【コラム】:過失割合について(歩行者と自転車との事故 1.横断歩行者の事故 (3)横断歩道外における事故(自転車が車道を進行している場合)ア横断歩道の付近における事故(4))
交通事故の被害者および加害者には,それぞれの過失に応じた過失割合というものが決められます。
過失の割合に応じて賠償額が減額されるため,交通事故において,過失の割合はとても大きな問題となります。
そこで,事故態様ごとの過失割合をご紹介します。
1.横断歩行者の事故
(3)横断歩道外における事故(自転車が車道を進行している場合)
ア 横断歩道の付近における事故
(ア)信号機の設置されている横断歩道の直近における事故
b 横断歩道の手前
(a)【80】自転車:赤信号で衝突
歩行者:青信号 ⇒ 歩行者:10 自転車:90
歩行者:黄信号 ⇒ 歩行者:25 自転車:75
歩行者:赤信号 ⇒ 歩行者:35 自転車:65
(b)【81】歩行者:赤信号で横断開始 自転車:黄信号で衝突
歩行者:60 自転車:40
自転車の速度や衝突地点と横断歩道との距離関係等から,黄信号が表示された時点で,当該自転車が所定の停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合は,本基準ではなく,【82】が適用されます。
(c)【82】歩行者:赤信号で横断開始 自転車:青信号で衝突
歩行者:80 自転車:20
自転車の運転者としては,赤信号に違反して横断を開始する歩行者があることまで予見すべき注意義務はありませんので,通常に前方を注視していれば,道路を横断しようとする歩行者がいることを容易に認識できたのにこれを怠った場合等の軽度の前方不注視や,ブレーキ操作不適切等の安全運転義務違反があることを想定しています。歩行者が自転車の直前に飛び出したような場合には,自転車が免責されることもあります。
近年,ロードバイクや電動アシスト自転車が普及し,自動車と違い免許が不要で気軽に乗れることから,小さいお子さまからご高齢の方まで,たくさんの方が自転車に乗っています。
自転車とはいえスピードは速いので,歩行者と自転車との事故の場合,衝撃を生身に受けた歩行者が亡くなったり,重篤な傷害を負うケースもあります。
また,目撃者がいない場合,主張が対立することもあり,示談による解決が難しくなることもあります。
しまかぜ法律事務所では,事故の現場図を分析したり,正確な事故態様を明らかにし,適正な過失割合で事故の解決をしています。
賠償額が大きくなればなるほど,過失割合がたとえ1割の違いであっても,受け取れる金額が大きく変わってきますので,過失割合でお困りの方は,ぜひ,しまかぜ法律事務所へご相談ください。