【コラム】:過失割合について(高速道路上の事故 5.歩行者と自動車との事故)

2021-01-29

交通事故の被害者および加害者には,それぞれの過失に応じた過失割合というものが決められます。
過失の割合に応じて賠償額が減額されるため,交通事故において,過失の割合はとても大きな問題となります。
そこで,事故態様ごとの過失割合をご紹介します。

5.歩行者と自動車との事故
(1)本線車道を歩行中の歩行者の事故【332】
   高速道路の本線車道上の歩行者が自動車に衝突された場合を想定しており,歩行者が路肩等にいた場合は想定外です。
   高速自動車国道法17条1項においては,何人もみだりに高速自動車国道に立ち入り,又は高速自動車国道を自動車による以外の方法により通行してはならないとされているから,高速道路上に歩行者がいることは法律上予定されていないものというべきです。
   したがって,高速道路上にいたこと自体,歩行者の重大な過失といわなければならず,相当大きな過失相殺がされるのはやむを得ないですが,高速道路の見とおしが比較的よいことを考慮すると,昼間であれば,自動車の運転者としても歩行者を発見することは必ずしも困難ではないと考えられます。
   そこで,自動車側にも前方不注視又はハンドル・ブレーキ操作の不適切等の安全運転義務違反の過失があることを前提として,歩行者の基本の過失相殺率を定めています。
   なお,自転車も,歩行者と同様に,高速道路上にいることが法律上予定されていないので,高速道路の本線上に進入した自転車が自動車に衝突された場合についても,本基準が準用されます。

 

 

 

 

   歩行者:80   自動車:20

 
(2)駐停車車両の近傍の歩行者の事故【333】
   高速道路上に駐停車車両がある場合,非常措置(例えば,停止表示器材の設置等)を講ずるために駐停車車両の近傍に人がいることが多く,また,自動車の運転者としても,高速道路上に駐停車車両があれば,近傍に人がいることを容易に知り得ます。
   したがって,このような場合,【332】より歩行者に有利に考えるべきです。
   同様の理由により,本基準は,高速道路上の工事現場付近にいた工事関係者の事故にも適用することができます。
   また,運転者以外の同乗者についても,自動車が高速で走行している車道に出る行為自体が極めて危険であることからすれば,同乗していた自動車に火災・爆発等の危険がある場合等,車外に出ることがやむを得ない場合を除いては,原則として本基準によるべきです。
   なお,近傍の意味については,道路の状況,駐停車の態様等により一概にはいえませんが,おおむね10m以内をいいます。

 

 

 

 

   歩行者:40   自動車:60

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,2年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。

 高速道路の事故の場合,時速80kmを超える高速度で走行しているため,死亡事故や重篤な後遺障害が残る場合が多く,賠償額が大きくなります。過失割合がたとえ1割の違いであっても,受け取れる金額が大きく変わってきますので,適正な過失割合で解決をすることが大切です。

しまかぜ法律事務所では,事故の現場図を分析したり,正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしています。
また,自転車と四輪車・単車との交通事故の解決実績も豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

Copyright(c) 2020 しまかぜ法律事務所 All Rights Reserved.