【コラム】:同乗事故における減額(6)

2026-09-25

1.無償同乗(好意同乗)
(2)同乗者の帰責事由による減額が問題となった事例
同乗者に一定の帰責事由(危険承知,危険関与・増幅等)がある場合には,減額されることがあります。
② 減額を認めた事例(3)
 ・ 加害者が激しい雨のなか時速約80キロ以上の高速度で無謀運転をし同乗中の被害者を死亡させた単独事故につき,被害者がともに飲酒して加害運転者の飲酒・疲労を認識しながら同乗したのは飲酒運転を助長した側面があり,無謀運転を注意しなかった落ち度は否定できないが,被害者が事故の直接の原因である加害者の過失に関与したり,加害者の飲酒を積極的に教唆・幇助したとも認められず,むしろ加害者の依頼等を断りにくい関係であったこと等から,1割を減額するに止めた。
・ 加害者が時速40キロに加速して交差点を左折しようとしたため車両が転倒し箱乗り同乗中の被害者(15歳)を死亡させた事故につき,自ら言い出して箱乗りしていた被害者に過失相殺すべきであるが,箱乗りを容認した年上の加害者にも責任があるとして被害者の過失割合を2割とした。
・ 夜間から未明にかけて店舗の駐車場に徐々に集まり飲酒していた被害者ら総勢9名(全員無免許)がドライブに行くことになり,被害者ら2名がバイト先の自動車を無断で持ち出してきて2台でドライブしていたところ,駐車場で飲酒のためろれつの回らない状態になっていた加害者に運転を交替した後の午前4時半頃,側道への急転把により横転して,助手席に同乗中の被害者が重症を負った事故につき,被害者らに鍵を預けていたバイト雇用主及び他の同乗者らはいずれも共同運行供用者であるが,被害者は彼らとの関係では自賠法3条の他人にあたらないとしたうえで,運転者の709条責任のみを認め,被害者が,運転者(事故の1時間後の検知で血中アルコール濃度が1dlあたり78mg)が飲酒していることを知りながら運転を制止することなく容認していたことに被害者がシートベルトを着用していなかったことも併せ考慮して20%を減額した。
・ 原動機付自転車の運転者(事故時15歳)の指示でハンドルと運転席の間のステップ部分にヘルメットをかぶらずにしゃがんで同乗中の被害者(事故時13歳)が,同車が交差点に赤信号で進入して青信号で進入した車両と衝突したため,脳外傷に起因する高次脳機能障害等(別表第1の1級1号)の後遺障害を負った事案につき,被害者の体制は運転者の正常な運転操作を妨げるものでありヘルメット不着用が損害の発生及び拡大に寄与したとする一方,被害者が赤信号無視を容認したり助長したりした事情は認められないとして2割の過失相殺をした。
・ 高速道路の出路から侵入し,逆走した車両に,対向方向から進行してきた車両が正面衝突し,逆走車両の同乗者が死亡した事故につき,同乗者は,逆走車両を運転していた加害者が相当量の飲酒をしたことを認識しながら,シートベルトを着用しないまま助手席に乗り,高速道路の出路から侵入し,逆走していることをも認識していたと認められ,同乗者にも落ち度があったと言わざるを得ないとして,20%を減額した。
 
 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,7年連続交通事故死者数全国ワーストを脱却していますが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は,同乗者についても適切な賠償額で解決していますので,ぜひ,一度ご相談ください。

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