【コラム】:損益相殺・損害の補填等(4)

2026-04-03

 被害者またはその相続人が事故に起因して何らかの利益を得た場合,当該利益が損害の補填であることが明らかであるときは,損害賠償額から控除する場合があります
 
3.社会保険給付等がある場合の控除
(1)控除制限
① 客観的範囲(損害費目等との関係)
当該給付と同一性を有する損害費目等との関係に限り,控除が認められる。
ア 健康保険,国民年金,厚生年金
・ 健康保険法による高額療養費のうち,損害賠償と同一の事由に関して損害を填補するといえるものは,治療費が請求されている期間に対応する部分のみであるから,その期間に対応する高額療養費の給付額のみを控除すべきとした。
・ 健康保険法による食事療養費につき,対応する治療費が損害として計上されていない場合は損害額の算定上は考慮する必要がないとした。
・ 健康保険傷病手当金及び障害基礎厚生年金は,逸失利益及び休業損害に充当されるとした。
・ 症状固定日後に支払われた健康保険傷病手当金は,休業損害及び後遺障害逸失利益と同一の原因によって受けた利益とはいえないとして,控除を認めなかった。
・ 交通事故によって後遺障害を負ったことを原因として,被害者が国民年金法で定める障害基礎年金の受給権を取得した場合,支給を受けることが確定した障害基礎年金の額の限度で損害額から控除すべきものであり,また,国民年金法に定める障害基礎年金によって損益相殺的な調整をはかることのできる損害は,被害者の逸失利益と休業損害に限られるとした。
・ 障害厚生年金は,後遺障害逸失利益に対応してのみ控除することができるとし,休業損害等からの控除を認めなかった。
・ 国民年金の障害基礎年金の基本部分及び加算部分は,休業損害及び後遺障害逸失利益に充当されるとした。
・ 死亡事故後に受給及び支給が確定した妻の遺族基礎年金及び遺族厚生年金につき,損益相殺の対象となるとしたが,その範囲は逸失利益に限定され,他の財産的損害や精神的損害との関係で控除することは出来ないとした。
・ 厚生年金保険法による遺族厚生年金につき,不法行為により死亡した被害者の相続人が,その死亡を原因として遺族厚生年金の受給権を取得した時は,被害者が支給を受けるべき障害基礎年金等に係る逸失利益だけでなく,給与収入等を含めた逸失利益全般との関係で,支給を受けることが確定した遺族厚生年金を控除すべきとした。

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