【コラム】:物損(24)

2025-09-26

 交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,車の修理代金や代車使用料などの物損もあります。
 なお,自賠責保険は人身事故のみ対象としており,物損事故による損害は対象外となるため,物損事故による損害は,加害者または加害者が加入している保険会社に請求することになります。
 請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。

7.休車損
(2)休車期間
・ 大型貨物自動車につき,過失割合が争点となったので,現物保存のため当初は修理を見合わしていたこと,話合いが不調におわったため修理に出したところ,当初の予想とは違ってエンジン関係にも大分損傷があることが分かったので廃車にしたことから,92日間の休車期間が不当に長すぎるとはいえないとした。
・ 被害車両が科学的検証のため事故から16日間警察署に留置された事案について,当該期間は公益的見地から国民の義務とされているものだから休車期間に含めるべきではないという加害者側の主張を排斥し,当該期間を含めた修理完了までの95日間について休車損を認めた。
・ 大型冷蔵冷凍車につき,車両の損傷状況等に関する保険会社の調査が事故後約1か月を経過したときに行われたこと,取得した車両を被害車両に替えて使用するには相応の整備を要することから,買い換えに要する相当な期間として4か月間を認めた。
・ エンジン損傷の有無を巡り全損か分損かが争われた事業用大型貨物自動車につき,休車期間には修理費の見積もりに要した期間及び相当な交渉期間を含むとし,損害確認報告書の提示等までに142日を要し,その時点でもエンジン検査をするかどうかなどの協議がされていたことから,被害者が上記提示等を機に買替えを決断したとしても遅いと評価できないとし,上記提示等から1か月後までの173日間における所定労働日123日につき,休車損を認めた。

 愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
 物損事故の場合,被害者の加入している車両保険を使用して解決する方もいらっしゃいますが,等級が下がり翌年からの掛け金が高くなります。被害車両の損害状況や過失割合によっては車両保険の使用をお勧めすることもありますが,弁護士費用特約を使用し,弁護士が加害者と交渉することで,適正な賠償額を回収することができます。弁護士費用特約は使用しても等級が変わらず,翌年からの保険料も変わりません。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は物損の解決実績も多くありますので,車両保険を使用して高くなった保険料を払うか,弁護士費用特約を使用して保険料が変わらずに解決できるか,ぜひ,一度ご相談ください。

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