【コラム】:物損(32)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,車の修理代金や代車使用料などの物損もあります。
なお,自賠責保険は人身事故のみ対象としており,物損事故による損害は対象外となるため,物損事故による損害は,加害者または加害者が加入している保険会社に請求することになります。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
9.家屋・店舗,設備に関する損害
(2)営業損害等
店舗に車両が飛び込んだ場合等に認められます。
・ 飲食店が側壁破壊により7日間の休業を余儀なくされた事案につき,事故前3か月の平均利益を基礎に7日間の休業損害を認めた。
・ 喫茶店にダンプカーが突入した事案につき,修理を終え,開店にあたっての宣伝費として20万円を損害として認めた。
・ 店舗設計等の業務を行うデザイン事務所につき,パソコン及び周辺機器の損害として2か月前に購入した代金,パソコンデータの復元費用,事務所が使用できない35日間についての売上減少による損害を日額2万円を認めた。
・ サーフショップに飲酒酩酊車両が突入した事案につき,店舗修理費,商品損害,31日分の休業損害を認めた他に,米国製サーフボードを仕入れるために余儀なくされた出張交通費を損害として認めた。
・ 大型貨物自動車が紳士服量販店に飛び込んだため,店内に陳列・展示されていた,再仕入れができない春夏用の売り切り商品が被害を被った事案につき,販売価格に粗利益率を乗じた額に仕入れ減価を加え,季節物の販売期間中の販売率を乗じて損害を算出した。
・ 開店4か月のリサイクルショップに自動車が衝突した事案につき,店舗内の商品・備品等の破損状況の写真はあるものの価格が明らかでなく,厳密な商品管理がなされていないとして,店舗内ショーケース及び陶器等その内部商品,コーヒーカップ,こたつセット,食品等の疑念を入れる余地があるものについては,民訴法248条により,原告主張の損害額の5割を認定するなどして損害額を認定した。
・ ペットショップに普通乗用車が飛び込んだ事案につき,長期間休業して店舗改修工事後にリニューアルオープンするにあたり,顧客に営業再開案内の葉書を送付したりチラシを配布して集客活動した費用は,通常の広告宣伝活動とは性質が異なるとして損害と認めた。
・ 駐車場入口ゲート及び料金精算機損壊により101日間休業した駐車場の営業損害につき,警備員をはいちすることにより営業継続は可能との加害者側主張は,人件費,ポスレジの導入費用,導入まで要する時間等に照らし経済的合理性を認めがたいと排斥し,73日間の限度で休業期間を認め,過去3年の同時期の売上合計額を日割りした上,変動経費を控除した日額を認めた。
・ 店舗(肉屋)に車が衝突し,休業損害(最終所得額に固定費を加える方法で算出した3年分の平均値を基礎収入とし,休業期間5.5か月分),什器備品損害(民訴法248条の趣旨に鑑み被害者の主張する購入金額の30%相当額),商品損害(事故までに販売済みや通常の廃棄処分の存在を考慮し,事故前の納品書の在庫商品の仕入れ原価の60%相当額)を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
物損事故の場合,被害者の加入している車両保険を使用して解決する方もいらっしゃいますが,等級が下がり翌年からの掛け金が高くなります。被害車両の損害状況や過失割合によっては車両保険の使用をお勧めすることもありますが,弁護士費用特約を使用し,弁護士が加害者と交渉することで,適正な賠償額を回収することができます。弁護士費用特約は使用しても等級が変わらず,翌年からの保険料も変わりません。
弁護士法人しまかぜ法律事務所は物損の解決実績も多くありますので,車両保険を使用して高くなった保険料を払うか,弁護士費用特約を使用して保険料が変わらずに解決できるか,ぜひ,一度ご相談ください。

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