【コラム】:物損(20)
交通事故の被害に遭い,加害者へ請求できる損害賠償には,車の修理代金や代車使用料などの物損もあります。
なお,自賠責保険は人身事故のみ対象としており,物損事故による損害は対象外となるため,物損事故による損害は,加害者または加害者が加入している保険会社に請求することになります。
請求できる内容や注意点など,詳しくご紹介します。
6.代車使用料
(3)代車の認められる期間
・ 代車が加害者側より130日間提供された場合につき,調停での解決が途中で困難であることが被害者に認識できたことを理由に,70日分は被害者が負担すべきだとして損益相殺の対象とし,60日分を認めた。
・ 物損事故の加害者が早期の賠償をしないため,被害者が修理代金を払えず,このために修理業者から留置権を行使され代車期間が延長したとしても,民法419条の金銭賠償の特則の趣旨からして,事故と相当因果関係のある代車使用料は相当期間中のものに限られるとした。
・ 示談を代行する保険会社の担当者が,被害者を納得させるための説明・交渉に時間を要し,修理または買い替え手続きに着手する前の交渉期間中に代車使用料が生じたとしても,合理的期間内の代車料にとどまる限り加害者は代車料を負担する義務があるとして,事故から12日目に保険会社側の最終回答がなされたことをふまえ,事故後約40日間を代車使用期間と認めた。
・ 初度登録から2か月弱,走行距離5232kmのBMW525iにつき,購入後間もなく新車同様であったことから,被害者が買替や買取を求めたことは理由がないことではなく,保険会社の担当者もその検討を約束した後,弁護士から被害者に買替拒否と修理着工が通知されていることから,当該通知がなされるまでの36日と,修理の相当期間47日の合計83日について代車使用料を認めた。
・ 新車又は事故前と同等の損傷のない車両に替えることを要求し,売却価格と新車価格の差額支払いを求めるなど,修理着工の指示が遅れたことに合理的な理由がない場合には,その期間は代車料の支払い義務がないとし,50日分の代車料請求につき33日分を認めた。
・ 代車料の認められる期間は経済的全損であることが判明するまでの期間及びその終期から買替え完了までの間とするのが相当であり,車種(アルファロメオ)等も考慮すると通常1か月程度であるが,保険会社の調査に時間を要し正式見積もりを取るのが多少遅れたとして,40日間84万円の代車料を認めた。
・ 事故日から95日間,日額3000円で代車を使用した事案につき,事故から36日目に被害者の保険会社が加害者の保険会社から全損である旨の連絡を受けたことなどを踏まえ,50日分の代車料を認めた。
愛知県では,愛知県警の取り締まり強化により,6年連続で交通事故死者数全国ワーストを脱却しましたが,未だ多くのご遺族が交通死亡事故の被害で苦しんでいます。
物損事故の場合,被害者の加入している車両保険を使用して解決する方もいらっしゃいますが,等級が下がり翌年からの掛け金が高くなります。被害車両の損害状況や過失割合によっては車両保険の使用をお勧めすることもありますが,弁護士費用特約を使用し,弁護士が加害者と交渉することで,適正な賠償額を回収することができます。弁護士費用特約は使用しても等級が変わらず,翌年からの保険料も変わりません。
弁護士法人しまかぜ法律事務所は物損の解決実績も多くありますので,車両保険を使用して高くなった保険料を払うか,弁護士費用特約を使用して保険料が変わらずに解決できるか,ぜひ,一度ご相談ください。

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