【コラム】:逸失利益の基礎収入について(給与所得者が退職金を減額された場合)
2016-08-19
給与所得者における逸失利益の基礎収入で問題になることの多い,⑤退職金の減額分を請求できるかを,説明させていただきます。
後遺症のために,会社を早期退職せざるを得なかった場合,早期退職による退職金と,定年時に支給予定の退職金との差額を請求することができます。
ただし,単に差額を出すのではなく,退職金を早期受給できた利益を考慮する必要があります。
この利益は,ライプニッツ係数(現価表)において算定します。
例えば,被害者に重篤な後遺症が残って50歳で早期退職を余儀なくされたとして,早期退職金として1200万円受給,定年時(60歳)に支給予定の退職金が2000万円であった場合について,具体的に説明させていただきます。
退職金差額は,2000万円-1200万円=800万円ではありません。
10年早期受給できた利益を考慮する必要があり,10年のライプニッツ係数(現価表)は,0.6139です。
そのため,退職金差額は,2000万円×0.6139-1200万円=27万8000円となります。
逸失利益は,一般的に,もっとも高額な賠償項目となります。
適正な賠償額を獲得するためにも,豊富な知識と実績を備えたしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。
←「【コラム】:逸失利益の基礎収入について(給与所得者の定年以降について)」前の記事へ 次の記事へ「【コラム】:逸失利益の基礎収入について(個人事業主の算定方法)」→