【コラム】:同乗事故における減額(9)
2.同乗者のシートベルト等の不装着が問題となった事例
同乗者のシートベルト不装着と損害の発生・拡大との間に因果関係が認められる場合には,減額されることがあります。
(2)相手車両の運転者との関係で減額
・ 身長・体重とも2歳児より大きな2歳7ヶ月の被害者の祖父である運転者が被害者をジュニアシートに座らせて被害車両を運転中,中央線を越えた加害車両に正面衝突され,被害者が両下肢完全麻痺等(別表第1の1級1号)の後遺障害を負った事案につき,少年者用補助乗車装置の区別は一応の目安に過ぎず,被害者の体格に照らしてもジュニアシートを使用したことが法令に違反していると認めるには足りず,事故の衝撃の大きさに鑑みるとチャイルドシートを使用した場合は被害者の内臓等を強度に圧迫したことも想定され得ること等を理由に,被害者側の過失による過失相殺を否定した。
・ 対向車線を逆走してきた加害車に衝突され,路上に投げ出された被害車の後部座席同乗被害者が加害車運転者に損害賠償を請求した事案につき,シートベルトを装着していれば車外に投げ出されず,シートベルトの不装着が被害者の傷害結果の拡大に寄与した可能性は否定できないが,加害車運転者は職務質問で飲酒運転の発覚を免れるため法定速度の倍以上である時速約135キロで加害車を走行させ,故意にも比肩すべき重過失があるとして,過失相殺を行うべきでないとした。
・ 停止中のタクシーの後部座席にシートベルトを着用せず乗車中,加害車両に追突され頚髄不全損傷等を負い脊柱変形(11級7号)を残した被害者につき,シートベルトを着用していたとしても,頭頸部に対する衝撃等は避けられず,また,シートベルトの装着義務は被害者に直接課された義務ではないこと等を考慮し,過失相殺を行うのは相当ではないとした。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,7年連続交通事故死者数全国ワーストを脱却していますが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
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