Archive for the ‘コラム’ Category

【コラム】:慰謝料(41)

2024-11-15

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(1)加害者に故意もしくは重過失(無免許,ひき逃げ,酒酔い,著しいスピード違反,ことさらに信号無視,薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転等)または著しく不誠実な態度等がある場合
  ① 死亡事例
ウ その他
(イ)子供,幼児等
・ 姉妹(3歳と1歳)につき,加害者が飲酒運転で縁石にぶつかりながら蛇行するなどし,料金所の職員から注意されても無視して運転を続行し,サービスエリアで更に持ち込んだウイスキーを飲酒する等して,渋滞減速した被害車両に追突して炎上させ,被害車両内に閉じ込められた被害者ら姉妹を焼死させた等の事情を考慮して,各3400万円(本人2600万円,父母各400万円)を認めた。
・ 中学生(14歳)につき,加害者が刑事裁判において遺族から常軌を逸した対応と評価されてもやむを得ないような訴訟態度を示したこと,遺族に対して真摯な反省ないし謝罪を示していないこと等から,本人分2600万円,父母各200万円の合計3000万円を認めた。
・ 中学生(12歳)につき,加害者が会社から取り外しの指示があったにもかかわらず大型貨物車の助手席のドアのガラス部にスモークフィルムを貼って左方視界を悪化させていたなど,職業運転手としての交通安全意識の欠如や,慰藉の措置を講じておらず不誠実であると評価されても致し方ないことから,本人分2000万円,父母各400万円,弟200万円の合計3000万円を認めた。
・ 被害者(9歳)につき,加害者は朝まで量がわからないくらい飲酒し,事故後救護せずコンビニで強力な口臭消しを購入し,衝突まで全く被害者に気がついていなかったにもかかわらず捜査段階ではこれを隠す供述をし,父母が事故後心療内科に通院したことから,基準額の3割増しを相当とし,本人分2750万円,父母各250万円の合計3250万円を認めた。
・ 中学生(14歳)につき,加害者が抗てんかん薬の服用を日常的に怠っていたこと,指示どおりに抗てんかん薬を服用せずに物損事故を起こしたことがあること,刑事事件の公判で薬を服用していた旨の虚偽の供述をした等から,本人分2600万,父母各400万円の合計3400万円を認めた。
・ 男児(5歳)につき,加害者は事故日に交番に出頭しているが,人を礫過したかもしれないことを認識したのに事故現場から逃走したこと,報告義務違反・救護義務違反に関する刑事事件で否認したこと等から,本人分2400万円,父母各300万円の合計3000万円を認めた。
・ 小学生(9歳)につき,加害者が運転席横のシート上に置いたスマートフォンのゲーム画面を見ながら運転し,前方に被害者を含めた小学生の集団がいることを認めた後,再び,ゲーム画面に目を転じたため,衝突直前になるまで横断歩道上の被害者に気がつかずに衝突しており,事故原因が夢中になっていたゲームに気を取られていたという単に加害者の欲求から出たものであること,事故後も被害者への声かけを積極的に行っている様子がないこと等を考慮し,本人分2500万円,父母各200万円,事故を目の前で目撃した兄100万円,同居の祖父母各50万円の3100万円と,搬送の約2時間後に死亡であるが傷害分1万7666円を認めた。
・ 中学3年生(15歳)につき,加害者が被害者の救護及び警察への報告をせずに加害車両を修理業者に持ち込んだことから事故が発覚したこと,運転免許が取り消された後の刑事公判手続中に無免許運転をして逮捕追起訴されたこと,被告人質問中にあくびをしたり検察官による遺族への謝罪の求めにも応答しなかった等から,昏睡,脳死の状態が継続していた入院41日分100万円のほか,本人分2500万円,父母各250万円,兄120万円の合計3120円を認めた。
・ 女児(11歳)につき,てんかん発作による意識喪失下で加害車が歩道上の児童らに衝突した事案につき,加害者が持病であるてんかん発作歴を隠して運転免許の更新を受け,運転を続けていたこと等から,本人分2600万円,父母各200万円,兄100万円の合計3100万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(40)

2024-11-08

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(1)加害者に故意もしくは重過失(無免許,ひき逃げ,酒酔い,著しいスピード違反,ことさらに信号無視,薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転等)または著しく不誠実な態度等がある場合
  ① 死亡事例
ウ その他
(ア)独身の男女
 ・ 大学生(19歳)につき,加害者が一方的かつ重大な過失によって被害者を死亡させたにもかかわらず事故後逃走を続け,逮捕後も完全黙秘し,刑事裁判でも事故は被害者の速度違反によるものであるなどと述べ,被害弁償を全くせず,謝罪の言葉すら述べないこと等を勘案し,3000万円を認めた。
 ・ 高校生(17歳)につき,加害者が昭和59年ころ免許取消処分を受けて無免許となったまま平成13年2月ころ加害車両を購入し毎日の通勤に使用していたこと,飲酒運転が常態化し本件事故の際も酩酊状態であったこと,同乗者の制止を無視して赤信号無視で交差点に進入したこと,衝突後,頭部から大量の血を流して倒れている被害者に対して「危ないじゃないか」と怒鳴りつけ,持ち上げて揺すり,投げ捨てるように元に戻したこと等から,本人分3000万円,父母各300万円,妹300万円の合計3900万円を認めた。
 ・ 飲食店勤務(19歳)につき,加害者らの危険運転行為(正面衝突する寸前まで接近して急ハンドルで衝突をかわす行為)により,加害車両と衝突して転倒後,加害車両の底部に巻き込まれたまま約212メートルにわたり引きずられ,後輪に礫過され死亡したもので,通常の死亡事故とは性質を異にするとして,本人分3000万円,父母各300万円,兄150万円の合計3750万円を認めた。
 ・ 大学生(19歳)につき,加害者が3件の店で飲酒を重ね仮睡の状態で事故を起こしたこと,救護措置を講じなかったこと,飲酒運転が日常的であったこと,被害者の母は事故後抑うつ状態と診断されていること,次兄は本件事故が遠因となって大学を退学したこと等から,本人分2500万円,父母各200万円,兄2人各100万円の合計3100万円を認めた。
 ・ 会社員(34歳)につき,加害者が被害車両に非常識な割込みをされたと立腹し,報復のために至近距離を保ったまま約400メートルにわたって加害車両で煽り行為を行い,被害者がほぼノーブレーキで先行車へ衝突するという事故を招いたこと等から,3000万円を認めた。
 ・ 塗装工(35歳)につき,加害者が救護も警察への連絡もせず事故現場から立ち去り,事故発覚を恐れて運行記録チャートを破棄したこと等から,本人分2300万円,母500万円の合計2800万円を認めた。
 ・ アルバイト(17歳)につき,脇見,飲酒運転,一時停止違反,ひき逃げ等の事情から,本人分2300万円,父母各300万円,姉2人各100万円の合計3100万円を認めた。
 ・ 大学生(20歳)につき,本件事故は加害者が公道において無免許で無保険無車検のフォークリフトを運転し,右後方を確認しないまま,道路右側に駐車したトラックの影から方向転換してフォーク部分を露出させるという極めて危険な行為により生じたものであること等から,本人分2500万円,父母各250万円の合計3000万円を認めた。
 ・ 居酒屋勤務(15歳)につき,加害者が酒気を帯びた状態で運転し,パトカーに追尾されながら停止せず,法定速度を大幅に超える速度で進行したこと等から,本人分2500万円,離婚後に親権者となり生計を共通にしていた母500万円,父100万円の合計3100万円を認めた。
 ・ 会社員(50歳)につき,加害者(19歳)が酒に酔った状態で,制限時速を35~45キロ超過した時速85~95キロで走行し,対向車線に加害車を進入させ被害車両に衝突したこと等から,本人分3200万円,母300万円の合計3500万円を認めた。
 ・ 高速道路で道路工事の標識車及び側壁に衝突した車両に同乗の会社員(26歳)につき,制限速度(時速60キロメートル)を約68キロ上回る高速(時速128キロメートル)で走行し,約27メートル手前で初めて道路工事の標識車に気付いたもので,速度超過及び前方不注視の程度が著しい危険な運転であること等から,本人分2700万円,両親各150万円の合計3000万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(39)

2024-11-01

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(1)加害者に故意もしくは重過失(無免許,ひき逃げ,酒酔い,著しいスピード違反,ことさらに信号無視,薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転等)または著しく不誠実な態度等がある場合
  ① 死亡事例
イ 母親,配偶者
 ・ 被害者(66歳)につき,交渉段階で加害者の保険会社担当者が被害者の過失割合30%を主張したこと,本訴で加害者が被害者40%の過失相殺を主張したことが過度の過失相殺の主張であり,相当な権利主張の範囲を著しく逸脱するものとして,慰謝料算定の一事由として考慮し,2400万円を認めた。
 ・ 主婦兼アルバイト(43歳)につき,加害者が多量に飲酒し正常な運転が困難な状態で加害車両を走行させ,仮眠状態に陥って本件事故を惹き起こした悪質さ,運転動機の身勝手さ,3人の子の成長を見届けることなく生命を奪われた被害者の無念さ等から,本人分2700万円,夫200万円,子3人各100万円の合計3100万円を認めた。
 ・ 主婦(36歳)とその子である小学生2名(女12歳,男8歳)につき,高速道路渋滞停止中に大型貨物車が時速50km制限のところ,殆ど無制動のまま時速82kmで追突し,夫は一瞬にして最愛の妻と2人の子を失ったことなどを考慮し,主婦本人分2800万円,小学生2人本人分各2500万円,主婦の父母各200万円を認めた。
 ・ 主婦(56歳)につき,工事規制の高速道路上で渋滞のため徐行していた被害者に前方不注視のうえ制限速度を40km超過して走行していた加害者が追突した事故態様等から,本人分2600万円,夫250万円,息子2人各100万円,父50万円の合計3100万円を認めた。
 ・ 小学校教員(50歳)につき,加害車両が居眠り運転に陥り,路側帯内側を歩行中の被害者に衝突させて死亡させた事故態様の悪質性,加害者及びその親族の態度により被害者感情を強めたことなど一切の事情を考慮し,本人分2400万円,夫240万円,子2人各120万円,両親各120万円,結婚するまで共に生活し,結婚後は離れて生活するようになったが,その後も頻繁に交流を持ち,円満な親戚関係を築いていた妹120万円の合計3240万円を認めた。
・ 主婦兼アルバイト(57歳)につき,酒気帯びで夜間にもかかわらず前照灯を灯火せず,制限速度(時速40km)を大幅に超過(時速約81km)し,たばこの火を消すために灰皿に目を落とした前方不注視の事故につき,本人分2200万円,夫300万円,子3人各200万円の合計3100万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:自転車運転中のながらスマホの禁止・罰則化,酒気帯び運転の罰則化

2024-10-25

 令和6年11月1日から改正道路交通法が施行され,自転車運転中のながらスマホの禁止・罰則化,酒気帯び運転の罰則化がされます。
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/cycle_kaisei.html

 スマートフォンなどを手で保持して,自転車に乗りながら通話する行為,画面を注視する行為が新たに禁止され,罰則の対象となりました。停止中の操作は対象外です。
 違反者は6月以下の懲役または10万円以下の罰金となり,交通の危険を生じさせた場合1年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。

 自転車の酒気帯び運転のほか,酒類の提供や同乗・自転車の提供に対して新たに罰則が整備されました。
 違反者は3年以下の懲役または50万円以下の罰金,自転車の提供者は3年以下の懲役または50万円以下の罰金,酒類の提供者・同乗者は2年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。
 
 自転車は,自動車と違い免許が不要で気軽に乗れることから,小さいお子さまや高齢者の方を含め,普段自動車を運転しない方も,たくさんの方が使用しています。
 しかしながら,自転車による交通事故は,衝撃が生身に伝わるということもあり,死亡事故や重篤な後遺障害が残存する事故につながりやすくなります。
 死亡事故や後遺障害が残存した場合,逸失利益(生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のこと)が支払われますが,就労可能年数(67歳)までの年数が長いほど逸失利益は高額となります。
 ただし,67歳を超えている方や67歳までの年数が簡易生命表の平均余命の2分の1よりも短くなる被害者については,原則として,平均余命の2分の1の年数となります。
 逸失利益は,一般的に,死亡事故や後遺障害の賠償項目でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で算定することが大切です。

 後遺障害の中で重篤なものとして,頭部を損傷することで生じる,遷延性意識障害や高次脳機能障害があります。
 遷延性意識障害や高次脳機能障害となると,被害者のみならず介護を行う家族の生活が,事故前とでは一変することになります。
 特に自転車利用時は,ヘルメットを着用することで,頭部への衝撃を減らすことができますので,ご自身や大切な人を守るため,安全基準を満たす自転車乗車用ヘルメットを着用することが大切です。

 なお,交通の危険を生じさせるおそれのある一定の違反行為(危険行為)を繰り返す自転車運転者に対して,自転車運転者講習の受講が義務づけられておりますが,ながらスマホと酒気帯び運転についても,対象となりました。
 自転車運転者講習は14歳以上が対象となっていますが,ぜひ,13歳未満のお子さまも,信号の遵守,一時停止,左側通行などの基本的なルールを改めて確認していただき,正しく安全に自転車に乗りましょう。

 弁護士法人しまかぜ法律事務所は,自転車の交通死亡事故や遷延性意識障害,高次脳機能障害の解決実績が豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(38)

2024-10-18

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

5 慰謝料の増額事由
(1)加害者に故意もしくは重過失(無免許,ひき逃げ,酒酔い,著しいスピード違反,ことさらに信号無視,薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転等)または著しく不誠実な態度等がある場合
  ① 死亡事例
ア 一家の支柱
 ・ 会社代表取締役(61歳)につき,加害者が忘年会で飲酒後酩酊しながら自動車で帰宅する途中,高速道を一般道と錯覚して転回して逆走するという常軌を逸した運転行為により事故を発生させたこと,事故後残された被害者の病弱な妻が自殺を図ったこと,謝罪意思の表明の在り方等において加害者に配慮の欠けた面があったこと等を考慮し,3600万円を認めた。
・ 被害者(54歳)につき,加害者が酒酔い運転で車両を対向車線に進入させたため事故が生じたこと,事故後携帯電話をかけたり煙草を吸ったりするだけで救助活動を一切しなかったこと,捜査段階で自らの罪を逃れるため被害者がセンターラインを先にオーバーしてきたと供述したこと等を考慮し,本人分2600万円,妻500万円,母500万円の合計3600万円を認めた。
・ 運輸会社ドライバー(32歳)につき,運転者の恒常的長時間過重労働状態による居眠り運転で加害タンクローリーが渋滞停車中の車列に追突し,死者3名負傷者6名という甚大な被害が出たこと,加害会社代表者らが居眠りでないように事故原因を偽るよう指示していたこと,原告となっていない被害者の父母が自賠責保険から支払いを受けていることなどを考慮し,本人分2800万円,妻500万円,子2人各100万円の合計3500万円を認めた。
・ 自営業(56歳)と専業主婦(56歳)の夫婦につき,両名が同時に死亡したこと,加害者が長時間にわたり飲酒を続け,高度の酩酊状態で高速走行し中央線を突破して対面自動車に正面衝突した事故であること,加害車両同乗者(共同不法行為者)は,運転者の刑事裁判では運転者の関与を相当程度認めたのに自身の刑事裁判では運転者の刑事裁判と一転して不合理な弁解に終始したこと等から,本人分3200万円,子4人各400万円の合計8000万円を認めた。
・ 会社員(30歳)につき,加害者は無免許飲酒運転であった上,逃走し,約2.9kmにもわたり故意に引きずり死亡させたという殺人罪にも該当する極めて悪質かつ残酷なものであること,引きずられながら絶命した被害者の苦痛苦悶は筆舌に尽くしがたいこと,30歳にして妻,子を残して突然命を奪われた無念さを考慮し,本人分3500万円,妻子各250万円の合計4000万円を認めた。
・ 会社員(33歳)につき,加害者が車上荒らしが発覚してパトカーに追跡されたことから逃れようとして時速約80kmで反対車線を走行したこと,事故後被害者を救護していないこと,被害者が念願の結婚式を挙げたばかりであったこと等を考慮し,本人分3200万円,妻400万円,父母各250万円の合計4100万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(37)

2024-10-11

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

4 損害算定困難等を慰謝料で斟酌した事例
(3)逸失利益の算定が困難または不可能な場合
  ① 労働能力喪失が認められないとされた事例
   ウ 嗅覚障害
・ 大学生(事故時31歳,嗅覚障害12級相当,顔面醜状14級の併合12級)につき,逸失利益が認められないことを考慮し,600万円を認めた。

エ 骨盤骨変形
 ・ 臨時職員(23歳,骨盤骨の著しい奇形12級,右足外側にケロイド状線状痕14級,右足神経症状14級の併合12級)につき,就労能力に特段の影響がないとして逸失利益としては考慮せず,傷害分160万円,後遺障害分300万円を認めた。
・ 公務員(24歳,骨盤変形12級等)につき,現実の減収がなく逸失利益を認め難いが,職場での不自由,昇格面や長期的将来における不安等を考慮し,600万円を認めた。

オ 生殖器の障害
 ・ 派遣会社員(25歳,生殖機能障害11級,右手関節障害12級の併合10級)につき,生殖機能障害が逸失利益に反映されない点を考慮して,560万円を認めた。
・ 美術講師(31歳,腰部以下の運動障害9級,脊柱変形11級,左腎萎縮7級,骨盤骨変形12級の併合6級)につき,婚姻生活の制限を強いることが予想されるとして,傷害分を含む慰謝料総額3296万円を認めた。
・ 兼業主婦(固定時37歳,生殖器の障害11級相当,左股関節痛12級,左大腿部の知覚障害,左下肢の知覚障害感覚障害等12級の併合10級)につき,自然分娩が困難となり,出産時に帝王切開を余儀なくされることから将来の不安が大きいことを考慮して600万円を認めた。
・ 会社員(固定時22歳,生殖器の障害11級を含め12級以上の後遺障害が5つ併存し,併合10級相当)につき,左大腿前面の瘢痕等,複数の広範な瘢痕が残存していること,骨盤骨折に伴う生殖器障害により長期間にわたり相当の心労を重ねていた上,第1子の出産にあたり帝王切開を余儀なくされ,第2子以降についても同様であること等から相応の増額が必要であるとして,傷害分265万円のほか,後遺障害分850万円を認めた。

カ 目・耳・鼻・口の障害
 ・ パート主婦(固定時46歳,精神神経障害9級,顔面醜状12級,言語障害10級,眼瞼障害12級,聴力障害14級相当の併合8級)につき,顔面醜状,言語障害,眼瞼障害,耳鳴りは労働能力への直接的な影響を与えていないとして労働能力35%で67歳まで逸失利益を認め,後遺障害慰謝料として1300万円を認めた。

② 現実の減収がないとされた事例
 ・ 開業医(右手指のしびれ等14級)につき,開業医としての減収がなく逸失利益が認められないことを斟酌し,200万円を認めた。
 ・ 刑務官(頸部痛等14級,腰痛等14級の併合14級)につき,事故後給料面で格別不利益な取り扱いを受けていないことから後遺障害逸失利益を否定し,傷害分135万円のほか,後遺障害分150万円を認めた。
 ・ 公務員・給食調理員(45歳,歯牙障害非該当,右膝痛等14級)につき,前歯が抜けた状態となり,インプラント治療を余儀なくされたこと,検食の際に食材等を細かく刻むなどの手間を要したこと,歯牙障害,右膝痛等が逸失利益に反映されないことなどを考慮し,傷害分183万円余りのほか,後遺障害分240万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(36)

2024-10-04

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

4 損害算定困難等を慰謝料で斟酌した事例
(3)逸失利益の算定が困難または不可能な場合
  ① 労働能力喪失が認められないとされた事例
   イ 歯牙障害
(ア)11級の事例
・ 会社員(固定時45歳,脊柱障害11級,歯牙障害11級の併合10級)につき,歯牙障害について逸失利益を認められないことを考慮して,傷害分215万円,後遺障害分700万円を認めた。

(イ)12級の事例
・ 男性(固定時23歳,歯牙障害12級,外貌醜状12級の併合11級)につき,逸失利益を否定し,後遺障害慰謝料として11級の慰謝料額に3分の2加算した額を認めていたが,控訴審で就労の機会や就労可能な職種を狭めたり,労働の意欲を低下させる影響を与えるものではあるが,その程度は大きいものとは認められないとして,逸失利益465万円,後遺傷害慰謝料390万円を認めた。
・ オペレーター(固定時24歳,7歯の歯科補綴12級,顔面醜状12級の併合11級)につき,労働能力に直接的な影響を与えているとまではいえないが,対人関係に消極的となっており,労働意欲その他労働能力に間接的に影響を及ぼしていることから630万円を認めた。

(ウ)14級の事例
・ 専門学校生・アルバイト(固定時19歳,歯牙損傷14級)につき,後遺症が実質的に見て13級に準じて取り扱って差し支えないこと,顔面醜状痕の存在及び歯牙損傷が逸失利益に反映されない点を考慮して,障害分170万円,後遺障害分350万円を認めた。

・ 若年女性(再治療の可能性のある歯牙障害14級,顎関節症非該当)につき,逸失利益は否定したが,170万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(35)

2024-09-27

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

4 損害算定困難等を慰謝料で斟酌した事例
(3)逸失利益の算定が困難または不可能な場合
  ① 労働能力喪失が認められないとされた事例
   ア 外貌醜状等
(オ)自賠責法上の後遺障害に至らないか該当しない事例
・ 会社員(固定時20歳)につき,自賠責基準に達しない顔面の線状痕を残し逸失利益を請求しなかったが,傷害分130万円とは別途,慰謝料200万円を認めた。
・ 看護専門学校生(事故時29歳,歯牙障害14級)につき,顔面の線状痕2か所はいずれも単独では12級14号の基準には達しないがほぼこれに近い大きさを有し,特に上唇瘢痕拘縮が顔面のほぼ中央部の位置にあることから,逸失利益を請求しなかったが,結婚相手を探す上で全く影響がないとは言い切れないとして200万円を認めた。
・ 太平洋路線航空機内通訳業務に就く契約社員につき,上口唇部の隆起等が残存し,逸失利益を請求しなかったが,傷害慰謝料51万円とは別途,慰謝料100万円を認めた。
・ 被害者(10歳)につき,下肢の手のひらの大きさに至らない醜状痕のため逸失利益は否定されたが,慰謝料150万円を認めた。
・ 女児(事故時5歳)につき,前額部瘢痕(前額部左側に約3cm四方の軽度の隆起と1.7cmの瘢痕,前頭部やや左寄りに幅約0.6cm長さ14.3cmの線状瘢痕)は,逸失利益を請求しなかったが,自賠責12級14号程度とみるには疑問はあるが,年頃になればその存在を気にするであろうこと,頭蓋骨に穴が開き生涯にわたし頭内部に金属板が存在することを考慮し,傷害分150万円,後遺障害分200万円を認めた。
・ 洋服デザイン販売会社経営兼ファッションモデルにつっき,鼻根部の直径1.5cm大の外傷後色素沈着,毛細血管拡張性の症状は後遺障害等級に該当する程度に至らないとして逸失利益を否定したうえで,日常生活や精神面における影響は無視できないこと,モデルという容貌が殊更重視される職業で仕事を受けられなくなり本件事故後廃業したこと,明確には算定できないが逸失利益も否定できないことなどから,傷害分,後遺障害分200万円を認めた。
・ 中学生(固定時15歳,高次脳機能障害9級)につき,67歳まで35%の労働能力喪失を認めたうえで,額の上の生え際から1cmのところに4cmの線状痕の醜状が残ったことも考慮して750万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:秋の全国交通安全運動の実施

2024-09-20

 令和6年9月21日から同月30日までの10日間,秋の全国交通安全運動が実施されます。
 https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/530143.pdf
 
 運動重点は,
・反射材用品等の着用推進や安全な横断方法の実践等による歩行者の交通事故防止
・夕暮れ時以降の早めのライト点灯やハイビームの活用促進と飲酒運転等の根絶
・自転車・特定小型原動機付自転車利用時のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底
 となっています。

 秋になると日没時間が早くなります。ドライバーから歩行者が認識しにくくなりますので,明るい色の服や反射材を付けて,自分の存在をアピールしましょう。一方,ドライバーは,早めにライトを点灯しましょう。
 また,自転車,特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボードなど)に乗るときは,自分の命を守るため必ずヘルメットをかぶりましょう。外出先や旅行先などでレンタル利用する際は,ヘルメットを持って行くか,一緒にレンタルすることを忘れないようにしましょう。
 
 歩行者や自転車が被害に遭う交通事故は,衝撃が生身に伝わるということもあり,死亡事故や重篤な障害が残る事故につながりやすくなります。
 死亡事故や後遺障害が残存した場合,逸失利益(生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のこと)が支払われますが,就労可能年数(67歳)までの年数が長いほど逸失利益は高額となります。
 ただし,67歳を超えている方や67歳までの年数が簡易生命表の平均余命の2分の1よりも短くなる被害者については,原則として,平均余命の2分の1の年数となります。
 逸失利益は,一般的に,死亡事故や後遺障害の賠償項目でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で算定することが大切です。
 
 後遺障害の中で重篤なものとして,頭部を損傷することで生じる,遷延性意識障害や高次脳機能障害があります。
 遷延性意識障害とは,意識不明のまま寝たきりになっている状態のことで,一般的に植物状態といわれています。事故前のように,会話をしたり,一緒に食事をしたり,笑顔を交わすことさえもできなくなるため,家族の深い悲しみは想像するに余りあります。
 遷延性意識障害になると,常に身守りや介護が必要になりますので,遷延性意識障害の患者が暮らしやすい環境を整えるには,適正な後遺症の等級認定を受け,適正な賠償金を得ることが大切です。
 賠償項目としては,治療費,傷害慰謝料(入院慰謝料),付添看護費,後遺症慰謝料,逸失利益の他に,将来の介護費用,近親者の後遺症慰謝料,家屋のリフォーム代が認められます。

 高次脳機能障害とは,脳が損傷することで,①記憶障害(覚えられない,思い出せない,すぐに忘れる),②注意障害(気が散りやすい,集中できない),③遂行機能障害(手順良く作業を行うことができない),④人格障害(怒りっぽくなる,疑いやすくなる),⑤コミュニケーション障害が生じることです。
 高次脳機能障害は外見上異常がないため,周囲から理解されることが難しく,被害者や家族が精神的にも追い込まれることが少なくありません。
 自賠責では,症状に応じて1級~9級が認定され,介護が必要となる1級,2級では,遷延性意識障害と同じように,将来の介護費用や家屋のリフォーム代が認められます。

 このように,遷延性意識障害や高次脳機能障害となると,被害者のみならず介護を行う家族の生活が,事故前とでは一変することになります。
 特に自転車利用時は,ヘルメットを着用することで,頭部への衝撃を減らすことができますので,ご自身や大切な人を守るため,安全基準を満たす自転車乗車用ヘルメットを着用することが大切です。

 弁護士法人しまかぜ法律事務所は,歩行者,自転車の交通死亡事故や遷延性意識障害,高次脳機能障害の解決実績が豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。

【コラム】:慰謝料(34)

2024-09-13

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。
 積極損害とは,事故により被害者が実際に支払った費用のことで,治療費や通院交通費などです。消極損害は,事故に遭わなければ被害者が得られたであろう将来の利益のことで,休業損害や逸失利益です。慰謝料は,事故に遭うことで受ける肉体的・精神的な苦痛に対する賠償金です。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

4 損害算定困難等を慰謝料で斟酌した事例
(3)逸失利益の算定が困難または不可能な場合
  ① 労働能力喪失が認められないとされた事例
   ア 外貌醜状等
(エ)14級の事例
・ 女児(事故時3歳,左足関節部内側の肥厚性瘢痕14級)につき,痒みや痛みがあること,将来の表皮移植手術費用は実施の有無,費用の算出等が確実なものではなく独立の損害項目として認められないこと,後遺障害の部位程度からみて労働能力に影響を与えると認めるのが困難であること等から,逸失利益が否定されることを斟酌し,傷害分60万円,後遺障害分350万円を認めた。
・ 高校3年生(下肢醜状痕14級)につき,慰謝料と弁護士費用のみを請求し,慰謝料400万円を認めた。
・ アルバイト(固定時23歳,頭部外傷後遺症14級,左肩から胸部の醜状痕14級の併合14級)につき,5年間喪失率5%で逸失利益を認めたうえで,20歳代の未婚女性であることを考慮して180万円を認めた。
・ 小学生(6歳,長管骨の変形12級,右下肢醜状14級の併合12級)につき,醜状障害は直ちに労働能力に影響するものではないが,右下腿の変形及び内側骨棘の程度等から14%の労働能力喪失を認めたうえ,将来手術の可能性や右下腿の長さ14cmの瘢痕等5か所の瘢痕による今後の精神的苦痛は軽視できないとして,傷害分220万円,後遺障害分350万円を認めた。
・ 男児(固定時8歳,左足背部の植皮術後の瘢痕14級)につき,醜状痕は労働能力に直接的な影響がないとして逸失利益を否定したが,精神的苦痛による影響が成長過程にある被害者にとって小さくないこと等を考慮し,傷害分105万円のほか,後遺障害分180万円を認めた。
・ 家事従事者(30代,右上肢の瘢痕14級)につき,労働能力への直接的な影響は認め難いものの対人関係や対外的な活動に消極的になる形で間接的に労働能力に影響をおよぼすおそれが認められ,これを慰謝料の加算事由として考慮し(70万円程度増額),後遺障害分180万円を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,5年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 交通事故の被害に遭い,加害者に請求できる内容は,被害に遭われた方の年齢や職業等によって,それぞれ変わってきます。
 後遺症は1つ等級が上がるだけで大きく賠償額が変わります。適正な等級認定を獲得するには,できるだけ早い段階から情報を入手して,準備を進めることが大切になります。
 後遺症申請の認定実績が多数あり,適正な後遺症慰謝料での解決している,弁護士法人しまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。

« Older Entries Newer Entries »
Copyright(c) 2021 弁護士法人しまかぜ法律事務所 All Rights Reserved.