡事故や重篤な障害が残る事故につながりやすくなります。
 死亡事故や後遺障害が残存した場合,逸失利益(生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のこと)が支払われますが,逸失利益は賠償項目でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で算定することが非常に重要となります。
 高齢者の場合は,仕事をされている方,家事従事者の方,年金を受給して生活されている方など様々な方がいますので,何を基準に逸失利益を算定するかが争点になることが多くあります。
 未就労者(学生,生徒,幼児)の場合は,労働能力喪失期間は原則18歳からとなりますが,大学卒業を前提とする場合は,大学卒業時となります。基礎収入は,若年労働者(事故時概ね30歳未満)として,全年齢平均の賃金センサスを用いるのが原則となっています。
 それ以外の方についても,給与所得者なのか,事業所得者なのか,会社役員なのか,家事従事者なのか,失業者なのか,その方によって算定方法が異なりますので,適正な逸失利益を受け取るためには,実績のある交通事故専門の弁護士が交渉することが不可欠です。

 弁護士法人しまかぜ法律事務所は,全年齢の交通死亡事故の解決実績が豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

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