【コラム】:休業損害について(会社役員の算定方法)

2016-06-05

被害者の属性に応じた休業損害を連載させていただいています。

第3回は,会社役員休業損害です。

会社役員休業損害で問題になることが多いのは, 算定方法,②会社自体の損害(企業損害)を請求できるかです。

まずは,算定方法について説明させていただきます。

会社役員が休業して株主総会で役員報酬減額された場合,その減額分がただちに休業損害として認定されるわけではありません。

役員報酬には,Ⅰ労務対価部分と,Ⅱ利益配当部分の性格があります。会社役員休業損害として認定されるのは,Ⅰ労務対価部分での減額のみです。Ⅱ利益配当部分は休業しても得られるため,休業損害として認定されません。

労務対価部分は,次の項目を総合考慮して認定されます。
ⅰ会社規模
 大規模であれば,労務対価の性格は弱くなります
ⅱ会社の利益状況
 事故が原因で役員報酬が減額されたことの証明です。例えば,事故前期に純利益があり繰越利益剰余金もあって蓄積がある場合,事故前からの減収を理由として役員報酬を減額する必要はないため,事故が原因と認定される可能性が高くなります。
 また,小規模企業の場合,役員=株主であることが少なくなく,随意に役員報酬を減額して会社に内部留保にして休業損害を得た後に引き出して二重利益を得るおそれがあります。そこで,本当に休業によって会社が減収し,役員報酬を減額されたことを証明する必要があります(会社の減収と役員報酬減額の関連性)。
ⅲ役員の地位・職務内容
 労務対価として認定できる職務を行っているかです。
ⅳ年齢
 労務を想定できないほどの高齢ではないか。同じ年齢の給与所得者はどの程度の給与を得ているかも参考にします。
ⅴ役員報酬の額
 同じ年齢の給与所得者とあまりにも金額に差異がある場合,利益配当部分の性格が強いと言えます。
ⅵ他の役員の職務内容と報酬額の比較
 他の役員より高額であれば,利益配当部分の性格が強くなります。
ⅶ他の従業員の給与額の比較
 従業員は労務対価として給与を得ているため参考になります。

会社役員休業損害で必要な資料は,次のとおりです。
法人事業概況説明書
   会社規模を把握するためです。
決算報告書
 会社の利益状況を把握するためです。
月次損益計算書
 会社の利益状況を把握するためです。
株主総会議事録
 事故が原因で役員報酬が減額された内容が記載された臨時株主総会議事録です。
ⅴ就労制限の診断書
 会社役員の休業損害は争いになることが多いため,休業の必要性についても医師に意見をもらっておいた方が良いです。

しまかぜ法律事務所では,依頼者の特性に応じてもっとも適正な算定方法で請求を行います。役員報酬として認定可能と思われる休業損害額,請求にあたって必要な資料を,依頼者ごとに個別に考えてご案内しています。また,休業の必要性について,医師に医療照会を行ったり,カルテなどから証明を行います。
会社役員休業損害でお困りの方は,実績豊富なしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

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