【コラム】:同乗事故における減額(2)

2026-08-21

1.無償同乗(好意同乗)
(2)同乗者の帰責事由による減額が問題となった事例
同乗者に一定の帰責事由(危険承知,危険関与・増幅等)がある場合には,減額されることがあります。
① 減額を認めなかった事例(1)
 ・ 1台の車に4人で同乗し,明け方からの釣りを終え昼食時に飲酒をした直後の単独事故につき,加害者運転者の疲労に加え,飲酒により注意力が散漫になったことによる前方不注視が事故の直接の原因と考えられるが,同乗被害者に,危険な運転状態を容認又は危険な運転を助長,誘発するなど,事故発生に帰責事由があるといえないし,シートベルト不装着も,事故態様及び事故内容からすれば受傷及び損害の拡大に寄与したともいえないとして減額を否定した。
 ・ 同窓会で一緒に飲酒した後に,加害者が被害者らを乗せて二次会のカラオケボックスに向かう途中で,対向車線の信号機に衝突した単独事故につき,被害者は加害者が一定の飲酒をしていることを認識していたとしても,加害者の運転を支配したり,危険な運転状態を容認又は危険な運転を助長・誘発したということはできず,帰責事由は認められないとして減額を否定した。
 ・ 免許停止処分中の加害者が運転する自動二輪車に同乗中,対向右折車と衝突し被害者が死亡した事故について,被害者の相続人が双方車両の運転者に対して損害賠償を請求した事案につき,事故態様及び加害者の過失の内容を勘案し,免許取得後1年以内の二人乗りは禁止されているが,被害者がその事実を認識しながら同乗していたとしても過失相殺すべき過失があるとはいえないとして減額を否定した。
 ・ 制限時速50キロの道路を加害者が120キロで片手運転・前方不注視で先行車に衝突した後暴走し中央分離帯上の水銀灯に衝突して同乗者を受傷させた事故につき,加害者が突然120キロに急加速したこと等から同乗していた被害者がスピードをあおるようなど無謀な運転を誘発,助長するなどの行為をした事実は認められないとして減額を否定した。
 ・ カラオケ店で飲酒した帰りに加害者が被害者から運転を交代した後,速度オーバーによりカーブを曲がりきれずに車両を路外に転落させた事故につき,被害者は事故発生の危険性を増大擦るような状況を作出しておらず,運転を交代したのは加害者に迫られ逆らえないと感じたからであり,加害者に危険な運転をやめるように言えない雰囲気であったとして減額を否定した。
 ・ 一緒に徹夜で遊んだ帰り,加害者が高速走行と急ハンドルにより車両を転覆・滑走させ同乗中の被害者が受傷した事故につき,加害者の運転を指導する立場になく助言を行う義務があったとはいえないこと,高速走行や急ハンドルを助長していないこと,深夜から早朝まで一緒に遊んだとしても過労による居眠り運転による事故ではないことから減額を否定した。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,7年連続交通事故死者数全国ワーストを脱却していますが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
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